まさか...魚があの行動を?
私たちは日常生活で、さまざまな行動を繰り返す。食事や睡眠はもちろん、お風呂に入ってのリフレッシュや、虫歯にならないよう、歯磨きも忘れちゃいけない。
そして知っておいてほしいのは、歯磨きするのは人間だけではないということ。
Twitterに登場したこの、「可愛くて衝撃的な映像」を見てほしい。
水槽にたたずむ、一匹のお魚。
ヒレをゆらゆらさせながら、何かを待っている様子だ。
次の瞬間、画面に登場したのは、透明な柄の先端に白い毛が付いた物体…歯ブラシだ。
飼い主がそのまま水面に近づけると...
お魚は「待ってました」とばかりに口を大きく開き、歯ブラシで磨かれ始めたではないか!
その様子は、まさにされるがまま。
歯や唇などをきれいにしてもらったあとの表情は、心なしかうれしそうだ。
この動画は、飼い主のはすみん(@gxadeqhk3wTLP5F)さんが投稿したもの。
愛らしい姿と「魚が歯磨きする」というインパクトもあり、他のユーザーからは「なんていう生き物ですか?めっちゃかわいい」「癒やされる」などと人気を集め、39万回再生されている。(6月24日現在)
飼い主を見つけて近づいてきたらナデナデ…
また別の動画では、はすみんさんを見つけたお魚がカメラの方向に泳いでくる様子なども公開。
はすみんさんにナデナデしてもらっていて、それを受け入れているお魚。
こちらも愛らしさが満点な動画となっている。
なぜ歯磨きをするようになったのか?そして、お魚にとっても気持ちいいものなのか?
気になることが満載なので、はすみんさんに話を聞いてみた。
ハタの仲間で「ヌノサラシ」という海水魚
――お魚は何という種類?どうやって出会った?
ハタの仲間で「ヌノサラシ」という海水魚です。2017年夏、趣味のスキンダイビングをしていたときに網で採集しました。
飼い始めた当時は7センチほどでしたが、2019年6月現在、約20センチくらいの大きさに成長しています。
――なぜ歯磨きをしようと考えた?
魚の口に付いた食べかすをきれいにすることを「クリーニング」と呼びます。水族館で大型のハタが人間にクリーニングされているのをネットで見て、やってみようと思いました。
実際に触れるようになったのは、飼い始めてから約1年が過ぎた辺りからです。毎日水槽の前で手を振ったり、顔を近づけたりしているうちに人慣れして、歯磨きもできるようになりました。
「魚にとっても気持ちいいものだと思います」
――どんな時に歯磨きをするの?魚へのメリットは?
餌の食べかすを掃除するためで、いつでもできます。本人も理解しているのか、今では口元に指や歯ブラシを近づけると口を大きく開けてくれるんです。
魚にとっては、自分では取れないゴミを掃除してもらえるのがメリットではないでしょうか。野生では「クリーナー」と呼ばれるエビや魚が、エラや口元の食べかすを掃除するので、恐らく気持ちがいいものなんだと思います。
――他の魚はクリーニングするの?
他の海洋生物にクリーニングされる姿は、どの魚でも見られますが、人間にクリーニングされているのは、ハタ科の魚しか見たことがありません。ハタ科の魚は特に人懐きがいいように感じるので、その影響はあるかもしれないですね。
――ヌノサラシをどう思う?読者に伝えたいことはある?
歯磨きや人に撫でてもらうのが気持ちいいのか、今では水槽越しに追いかけて来るようになり、めちゃめちゃ可愛いです。
海水魚の魅力を共有できればと思って発信していたので、多くの方に見ていただき、すごくうれしく思います。
ヌノサラシは皮膚から毒成分を出すこともあるが、はすみんさんは触れた際、手洗いなどできちんと対処しているとのことだ。
それにしても約1年かけて築いた、触れるほどの信頼関係というのは驚きだし、ここまで懐かれると可愛くてたまらないだろう。
(画像提供:はすみんさん)