「それって、ホント?」と言いたくなるマナー、多くありませんか?
新入社員のキャトウさんも、そんな“もやもやマナー”に悩まされるひとり。

この記事の画像(9枚)

突然ですが、会社で仕事中に飲みたいドリンクは、どんなもの?
さっぱりとした緑茶、眠気覚ましにピッタリなコーヒー、美容に気を遣ってグリーンスムージー…など人それぞれだと思うが、実は、最近コンビニなどでもよく見る「透明ドリンク」が開発された理由のひとつに、「職場で“色つきの飲み物”を飲むと周囲の目が気になる…」という声があるのだという。

そこで今回のテーマは…

SNSでは「弊社は飲食自由です!」「コーヒーでもコーラでも、好きなものを飲めばいいのに」という意見の中に、「うちの会社は水しかだめです」「コーヒー禁止されました…」など、実際に“色つきドリンク禁止令”が出ているというコメントも。


コーヒーや紅茶などが“色つき”に含まれるかどうかは怪しいところだが、“ジュース”のイメージがある飲み物を仕事中にゴクゴク…というのは気が引ける、というのは理解できる。

では、本当に「仕事中に“色つきドリンク”を飲むのはNG!」なのだろうか?
早速、企業などでの人材育成などでもマナー指導を行っている、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんにお話を聞いた。

西出氏:
職場で色つきドリンクを飲むことがNGといわれると、そこまで気にしないといけないの?となり、ストレスになる可能性がありますね。それでなくても、職場でみなさん様々なストレスを抱えていらっしゃるのですから、飲み物の色にまで気を使うことは、決してマイナスなことではありませんが、ツーマッチ(過剰)な気がいたします。

このようなことにまで、配慮できる気持ちをもっていることは大事なことです。しかし、それを自社の規則にもないことで、NGと決めつけることは行き過ぎかと思います。


もちろん、成分などの関係で、身体に関わる側面からいうとまた答えは変わることもあるかもしれないし、精密機械を取り扱っているなど、そもそも飲食NG!という会社はあるはず。

飲食についてのルールが社内にある場合、それにそぐわない飲み物をゴクゴク…というのは“マナー違反”にあたってしまうだろうが、ルールが明確でない場合“色つき”かそうでないか、という点を気にするのは、少々“行き過ぎ”ではという見解。

“透明ドリンク”を選ぶ利点としては、こぼしたときに書類や衣服などに色がつかない、というものが挙げられるが、ドリンクの種類で「これを飲んだら失礼!」というものではないそうだ


では、“ドリンクの種類”の他に気をつけるべきことは?
会議や商談など、取引先の人とのビジネスの場でドリンクを飲んでもいいの?

以下の3つのシチュエーション別に教えてもらいました。

西出氏:
1. 自社に他社の方々がお越しくださっての会議などであれば、自社の人が飲み物をお出しするという配慮があるといいですね。そうすることで、全員、飲みながら会議や商談などをしてOKとなります。

2. 自社で飲み物の用意をしない場合は「お飲み物をお持ちでしたら、どうぞご自由にお飲みください」などと会議や商談が始まる前に伝えて差し上げると安心して飲めますね。この場合、他社の人が飲んでいないのに、自分や自社の人が飲むのは控えたほうでいいでしょう。相手に合わせるのもマナーです。

3. 自分たちが他社へ伺った場合は、先方から飲み物の提供があれば飲んで良いです。それがない場合は、先方が飲んでいないのに飲むのは気がひけるでしょうし、できるなら控えたほうがいいですね。


しかし、先方から勧められなくても、体調の問題などでどうしても飲みたいときは、「申し訳ありません。失礼して水分を摂らせてもらってもいいですか」などと伺って飲むことには問題ありませんね。

飲むときは、黙って一方的に飲むのではなく、ひとこと断って、互いにそのことを共有しあって飲むと誤解は生じません。双方が理解し合える心地よいコミュニケーションをとることもマナーのひとつですね。

そういうコミュニケーションをとれれば何の心配もいりませんね。

今回の“もやもやマナー”、自社にルールがない場合は、ドリンクの種類で「マナー違反」の決めつけはNG。
あまり厳しいルールで縛りすぎずに、職場の生産性を上げることを考える方が、今の時代は大事かもしれませんね、キャトウさん。


(漫画:さいとうひさし)

「それってホント!?もやもやマナー」特集をすべて見る!
プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。