“飲みニケーション”を20代の過半数が「役立つ」と回答…意外な結果のワケ

カテゴリ:国内

  • 「飲みニケーションが役に立つ」と回答したのは20代がトップという調査結果
  • 飲みニケーションを一番とっているのも実は20代
  • 担当者「若者は“質”の飲みニケーションを求める」

ベテラン社員には驚きの調査結果

近年、悪しき慣習とも言われることも多い「飲みニケーション」。

かつては、上司や同僚・部下・取引相手に至るまで、酒席を囲んでじっくりと話をすることで、「仕事が円滑に進むようになった」という声も聞かれたが、昨今のプライベート重視の流れに押されて影が薄くなったのも否めない。

編集部でも、お酒を飲む人が減っている現状や、飲み会の“独自ルール”を作っている企業など、飲みニケーションについて特集してきた。

(参考記事:4人に1人が「お酒を飲まない」時代に...誰もが楽しめる飲み会の“ルール”はある?
職場の飲み会に広がる“独自ルール”...成功の秘訣は「心理的ハードルの低さ」にあり

それもこれも、会社の飲み会にあまり参加したくない若者が多いという風潮があるからこそと考えていたが、飲みニケーションについての驚くべき調査結果が21日に発表された。

調査は、スピリッツを扱うバカルディ・ジャパンが「働き方改革と社内コミュニケーションの実態調査」の一環として行ったもの。(対象:20代・就職活動中の学生200人、20代〜50代の社会人 800人  2019年5月24日〜5月26日にインターネット調査)

まず、「『飲みニケーション』は、社内の円滑なコミュニケーションに役立つと思いますか?」という質問への世代別の結果を見てみる。

バカルディジャパン「働き方改革と社内コミュニケーションの実態調査」より抜粋

すると、20代の過半数が「とてもそう思う」「そう思う」と答えていて、その他の世代はかろうじて4割を超える程度にとどまったのだ。プライベートな時間を大事にする若い世代、といったイメージからは真逆の結果となり、飲みニケーションを意義のあるものととらえているのは、20代が一番多いという結果になったのだ。

続いて、上司・同僚・部下と飲みに行く頻度を尋ねた調査でも、予想外の数字が並んだ。

バカルディジャパン「働き方改革と社内コミュニケーションの実態調査」より抜粋

20代が1カ月に飲む頻度は、上司と「1.89」、同僚と「1.93」、部下と「1.55」と世代別では一番高い数値で、30代では「1.07」「1.41」「1.10」、そしてかつては毎日のように飲みに連れ回された時代を生きてきたと思われる50代に至っては「0.51」「0.71」「0.62」となった。
飲みニケーションを一番とっているのが実は20代ということになる。

ちなみに、飲みニケーションの理想的な時間については、全世代において「1時間~2時間」と答えた割合が40%以上で圧倒的な支持を集めていて、サクッと行く感じが好まれているのは時代の流れだろう。

バカルディジャパン「働き方改革と社内コミュニケーションの実態調査」より抜粋

そして、どんな飲みニケーションを希望するか、という問いでは、「仕事とは関係ないプライベートな会話で盛り上がりたい」が44.4%を占め、「仕事上の悩み相談をしたい/して欲しい」の17.4%、「仕事上のアドバイスをしたい/して欲しい」の11.7%を上回った。

こうしたことから、バカルディ・ジャパンでは「気を遣わなくていい立場の同僚と、翌日の仕事に影響の出ない時間で、仕事と関係のない話題で盛り上がる」飲みニケーションを最適なものと分析している。

予想に反して、若い世代が飲みニケーションを意義あるものと考える理由は何なのか?担当者に話を聞いた。

若い世代ほど“仕事”と“プライベート”の境界を明確にしていない

ーー20代以外の層で、「飲みニケーション」が役立つとする数値が低い理由は?

年齢を重ねるとともに責務が増え、家庭を持つ者も一般的に増えるため、それだけ仕事以外の時間を設けることが困難になるからと思われます。また、結婚後はお小遣い制となるなど、収入は増えても可処分所得が減少する傾向もあります。

加えて、40~50代のミドル世代を中心に転職やセカンドライフを見越した”リカレント教育”(学び直し)が普及し、時間もお金も交際にさかない風潮があります。それゆえ、終わり時間が読めず、後輩社員へのおごりなどの出費がかさむ飲みニケーションは、優先順位が必然的に下がるものと考えられます。

ーー逆に若い世代が、飲みニケーションにメリットを感じる傾向があるのはなぜ?

若者のプライベート重視は確かに世代の空気として存在しているのでしょうが、今回の調査結果は、若い世代ほど“仕事”と“プライベート”の境界を明確にしていないことを表していると読み取ることができます。

先の調査において、「仕事とは関係ないプライベートな会話」が最も期待を集めたこともこの考察を裏付けています。

“ワークライフバランス”という仕事とプライベートを分ける考え方から、落合陽一氏が提唱するような“ワークアズライフ”つまり仕事も広義のプライベートに含まれると考える者が若い世代で増加している裏付けになりうると考えられます。


若者は“質”の飲みニケーションを求める

ーー若者にとって、「飲みニケーション」自体の持つ意味は変わっている?

若者たちは“とりあえず飲みに連れ出す”といった量よりも、“会話やコミュニケーションの内容”といった質を重視する「飲みニケーション」を求めているものといえます。


ーー若い世代が上司や部下と飲む際、お互いにどうすればよい飲みニケーションを図れそう?

上司は「説教」「長時間」「他人の悪口」「懐古主義的アドバイス」「武勇伝」を避けることで、部下がストレスを感じにくい場を設けることができそうです。また、部下はかしこまらず、自然体で上司との酒席に参加するのがよいのではないでしょうか。

また、飲みニケーション自体が相対的に減っているので、年配者が後輩に行きつけの店を紹介する「名店の継承」が廃れている傾向にあると推察されます。

若い世代は、量より質に対して積極的な消費を行う傾向にあるため、部下は上司と飲み歩くのではなく、とっておきの行きつけで少し贅沢な時間を上司と過ごすことを求めているかもしれません。

ーー若い世代が参加しやすい飲みニケーションのため、今後必要な措置などある?

これまでの傾向を考え合わせると、忘年会などの大々的な社内行事(仕事環境)とは異なる、ふらっと気軽に立ち寄れる社内交流イベント(半プライベート環境)、肩ひじ張らずに自分自身のペースで交流できる機会を作ることが、今後求められると考えられます。

またこの場合、アルコールが苦手な方への配慮として、ノンアルコールカクテル(Mocktail)を用意することも重要でしょう。

ーーでは、企業側が今の飲みニケーションにできることは?

昨今では、共通の趣味を持つ社内サークルにおいても、部活の先輩・後輩といった“半プライベートな集合体”が増えてきているように感じます。

企業としての取り組みとしては、いかにこの集まりを支援するかが、今後の社内コミュニケーション活性化のカギとなるでしょう。例えば、飲みニケーションへの費用負担、職場にバーテンダーを呼んでお酒を提供するバーイベントを実施するなど、さまざまなトライ&エラーの努力が必要です。

今回の調査では、若い世代にとっての飲みニケーションが見直されつつあるようなので、上司もあまり気を遣いすぎずに誘ってみて、他愛もない話で盛り上がってサクッと終われば、「また連れて行ってください!」と社交辞令ではなく言われるかもしれない。

「飲みニケーションの新ルール」特集をすべて見る!

飲みニケーションの新ルールの他の記事