「免許返納」もこれで安心?クルマがなくても山間部で暮らせそうな“ある試み”【長野発】

カテゴリ:暮らし

  • 相次ぐ高齢ドライバーの事故…免許返納をしたくても山間の住民は生活に支障が…
  • 長野県では、移動コンビニと金融窓口を併走させ山間部の街へ…
  • 便利さ+ふれあいで地域に笑顔という「副産物」も…

コンビニと銀行が家の近くにやってくる!

伊那市のファミリーマートJAいな店。
人気の弁当に、デザート…。商品が次々に積み込まれていくのは移動販売車「ファミマ号」。長野県内に3台ある内の1台で、まさに「小さなコンビニ」だ。

午前9時、店を出発。40分ほど走って山間の高遠地区に到着。そこでもう1台のクルマがすでに到着していた。

後ろにステップが付いていてドアを開けると、そこは金融の窓口。
JA上伊那の金融移動店舗「かみま~る号」だ。

JA上伊那は効率化のため組織を再編し今年度末で9箇所の小規模な支所を廃止することを決めた。 そこで、この1年を移行期間とし4月から、この2台の移動店舗を運行させている。

JA上伊那 御子柴茂樹組合長:
支所を縮小せざるを得ないという部分と、ATMの関係を集約するといった対策の中で、補完機能として移動店舗を設置したらどうかと…中山間地を中心に店舗を縮小したところ、足元の悪いところで稼動させていく。

廃止する支所があるのはいずれも中山間地。近くの商店なども次々に閉まり、買い物も不便な地域だ。そこで、買い物のついでに金融窓口に寄れるようにと2台揃って、1日2箇所ずつ巡回させている。全国的にも珍しい取り組みだ。

これらの試みに、利用客の反応も上々のようだ。

利用客(80代):
とてもいいです。うちの前まで来てくれて…

利用客(60代):
(金融の窓口とコンビニが一緒に来てくれるのは?)都合がいいです。楽、楽。1回で済んじゃうから…

金融窓口の業務は通常とほとんど変わりない。
ATM と違い、職員がいる“安心感”があり特殊詐欺防止への効果も期待されている。

JA上伊那 御子柴茂樹組合長:
あんまり大きな金額、必要以上の金額を下ろすということになれば、何に使うかとかそういう質問も出たり、不自然のある取り組みがあれば通報しながら未然に防止する。抑制効果が出ればと思う

利用客(60代):
(窓口は)顔が見えるのでお話もできるし、色々聞けるしATMを使うよりいいですね…

免許返納…悩める山間の高齢者

ある日、2台は長野県山間にある辰野町へ出向いていた。

71歳の中村智子さんは、近くで食堂を営んでいて息子夫婦と孫と一緒に暮らしている。
この日が初めて移動コンビニ&銀行を利用した。料理の仕込みの合間に「ファミマ号」で買ったあんぱんでお昼ごはん。

71歳になる中村さん。今は自分で車を運転して買い物に出かけていますが、いずれは“免許返納”も…と考えているという。

中村智子さん(71):
(高齢者の)事故を見たりすると、自分はいつまでできるかなって思いがある。このような移動販売車は、ありがたいなって思います…ずっと続けてやって欲しい。

当初、これら移動コンビニと銀行の併用は、住民の利便性を考えての取り組みだった。しかしそれ以外にも、2台に人が集まり会話が生まれることで新たな可能性も生まれている。

JA上伊那 御子柴茂樹組合長:
中山間地では高齢化が進んでいるし、免許返納という話題も出ているので…
その場でコーヒーでも1本買ってもらって、ちょっと待っている時間に集まった皆さんとコミュニケーションができれば集落のコミュニケーションの場としても機能できるようになれば良いと思っています。

移動店舗になっても続く「顔の見える関係」JA上伊那は金融移動店舗をこの秋、もう1台増やし「ファミマ号」と合わせ地域の生活支援にあたる。

【長野放送】

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