「記憶脳」「分析脳」「思考脳」。あなたは普段、どんな脳を使っているか。
多くの日本人は「記憶脳」に頼ることが多く、「分析脳」や「思考脳」を意識して使う機会は少ないという。
シンプル過ぎて深く考えてしまったり、難しく考えてしまったりするあなたは、余計な脳力を使っているかもしれない。
人口の上位2%(IQ148以上)の人だけが加入できる高IQ団体「MENSA」の会員である関口智弘さんが考えたパズルを通して、自分の脳のクセを見極めていく全5回の企画。
このパズルを解けば、あなたの「分析脳」を鍛えることができる!
■問題1■
次の「?」に当てはまるものを選びましょう。
この記事の画像(5枚)■解答■
答えは「F」です。
一番右側の列の図は、左に並ぶ2つの図を重ねて、色を反転させたものになっているため、白四角と黒三角を反転させた組み合わせの「F」が正解となります。
■解説■
基本的なIQ問題によくある、きわめて平易な問題です。
解けるかどうかよりも、どれだけ速く解けるか…が問われるような性質の問題です。瞬時に法則性を読み解いて、正解を導き出せたのであれば、脳の切り替えはそれなりにスムーズにできるタイプだと思います。
人生において、こういった図形問題のように整然としているものはあまりありませんが、少なくとも情報を整理することができれば、速く正しく解答にたどり着けるでしょう。
■問題2■
「?」に入る数字は次のA~Fのうちのどれでしょう。
■解答■
答えは「A」です。
横並びの数字を1つずつ足していくと、合計が「43」。
7+2+1+2+2+3+6+7+2+7+1+3=43
したがって、一番下の行は「3」が足りない状況なので、合計が「3」になる「102(1+0+2)」となります。
■解説■
枠の区切りにとらわれていると、関係性を読み取ることができない問題です。
また、簡単ながらも細かい足し算を繰り返すので、ある程度の集中力も必要となります。
その集中力も、「もしかして、このパターンではないか?」という分析から導き出した仮説にある程度の自信を持っていないと、なかなか発揮し続けるのは難しいかもしれません。
分析脳の重要性に気づいて、それを日常的に使うことを意識し始めたとしても、なかなか初めのうちは自信を持てなかったりします。そうしているうちに、分析脳を使ことをやめてしまい、元に戻ってしまう人も少なくありません。
いわばこの問題は、分析脳を使い始めたあなたに、そのスキルをどう伸ばしていくべきか、そしてそのプロセスにどんな障害があるかを理解していただくためのものなのです。
理屈ではわかっていてもなかなか実践できない、結果が出るまで実践し続けることができない。せっかく学びを得ても、こうしたクセがついていると望み通りの人生は手に入らないので注意が必要です。
■問題3■
上の4つと同じ構成要素になっているのは、次のA~Fのうちのどれでしょう。
■解答■
答えは「E」です。
上の4つの三角形は、頂点の数字が、底辺の両端の数字の和になっています。
-1+7=6となるので、「E」が正解となります。
■解説■
おそらく、先の解答を見て、みなさん「おかしい」と思ったのではないでしょうか。
それもそのはず、先の解答は確かに正しい答えの一つですが、何のことはない、A~Fのすべての選択肢で、その法則が成り立つからです。
というわけで、実は、どれを選んでも正解です。
この問題は「正解が1つしかない」という思い込みの落とし穴や、解答を見れば正解がわかるという考えに対する警鐘になっています。
そして何より大切なのは、この解説を読むにあたってのあなたの心理状況です。「解答がおかしい」「問題が間違っている」「問題制作者のミスじゃないか」といった批判的な考えで、ここを読み始めたのであれば、それこそがあなたの現状の最も大きな課題です。
基本的に、記憶脳に縛られがちな人は、自分の知識や経験を絶対視しすぎる傾向にあり、それゆえに分析や思考をサボった反応をとりがちなのです。
要するに自分が正しいと思い込むクセがあって、その前提で情報に接するため、あらゆる刺激が思考濃縮の材料にしかならないのです。だからこそ、先のようなケースに遭遇すると、「解答がおかしい」「問題がおかしい」「制作者のミスだ」といった具合に短絡的な反応をとってしまいがちなのです。
うまく自分の脳と付き合える人は「なぜ自分の答えは正しくないのか」、もしくは「なぜ制作者はこんな問題を作ったのか」と思考するための情報を集めようとします。そういう姿勢を持っていないと、人生経験を積めば積むほどに、知識や経験の足かせによって判断のクオリティが低くなっていくので注意が必要です。
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