「定価の10倍で…」和菓子店困惑の転売

銀座の老舗和菓子店に突如降りかかった“転売問題”
自慢のどら焼きがインターネット上で高額転売されていることが判明した。

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木挽町よしや 2代目店主・中村良章さん:
頭くるよね、ホントに。どんなやつだか張り倒してやりたい!

被害にあっているのは、東京・銀座で90年以上の歴史を誇る和菓子店「木挽町 よしや」。

自慢の「どら焼き」は、鉄板でしっとりと焼き上げた皮に、最高級の北海道十勝産小豆を使ったあんを包んだ一品で、多い日には1日1000個以上売れるという。

銀座店では店頭・予約のみの販売となっており、1週間待ちになることもあるというまさに“プレミアム”などら焼きだが…。
このどら焼きが、ネットショッピングサイト「Amazon」で高額販売されているのを発見したという。

転売を発見したのは、中村さんの甥っ子にあたる、斉藤大地さん。
通常5個入りで756円のどら焼きが、その販売ページでは4,980円となっていた。

27日にAmazonに問い合わせたところ、謝罪のメールが届いたものの、販売元の情報を開示することはできないとの回答だったという。

木挽町よしや 斉藤大地さん:
Amazonから謝りのメールがきたのは初めてです。「電話番号や住所を教えてください」って言ったところ、「それはプライバシーで教えることはできない」(と言われました)。

そこで店側は実際にその販売ページからどら焼きを注文。
「よしや」が「よしや」のどら焼きをインターネットで買うという奇妙な事態になってしまったが、7月5日に届く予定だという。

また、「Live News it!」でもAmazonに問い合わせたが、これまでに返答はなかった。

さらに、店主が怒りをあらわにしているのは、その商品紹介。
販売ページには「賞味期限3日」との記載があったが、店で買ったお客さんには購入した当日か翌日までに食べるよう求めており、宅配には向かないという。

木挽町よしや 2代目店主・中村良章さん:
買った人はもっとかわいそうだよね。時間たってるでしょ、うまくないよ!

転売を取り締まる法律は?

本来、店頭でのみ売られているはずのどら焼きをネットショッピングで高額転売することに問題はないのだろうか。
電子商取引に詳しい、骨董通り法律事務所の福井健策弁護士は…

福井健策弁護士:
まず法律のルールとして「何かの商品を買ってきて転売する」ということは原則自由なんです。転売を一律で禁止するような法律があるわけではないんですね。

インターネット上にはびこる、転売問題。
店では今後ホームページに「転売禁止」と明記するなどの対策を講じるとしている。

(「Live News it!」6月28日放送より)