今、若者たちの消費行動に新しい現象が生まれているのをご存じだろうか?

「ワンショット消費」・・・その言葉の通り、1回きりの消費スタイルのこと。
ファッションアイテムを購入後、1回だけ着用してSNSに投稿し、メルカリなどのフリマアプリですぐに売るという一連の行為を指す。

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番組が、東京・新宿区で10~30代の男女100人にアンケートしたところ、55%がワンショット消費をしたことがあると回答。若い世代の間で、徐々に認知されつつあるようだ。

しかし、人生の先輩たちの意見を聞いてみると・・・「物をもっと大切にしてもらいたいなと思います」(66歳)、「4~5年は着ますね」(72歳)という声が。
若者と年配の方の間には、意識に大きな違いがあるようだ。

そこで今回のココ調は、若者たちのワンショット消費の実態を調査してみた。

買値と大差ない値段で出品!ワンショット消費をする3つの理由

さっそく、街でワンショット消費したことがある人たちに話を聞いてみた。

20代女性A:
ネットで買い物することが多くて、サイズが合わなかったりするので、1回も着ずに売ることもあります。

ある女性は、すでに多くのファッション・アイテムを出品中だった!

20代女性B:
失敗しても、まぁ売ればいいかっていう考えは、ちょっとあります。

ワンショット消費をする理由の1位は「サイズが合わないから」

ネットで買い物をすることが増えたため、イメージした物と商品が違った場合は、記念に1回着てSNSにアップ。その後、売ってしまうことがあるという。

そして、2位と3位にもイマドキらしい驚くべき理由が並んだ。

10代女子学生A:
服を着て「うれしい」とか、SNSに載せるんですけど、手に入ったら満足しちゃって売っちゃったみたいな。

20代女性C:
「良い物買えたよ」っていう自慢。

10代男子学生A:
周りで流行っている物を買って、それを自己満みたいな感じでストーリーとかに載っけて、そのまま売っちゃうみたいな。

横山ルリカ リポーター:
ストーリーに載せたら、もう満足しちゃうんですか?

10代男子学生A:
一種の自慢だよね。

3位は「1回着て満足した」、2位が「自慢するため・物欲を満たすため」に購入し、すぐに売ってしまうというものだった。
SNSに投稿したら、それで満足するという 若者が増えている様子。

さらに、ワンショット消費にはこんな特徴もあった。

20代女性D:
5000円台後半で買った服が、4000円台後半ぐらいで売れた。

10代女子学生A:
3300円で買った服が、2700円で売れた。

新品同様の状態で売るため、買った時の値段と大きな差額なく売ることができるというのだ。ココ調の調査では、買値から500~1000円程の差額で売る人が最も多かった。

「新品を買って、いらない服を売る」

そんな中、ワンショット消費歴1年以上という女性の情報をキャッチ!
都内で1人暮らしをしている舟倉明香さん(24)の自宅に伺った。

取材した日は、まだ1回しか着ていないというトップス・スカート・ワンピースなど、 合計10着の洋服をメルカリに出品するため、衣服を広げて写真を撮影していた。

真新しいブラウスも、友達と記念撮影してSNSに投稿したため、もう売ってしまうのだという。

舟倉明香さん:
もう洗った時点で思い出は流れていきます。あとは、思い出には写真で浸ろうかなと。

しかし、なぜそこまでしてワンショット消費をし続けるのか?

舟倉明香さん:
1回着たら満足かなというところで、売っちゃおうかなと。お金に変えちゃおっかなっていう。新品を買って、いらない服を売るみたいな感じです。

コインランドリーで本格撮影&梱包できる!

若者に広がるワンショット消費は、コインランドリーにも影響を与えていた。

東京・中野区のコインランドリー「東中野TOSEI Laundry」では、その場で服を洗い、すぐに出品できるように撮影スペースが設置されている。

横山ルリカ リポーター:
コインランドリーと撮影スペースを共存させた理由は?

トーセイ マーケティング部・須田雅太郎主任:
今、若い女性達を中心に、その後に売ることを前提に買い物をしていて、「メルカリで出品するために撮影するスペースがほしい」ということで、コインランドリーに併設しました。

利用者にも話を聞いた。

30代男性:
家でも無理やり(バックが)白いところを探したりしているので、ここだと気にしなくていいですね。家で撮影するよりすごく撮りやすいです。

20代女性:
(服の)見栄えがキレイにしっかり伝わるのがいいなと思います。

今年6月から導入されたこのサービス。
照明はもちろん、撮影時にあると便利なハンガーやメジャーなどが利用できる上、ダンボールなどの梱包資材も常備されている。

撮影スペースの使用料は無料!(※送料は別に必要)

トーセイ マーケティング部・須田雅太郎主任:
コインランドリーを今まで使ったことがない人でも、写真を撮りに来て、中に入ってみて、その後(コインランドリーを)使ってくれるようになればと思っています。

ワンショット消費現象に合わせて、今後は全国に店舗数を増やしていく考えだ。

「大きいブランドロゴ」でアプリ出品時の価値をアップ

さらに、ワンショット消費を見越して、商品にある工夫をするアパレル店も登場している。

(株)ウツワ 代表取締役・ハヤカワ五味さん:
フリマアプリで売ったりした時に価値が付きやすいような工夫は、かなりしています。例えば、ロゴを写真におさめた時でも見やすく大きいサイズにしたり。
ブランドの確認がしやすいものに関しては、リセールのバリューがすごく高くなるので、そういった部分を意識しています。

東京・渋谷区の「LAVI SHOP」では、フリマアプリで売りやすくするためにタグを大きくし、ブランド名をより分かりやすくしたという。

確かに、メルカリに出品されている商品を見てみると、ロゴやタグを目立たせた写真が多くあった。

ロゴが大きいことでブランド名を確認しやすくなるため、服の売り上げ増加にも繋がっているそうだ。

(株)ウツワ 代表取締役・ハヤカワ五味さん:
本当に大事な物は長く使う。「今回だけでいいや」という、例えば結婚式の披露宴だけとか、そういったものに関してはワンショット消費が進むという形で、いろんな消費の仕方が増えてきたらいいなと思います。

さまざまな業界に大きな影響を与えているワンショット消費。今後どうなっていくのか注目だ。

(「めざましテレビ」『ココ調』7月5日放送分より)

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