焼きたてのパンを売る当たり前の光景に

パンを焼くオーブンに、発酵させる機械。大きな厨房機器が次々と運び込まれる様子を見守るのは、この店を営む戸澤実さんと、妻の由加里さん。

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倉敷市真備町のパン店「パン ポルト」では、元の店舗での営業再開に向けた作業が行われている。

戸澤実さん:
(被災直後に)1年後に戻りますと言っていたから、有言実行できていると思う

「パン ポルト」は、2013年に夫婦でオープン。約100種類のパンを扱う人気の店だったが去年7月の西日本豪雨で店舗を兼ねた自宅が2階まで水に浸かり、パン作りの設備も全て使えなくなった。

しかし、常連客から復活を望む声が相次ぎ、真備町での再起を決意。市内の別の店を借りて、夜を徹してパンを作り、豪雨から2カ月半後にプレハブの店舗で販売を再開した。焼きたてではないことに心苦しさはあったと言うが、2人にとっては大きな一歩だった。

戸澤由加里さん:
常連だった人が来てくれたのでうれしい

6月18日、仮設店舗での営業は一休みして、2人は厨房機器の搬入に立ち合った。 厨房で焼いたパンを店先で売る。1年前の当たり前の風景が戻る日はもうすぐ。

戸澤由加里さん:
長かったり短かったり。最初は長いなと思っていつまでこの生活が続くのかなと思っていたんですけど、工事中の建物に入ると前と同じ感じなので、頑張らないといけないと思う

戸澤実さん:
災害前と同じ環境で、来てくれた人が違和感を感じないようになっていけば。再開することで、真備でもう一度生活しようと思う人が一人でも増えてくれれば

「パン ポルト」では6月27日から元の店舗の厨房で焼いたパンを仮設店舗で提供する予定で、店舗の再開は7月上旬の予定。

(岡山放送)

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