教員免許がなくても…

様々な職場で進められている「働き方改革」。深刻な長時間労働に悩む教育現場もその一つだ。
2016年のデータによると「過労死ライン」とされる月80時間の時間外勤務している教員は小学校で3割あまり…
中学では半数以上が月80時間の時間外勤務をしている。

こうした状況を改善し先生達の働き方改革を進めようと力強いサポーターが登場している。

大分市にある松岡小学校の教室で習字の事業が行われている。

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教室には担任の先生とは別に授業の準備を手伝う女性の姿がある。

教師ではないが、先生の手助けをする「スクール サポート スタッフ」の坂本智美さんだ。
教員免許は取得していないが、週に4日学校に出勤し、授業の準備など教員免許がなくてもできる業務を通して先生達の「働き方改革」をサポートしている。

数あるサポートの中でも効果を発揮しているのが「プリントの印刷」だ。
児童数1000人あまりの松岡小学校では1日に5000枚を超えるプリントを印刷することもある。

担任が印刷を行うと休み時間に集中するためコピー機が混み合い、結果として時間外労働が増える原因の一つとなっていた。

現在、印刷作業の多くを、サポートスタッフの坂本さんが授業時間中に行っていて担任の負担軽減に繋がっている。

スクール サポートスタッフ 坂本智美さん:
学校で使われるプリントの数と先生の仕事量の多さにビックリした…一番は先生の仕事が少しでも減るようにお手伝いができること…子供さん達1人1人に目が届くような良い環境で勉強していってもらいたいと思います…

児童が帰った直後の放課後の職員室
週に一度の 学年会議が行われている。以前は事務作業に追われ、学年会議の開始がずれ込むことも珍しくなかったがサポートスタッフのおかげで予定通りに始められるようになった。その結果、会議の内容が充実し、それがそのまま指導の時間に充てることにも繋がっているという。

教員:
教材研究の時間に充てたり子供たちのことを話し合う時間に充てられるようになった…
凄く助かっているし、ありがたい…全部の学校にこの制度が広がって欲しい…

限りある“予算”

確実に教員の「働き方改革」に繋がっているこの制度…一方で課題もある。

サポートスタッフが配置されているのは大分県内の370ある公立の小中学校のうち、大規模校を中心に36校と1割にとどまっている。

大分県 教育人事課 渡辺 登課長:
数的な部分は、課題と考えています。予算的な問題もあるので、今後、国の状況を見ながら増やしていければと考えています…

子供たちの教育の充実にも繋がる教師達の「働き方改革」…
その実現に向けスクール サポート スタッフという心強いサポーターの広がりが期待される。

【テレビ大分】

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