規格外!? “絶対になくさない”番号札を発見

列を作ってじっと並ばなくても、受付番号が呼ばれるまで自由に過ごせる整理番号札。
病院や銀行の受付、さらにはテーマパークなど、多くの人が集まる場所ではよく見かけるが、おそらく、番号札自体の大きさはレシートほど、手のひらサイズのものが一般的だろう。

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そんな常識を覆す“規格外”の番号札が発見され、今話題となっている。
それが、こちら!



でかい。
でかい。

「番号札をなくす人、番号呼ばれても気づかない人が多すぎた結果、A4サイズまで巨大化したであろう杉並区役所の番号札。民主的デザインの進化」


塩谷舞さん(@ciotan)が杉並区役所・高円寺区民係で配布されたという番号札、その大きさはなんとA4サイズ!でかい…
まさに“規格外”のそのサイズ感は、受け取った瞬間「反応を見られている…?」と、何かのドッキリを疑ってしまいそうだ。

しかし、一旦冷静になって考えてみるとメリットもありそうなこの“ジャンボ番号札”。
手のひらサイズの番号札だと、印刷された数字が小さくて見えない…という人もいるかもしれないが、この番号札は札どころか整理番号が手のひらサイズで印刷されており、まず間違いなくお年寄りでも読める大きさになっている。

さらに、全体がラミネート加工されているため、折り曲げてポケットに入れることもできない……歩いているうちにポロリと落としてしまうことはなさそうだし、一度どこかに置いたとしても、そのまま置き忘れることもなさそうだ。


SNSでは「これは紛失しようがない」「両面印刷になってるから『裏が白いからゴミと間違えて捨てた』ってこともなさそう」と、アイデアを支持する声が続々。

利用者への気遣いがあふれているようにも思えるが、初見ではまずそのインパクトに笑ってしまうだろうサイズまで“進化”してしまった番号札。
利用者の声とともに、じわじわと巨大化して今に至るのだろうか?その経緯を杉並区役所に聞いてみた。

一気に“巨大化”しました

――なぜこんなに大きな番号札を使っている?

平成22(2010)年頃、お客様が待っている間に紛失したり、職員も番号札を持っているお客様が分かりにくいなど不便な点がありましたので、職員同士で相談し、現在の大きさの番号札を使用するようになりました。なお、ボイスコール(整理券発行機)から自分で取るレシートサイズの番号札は、最初の呼び出しの際、現在も使用しています。

番号札を大きくした理由ですが、大きくすることで番号札を紛失するケースが減ること、また、こちらからも相手を見つけやすく声をかけやすくなります。また、個人情報保護の観点から、お名前を呼ばずに番号で呼び出すことができるという利点もあります。


杉並区役所によると、小さなサイズの番号札には紛失などのトラブルがあり、さらに職員側の視点として「誰が番号札を持っているのかわからない…」というデメリットがあったそう。
そのため、利用者から「もっと大きい番号札にしてほしい!」などの要望があったわけではなく、今から約9年前、職員たちの手によって一気にA4サイズまで“巨大化”させたのだという。

この巨大番号札は区役所全体で使われているというわけではなく、区民係の手作り品。
最初に区民係に来た際にとる番号札はレシートサイズのもので、用件を聞いて作業に時間がかかる場合にこの巨大番号札を職員が手渡しで配布し、待ってもらうとのことだ。

ちなみに、番号札代わりに「整理番号を書いたうちわ 」を配布するなどの工夫をしている自治体もあるが、「紛失しないこと」「一目見てわかりやすいこと」を一番に考えた結果、“巨大化”という方法が選ばれたのだという。

――このサイズになってから、利用者がうっかり持って帰った・紛失したというトラブルは?

発生していません。

――ちなみに、これからもどんどん巨大化する可能性は…

ありません。


“巨大化”した番号札に変えたことで、紛失も減り、呼び出しを聞き逃した利用者がいても、一目で「あのお客様は〇〇番の番号札を持っているな」とわかるため、職員が声をかけやすくなったという。

利用者と職員、どちらにもプラスなデザインを考えた結果、ちょっと面白い見た目になってしまった、アイデア番号札。そのインパクトからすると少々意外だが「特に反響はありません」とのことで、地元の利用者にはすっかり馴染んでいるようだ。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。