“運命の入試”がスタート サポートする親たちの戦いとは…

年々激化する、中国の受験戦争。
7日スタートしたのは、日本のセンター試験にあたる統一大学入試「高考(ガオカオ)」だ。

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この「高考」はたった1回の試験で入学できる大学が決まるという、まさに「運命の一発勝負」。
入る大学によって人生が決まるといっても過言ではない“学歴社会”の中国で、このたった一度の勝負の日のため、親たちによる白熱の“保護合戦”が行われているのだ。

今から半月ほど前、取材班が向かったのは街の至るところに「教育」の2文字が躍る安徽省六安市。

有名進学校の前には、椅子やテーブルを出して食事をとる人たちでまるでキャンプ場のようになっているが……実はこれは、親たちが受験勉強に励む我が子のために毎日、温かい食事を届けに来ている“ケータリング”の様子。

母親:
(子どもに)毎日、夕食と昼食を持ってきて、夜も迎えに来ています。

さらに、中国でも有数の進学校に通うために、直線距離で約1000km離れた自宅を離れ、ホテル住まいをする親子も。

劉 毅夫さん(19):
父がここに来るのは簡単ではないのに、仕事を休んで一緒にいてくれる。とても感謝しています

父・劉 天正さん(50):
親も子どもも頑張って、人生に後悔がないようにしたいと親として思います

そして受験当日、学校の前に勢ぞろいしたのは、験担ぎのための真っ赤なチャイナドレスで応援したり、校門の隙間からスマホを突き出して我が子を撮影する親たちの姿。

子どもからの「両親はずっとそばにいて励ましてくれたので、感謝している」という言葉に、思わず涙ぐむ母の姿も見られた。

激化する、中国の受験戦争。今年の受験者は過去2番目に多い約1030万人に上るといい、北京や上海などのトップ大学への入学は容易ではないのだという。

一見「やりすぎ?」と思うような親たちの“保護合戦”だが、朝から晩まで受験勉強に励む子どもたちにとって、親のサポートは受験戦争を生き抜くためのまさに“命綱”。
やりすぎる、ということのない親と子どもたちの努力の結果は、6月下旬に判明する。

(「Live News it!」6月7日放送分より)