G20大阪サミットを控え各国のトップが続々来日

6月28日から始まるG20大阪サミットを前に、国際政治のスタープレーヤーたちが続々と来日している。中国の習近平国家主席や韓国の文在寅大統領が大阪入りした。この後アメリカのトランプ大統領が乗るエアフォースワンも到着する予定だ。

一方で警備は昨日にも増して警備も厳重になって浪速の街はピリピリムードが高まっている。

そんな大阪で取材班が向かったのは浪速の台所・黒門市場。

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G20サミットの影響で客足が遠のくのではと不安の声が上がっていたが、鮮魚店には今日も目の前で焼かれる海鮮グルメやフグ刺しに舌鼓を打つ外国人観光客など多くのお客さんの姿が…

大阪黒門 みな美:
お客さん居てないと思ってたのに…うん、多い

これまで経験したことがない厳重警備に大阪の風景は一変?

G20を開幕を6月28日に控え大阪にはこれまで経験したことがない厳重な警備が敷かれ市内各所で街の風景が一変している。

高速道路は朝から封鎖され、学校は臨時休校。

普段は多くの観光客でにぎわう大阪城公園も園内の一部が立ち入り禁止となり閑散としていた。

取材班の車も検問を受けた。大阪なのに担当しているのは岩手県警からの応援部隊。1台1台停めてチェックしている。

大阪のたこ焼き屋さんではG20期間中を狙って改装工事が行われていた。

たこ焼道楽わなか 千日前本店 担当者:
G20の影響で(食材を)配達出来ないという業者さんもあったりするので、この時期に工事を合わせました。

G20の影響で客足が伸びないと予想して店舗の改装に踏み切ったという。

その一方…。通天閣では外国人観光客に向けて大幅な入場料の値下げが行われている。

サミット開催に合わせ通天閣でもコインロッカーの閉鎖手荷物検査が行われるということで、警備に協力してくれたお礼として割引を実施する。日本を除くサミット参加国のパスポート提示で展望台の料金が大人700円の所を70%オフの200円になるということだ。

G20期間中は3万人以上の警察官が配置され史上最大規模の警備が敷かれ、サミット会場へ向かう道には多くの警察官が立ち辺りに目を光らせている。

そもそもG20とは?意外と知らないG20を解説

加藤綾子キャスター
大阪は緊張感が高まっていますが、なぜ世界20か国と地域の首脳が一堂に会して話し合いをするのでしょうか。
改めてG20とはなんなのかそこからしっかりと見ていきたいと思います。

福原直英キャスター
そもそも、G20の「G」とはなんなのかといいますとグループの頭文字です。つまりGroup of twentyというのがG20です。その20の国と地域の代表が大阪に集まります。

福原直英キャスター:
集まって話し合う議題は世界の金融問題が中心です。G20の国と地域を合わせた経済的影響力は極めて大きいです。G20の国と地域を合わせますと、人口は世界の3分の2。そしてGDP(国内総生産)は世界の8割以上を占めています。

G20の元をたどると石油ショックで始まったG7に

加藤綾子キャスター:
もともとG7もありますよね。

福原直英キャスター:
G7というのはもともと1970年代に起きた石油ショック、その影響による世界経済の落ち込みに先進国で対応しようと集まったのが始まりです。最初は6か国だったんですが後にカナダが加わってG7になりました。

福原直英キャスター:
これらの先進国が長らく世界経済をけん引してたんですが、1997年アジア通貨危機が起きています。このときは先進国だけの話し合いだけでは十分に対応できないとなり、経済成長が著しい中国やインドをはじめとした主要な新興国も巻き込んだ議論が必要だとして、20の国や地域によるG20財務大臣・中央銀行総裁会議が創設されました。

福原直英キャスター:
G20財務大臣・中央銀行総裁会議という名前のとおり最初は経済閣僚レベルの会議だったのですが、なぜ、それがトップ同士の集まりになったのでしょうか。きっかけは2008年に起こった経済危機でした。100年に一度ともいわれるリーマン・ショックです。世界的な大不況で落ち込んだ世界経済をなんとかしようと首脳級の集まりに格上げされたのが現在のG20サミットになっているわけです。

福原直英キャスター:
1年に1回開かれるこのG20ですが、G20で日本が議長国となるのは今回が初めてです。議長国はG20のメンバーのほかにも招待国を決めることができます。今回は17の国や国際機関が招かれました。関係者を含めると約3万人もの人たちが大阪に集まることになります。

議題を決めるのは開催国

福原直英キャスター:
今回G20大阪サミットでこれだけの人が集まって何が話し合われるんでしょうか。実はG20では開催国が議題を決められるので日本が決めました。

G20の主要テーマとしては「世界経済のリスクへの対処」や「自由で公正な貿易の重要性の共有」、「データの流通や電子商取引などデジタル経済のルール作り」、「女性の活躍や持続可能な世界の実現に向けた取り組み」、「海洋汚染の原因とされるプラスチックごみ削減対策」などとなっています。

風間晋解説員:
実はG20首脳会議は形骸化がはなはだしいと思います。リーマン・ショックが終息して以降は、わざわざ20か国が集まるような危機感が薄れているんです。もともと危機感がないと経済規模が大きいだけの20か国ですからバラバラで何も決まらないんですよ。では、なぜ各国首脳が、わざわざ大阪にやってくるかというとそれは会いたい国の首相と会うためにやってくるんですね。
その最たる例のトランプ大統領の日程を見ますと9人の首脳と会談することになっているんですね。
6月27日はオーストラリア。6月28日は日本、インド、ドイツ、ロシアなど。29日にはサウジアラビアと、注目の中国の習近平国家主席との会談。何が合意できて何ができないのか。そこに、世界の注目が集まることになっています。

(「Live News it!」6月27日放送より)