ピザを1秒でも早く届けるための「ランナー」とは?

こんがりと焼き色がついた、とろっとろのチーズが乗った焼きたてピザ。

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宅配ピザチェーン大手の「ドミノ・ピザ」が7月2日東京・銀座でオープンした店舗は、ピザを1秒でも早く届けるためのある取り組みを導入した。

「ドミノ・ピザ」銀座店
「ドミノ・ピザ」銀座店

男性:
僕は『ランナー』というポジションです

えっ「ランナー」?

自分をランナーだと自己紹介した男性は、厨房の横から中の様子を確認。そしてピザができると、ピザを片手に、配達車に乗ってスタンバイしている配達員のもとにダッシュ。

無駄のない動きであっという間に荷台にピザを積み込んだ。この間、配達員は積み込みを手伝うことはなく、積み込みが完了すると、道路の安全確認を行って、すぐデリバリーに出発した。

実は、この「ランナー」は、焼きたてピザを配達員に届け積み込むことが主な仕事内容。人手不足の時代に逆行するかのように店舗スタッフを増員したのだ。

ドミノ・ピザ ジャパン東日本第三営業課 石丸太郎課長:
ピザをデリバリー車両に持って行く時間を限りなく0に近づけるために開発しました。今後は(ランナーなどを)いろんな店舗で拡大できるように考えています

ドミノ・ピザ ジャパン東日本第三営業課の石丸太郎課長
ドミノ・ピザ ジャパン東日本第三営業課の石丸太郎課長

10月の軽減税率導入に伴い高まるテイクアウト需要

これまでに、配達時間を短縮するために店舗数を増やし、徹底したスピード配達を目指すドミノ・ピザ。

人手不足により、多くの店が従業員を減らす「省人化時代」に、あえてスタッフを増やしてスピード配達にこだわる理由とは…

店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏:
今、テイクアウト競争に突入している状況です。10月の消費税増税による軽減税率の導入にともなって、テイクアウト需要が高まるので、そういった中で、飲食店各社がテイクアウトの需要の取り組みに躍起になっている。スピード提供することによって差別化を図って、顧客を獲得したい狙いがあると思います。人件費がかかってしまうのは、デメリットだとは思うんですけど、それ以上にまずは、顧客を獲得しなければ勝ち残っていけないので、スピード配達で利便性を高めることによって売り上げをあげて、コスト増を吸収する考えがあると思います

店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏
店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏

デリバリー競争に勝つためには…

三田友梨佳キャスター
デリバリーのスピードアップを図る際、どういったことがポイントになるんでしょうか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏
デリバリーのスピードアップはテクノロジーの活用はもちろんなんですけど、一店舗辺りの商圏を小さくしていく動きが出てくると思いますね。 具体的に言うと店舗数をどんどん増やし各店舗の配達エリアを狭くすることによって早く配達できるようにする。そういった動きが出てくるんじゃないかと思います

石倉秀明氏
石倉秀明氏

三田友梨佳
同業のピザチェーンもそうですが、いろんな飲食店も配達を行っていますよね。こういったデリバリー競争を勝ち抜くための条件はどうなるんでしょうか?

石倉秀明氏
大量の人員確保が必要になってくると思うんですね。その中でも配達員を確保できるかどうかがポイントになると思います。ドライバーの採用は以前から非常に難しい職種で、ウーバーイーツなどの台頭によって新しい働き方をする人も増えている職種だと思います。 仕事を始める時間、終わる時間を自由に決めたり、何かのついでに仕事ができたりとか、そういう新しい働き方をするドライバーが増えている。そうした中で人員を確保していく競争は激しさを増しているんですね。普通にやっていてはなかなか人員を確保できないので、(ウーバーイーツなどとの差別化で)雇われることの安心感を整備できるかが大きなポイントになると思います。

(「Live News α」7月2日放送分)