アスリートにとって、いつも近くで支えてくれる師匠は欠かせない存在だ。

6月30日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)では、スポーツ界の仲良し師弟コンビが登場し、先輩から学んだことやお互いの素顔などを明かした。

 
 
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「WBSS」で無敗の王者から3度のダウンを奪う

世界を股に掛けて活躍する日本人アスリートが続々と誕生する中で、今最も注目されているのが、ボクシング3階級王者で18戦18勝、“無敗のモンスター”井上尚弥選手。

そんな井上選手は今、「ワールドボクシングスーパーシリーズ(WBSS)」に挑んでいる。

現在、ボクシングには主に、WBA、WBC、IBF、WBOの4つの団体が存在し、それぞれにチャンピオンがいる状態。そこで、それぞれの団体の王者や実力者を集め、トーナメントでその階級の真の王者を決める前代未聞の大会が「WBSS」。

2017年から始まり、第2シーズンの現在は、井上選手が戦うバンタム級で開催され、最強を決める大会だけあり、参加者は8人中5人が無敗という超ハイレベル。

 
 

井上選手の「WBSS」初戦の相手は、21戦20勝で“支配者”という異名を持つ、ファン・カルロス・パヤノ選手。これまでKO負けがない相手だが、1ラウンド目わずか70秒で井上選手がKO勝利。

そして、先月18日にイギリスで行われた「WBSS」準決勝の相手は、IBF世界バンタム級王者で19戦無敗のエマヌエル・ロドリゲス選手。事実上の決勝戦とも呼ばれたこの試合では、2ラウンド目で早くもダウンを奪い、攻勢を強めた井上選手が2度目のダウンも奪い、1分19秒で勝利。

無敗の王者から3度のダウンを奪い、衝撃KOを記録した。

そんな“モンスター”を育てた師匠は、現役時代に150年に1人の天才と呼ばれ、世界王者を獲得した大橋ボクシングジム会長の大橋秀行さん。引退後の1994年にジムを開設し、元世界王者の会長としては最多の5人の世界王者を育て上げた。

周りの期待で初のスランプに…

 
 

スタジオには井上選手と共に大橋さんも登場。

ボクシングファンの千原兄弟・千原ジュニアさんは「本当に強すぎて、相手が一瞬弱く見えるくらい。でも、相手もめちゃくちゃ強いんですよ。だから、大橋会長が“150年に1人の天才”と呼ばれていましたけど、井上選手が出てきたことで“40年に1人の天才”に…」と笑いを誘った。

また、大橋さんは「この前のロドリゲス選手との試合は、井上がもし負けるならこの選手と思っていたくらいなので、それほど強いんです」と明かし、井上選手も「対戦相手の実力は評価していましたし、勝つか負けるか全く分からなかったので、試合前はすごくピリピリした状態だった」と振り返った。

ロドリゲス選手との試合では、第2ラウンドで井上選手がダウンを奪った後、ロドリゲス選手が首を振る場面も見られた。この時にロドリゲス選手のセコンドが「立て!」と言っていたのを目にした井上選手は、「余計なことを言うな、と思いました。立ったらどうなるか分からないと思っていたので。あの時は(勝利の)確信はなかったです。ボクシングの歴史を見ても、こういった展開から逆転はあるので気は抜けなかったです」と明かした。

 
 

無敗の王者から圧倒的な勝利を飾った井上選手だが、この試合の数ヵ月前、これまでにない重度のスランプに陥っていたことを告白。

「去年の試合が1ラウンドずつKOで終わっているので、周りからの期待とか、次も1ラウンドでしょ、という声がすごくて。自分の中では考えないようにしていたんですけど、それが練習中にも影響して、考えていることと体が一致しなくなった」と井上選手は当時を振り返った。

そんな井上選手の姿を見た大橋さんは「スランプは、知り合ってから初めてのこと。いつもスパーリングを見る時は“自分がやったらどうなるか”を想定しているんですけど、尚弥の場合はなすすべがない。でもある時、スパークリングを見ていて、“これ、勝てるな”と思った時に、ハッとして、重度のスランプだと、その時に初めて(井上選手に)アドバイスしました」と話した。

大橋さんが“初めて”アドバイスしたということに驚きを隠せない番組MCの浜田雅功さんだが、井上選手は「1ヵ月、ボクシングから離れて、頭も体もリフレッシュして練習を再開したんですけど、自分も初めてのことだったので、すごくナーバスになった」と明かした。

世界チャンピオンもボコボコに…!

