おもちゃ市場は少子化にも関わらず拡大中
6月13日から始まった日本最大級のおもちゃ見本市「東京おもちゃショー」。
人の手の動きに合わせてボクサー人形がパンチし合うボクシングゲームや…
飛び方を教えると、空を飛び回るフクロウ型のおもちゃ…
令和版の人生ゲームやユーチューバーを題材にした商品をはじめ、時代を反映したおもちゃなど約3万5000点が展示されている。
2018年度のおもちゃ市場は、少子化にもかかわらず、約8400億円に達し、最も低かった2009年度の約7200億円と比べ、1000億円以上市場を拡大している。
大人をターゲットにした昭和を感じさせるおもちゃも
好調な理由の1つが、大人をターゲットにしたおもちゃ。
会場の一角に展示されていたのは、昭和を感じさせるデザインの扇風機や、家具調カラーテレビ、レコードプレーヤー、ラジカセといったレトロな家電をミニチュア化したおもちゃ。
「昭和スマアトテレビジョン」と名付けられたおもちゃは、画面部分にスマホを装着して、ユーチューブなどの映像を昭和の画質で楽しめるミニチュア。ダイヤルをひねればチャンネルが切り替えられ、50年代は白黒画面、60年代は不鮮明なカラー画面、80年代は鮮明なカラー画面と、時代に合わせ画質を選ぶことも可能。映像が乱れ砂嵐が出た時には、天板をトントンと叩けば直るという懐かしい機能も搭載されている。
さらに、アーケードゲームを手のひらサイズに再現したおもちゃも登場。
「パックマン」や「ギャラガ」など1980年代に流行した懐かしのゲームセンターの雰囲気を、当時の画質で再現している。
販売するインフォレンズ・大岩強志さんは、
「当時、ゲームセンターで遊んでいた30~40代に向けて提案しているんです。すでに入荷の段階で11万台を突破している状況です」と話していた。
1965年に発売されたサッカー盤の最新作は、フィールドにくぼみを作ることで、ロングシュートが狙えるほか…
クロスからのオーバーヘッドキックも可能になっている。
エポック社マーケティング本部・川俣梨乃さんは、
「昔マンガで見た憧れのオーバーヘッドシュートができるというところはぜひ注目してほしいです。どこか懐かしさを感じるアナログのおもちゃも ぜひ残していきたいと思っています」と話していた。
最新機能を搭載して、次々と復活するレトロおもちゃについて、イベントの主催者の日本玩具協会専門委員・小林正和さんは、「大人になってもおもちゃを買うというのは、社会もあまり抵抗がないというか、そういう楽しみもあるということを認められたことが大きいんじゃないかなと思います。大人を狙ったおもちゃは、多く見ても2割くらいだと思うが、20年後は4割になっていても不思議ではないかなという気がします」と話した。
少子化だからこそ「高価格帯」「3世代一緒に」
三田友梨佳キャスター:
少子化でもおもちゃ市場は拡大しているんですね
マーケティングアナリスト渡辺広明氏:
僕も今日おもちゃショーに行ってきたんですけど、未だワクワクが止らないんですね
三田友梨佳:
そんな中でおもちゃが好調な理由ですが…
渡辺広明氏:
おもちゃが好調なのには2つキーワードがあります。「高価格帯」と「3世代シェアド・トイ」です。
渡辺広明氏:
(少子化で)今の子供は、お父さんお母さんに加えておじいちゃんおばあちゃん2人ずつの合計6つの財布でおもちゃを買ってもらえるんですよ。また買ってあげる相手も少ないので一人に比較的高いものを買ってあげたがるんですね、おばあちゃん、おじいちゃんは特に。そうすると単価が高い5000円以上のもの、8000円とか1万円の商品が非常に多いんですね。そういった高単価のものが売れることによって市場が拡大しているという側面があるんです
三田友梨佳キャスター:
もう一つの「3世代シェアド・トイ」とは?
渡辺広明氏:
いまカップルや友達が共有するシェアド・コスメというのがあるんですね。スイーツも大きめのを頼んで2人でシェアするシェアド・スイーツというのも流行っているんですよ。そんな中、両親や祖父母がお金を払って自分も一緒に遊びたいということで、3世代一緒に遊べる「3世代シェアド・トイ」というのも今年のキーワードになっています
三田友梨佳キャスター:
確かに年齢問わず楽しめるおもちゃというのは、さらなるブームになるかもしれませんね
(「Live News α」6月13 日放送分)