井上選手の「WBSS」決勝戦の相手は、ノ二ト・ドネア選手。

ジュニアさんが「伝説のボクサーです。左フックで相手は陥没骨折ですよ」と言う通り、井上選手も「今までで一番、恐怖があります。どの選手よりもパワーがある選手なので」と語った。

そんな中、大橋さんは「スパーリングの相手がいない」という悩みを告白。

 
 

なんでも「井上がデビューした頃は、元世界チャンピオンとかが『井上はどんなヤツか』と、自分たちから来てくれたんですけど、(井上が)ボコボコにしてしまう。みんなやられちゃうので、“井上被害者の会”というのができて、なかなか来てくれなくて。今は海外から呼ぶんですけど、滞在費とかでお金が掛かって…」と、大橋さんは井上選手が強すぎるからこその困りごとを明かした。

同じジムには3階級王者の八重樫東選手もいるが、大橋さんは「八重樫は最初の頃はやっていたんですけど、だんだん顔が変わってきて、自信も失ってくるので、今はやらせていないです」と話した。

そこで、八重樫選手に井上選手とのスパーリングについて聞くと「最初に手を合わせたときは、中学生の時。その時は、まあまあ強い中学生くらいだったんですけど、その後、彼が高校生になって、僕が世界チャンピオンになるかならないかくらいの時に、手を合わせたらボコボコにされて…。一応、プロでやっている自負もあるので負けられないので、スパーリングに合わせて調整して頑張って戦わないと相手ができない。(今は)絶対に嫌です」とその凄さを語った。

丸山桂里奈の全裸事件!

 
 

元なでしこジャパンで、2011年のFIFAワールドカップ優勝メンバーの丸山桂里奈さん。

かつて番組に出演したときに、師匠に対して「顔面が怖いので文句も言えない」と発言していたほど、恐れていた。

そんな丸山さんが恐れている師匠は、Jリーグ発足時からガンバ大阪の守護神として活躍し、甘いマスクでファンからは“浪速のイタリア人”の愛称で親しまれた本並健治さん。

 
 

2001年の現役引退後、2012年に丸山さんが所属していたサッカーチーム・スペランツァFC大阪高槻の監督に就任。

選手と監督という師弟関係から丸山さんに厳しく指導したというが、丸山さんが師匠から学んだことは「香水を付けること」だと話した。

丸山さんは「みんなにすごくカッコイイと言われて、近寄ったらすごくいい香りが漂っているんです。私たちはサッカーで汗水流して、すごく汗臭いのに。だから、本並さんの影響で、香水を付けた方がいいんじゃないかという話になったんです」と明かした。

それを聞いた本並さんは「母親が香水好きだったので、小学生時代から付けていました。めっちゃ香水臭かった!その名残です」と告白。

人気の高い本並さんは、選手から抱きつかれることもあったというが、監督としてエレベーターで2人きりにならないような配慮や、ホテル滞在時に呼び出すときも2人きりにならないようにしていたと、女性を指導する上で気を付けていたことも明かした。

 
 

さらに、本並さんが驚いたという丸山さんの“ある事件”も明かされた。

アウェイの試合で地方のホテルに宿泊していた時に、試合当日の朝、気合を入れるためにシャワーを浴びていた丸山さんだったが、シャワーを終え、ドアの向こうの寝室に戻ったつもりが、部屋と入り口のドアを間違えて、全裸のまま廊下へ出てしまう。

慌てて部屋のドアを開けようとするが、オートロックのため、戻ることもできない。この絶体絶命のピンチに丸山さんは、部屋の前に置かれていた新聞紙を体に巻き付けて、勇気を出してフロントへ。誰にも見つからずにフロントまでたどり着くも、フロント付近で戦術を練っていた本並さんにその姿を目撃されてしまったという。

当時のことを本並さんは「(戦術が)全部吹っ飛んだんです。何をしてくれてんねん!と。とりあえず、後半で代えたろ、って思った」と明かした。

その他、出会いから20年以上経つ、プロ野球の師弟コンビ、高木豊さんと谷繁元信さんも登場。高木さんの豪邸に憧れて建てた、谷繁さんの豪邸が公開された。
 

『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送