通勤で混雑する駅で…驚きの出品

電車の席に座る権利がフリマアプリ「メルカリ」に出品され、その是非が物議を醸している。

出品内容には、「北総線 8時6分 小室駅発 2両目座席」とあり、出品者があらかじめ席取りした場所を有料で譲るというものだ。
電車を運営する北総鉄道は、「今回前例がなく、驚いている」とコメントしている。

座席利用の権利が出品されたのは、千葉県船橋市にある北総線の小室駅。

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【出品者のコメント】
羽田空港に向かう方で、満員で座席に座れない方、おすすめです。

北総線は、上野方面にも伸びる京成線や日本橋を通る都営浅草線、羽田空港にアクセスする京浜急行線にも乗り入れている。

北総線の千葉ニュータウン中央駅の朝のホームでは、通勤などで都心に向かう利用客で混雑している様子が見られる。
今回、座席利用の権利が出品された小室駅も新宿駅まで約1時間という位置にあり、多くの人が乗り込んでいる。

千葉ニュータウン中央駅(視聴者撮影)
千葉ニュータウン中央駅(視聴者撮影)

始発駅からは近いものの、朝は座れないことがほとんどだという小室駅。利用者に話を聞いた。

会社員男性(27):
できれば座りたいですけど、ここからだと座れないです

日本滞在歴6年の会社員男性(30):
1時間ぐらい立っている。できるなら座りたいです

小室駅(視聴者撮影)
小室駅(視聴者撮影)

【出品者のコメント】
購入画面を見せていただければ、私が座っている席を交換いたします。

上り線の2両目で、小室駅の前から電車の座席を確保している出品者に購入画面を見せることで、購入者は 席を譲ってもらえるといい、値段は平日3日間で1800円。 日付指定も可能となっていた。

メルカリ規定・迷惑防止条例に違反する行為

今回の出品内容について街で意見を聞くと、「買いますね。満員電車で立つのつらいので、買えるなら買いたいです」「全然ありだと思います」などの声が聞かれた。
一方で、「そこまで売る時代になったんだなって感じですね」「ちょっと怖い。変な人が座ってたら嫌だ」「常識では考えられない」 と批判の声も上がっている。

物品ではないサービスの売買を禁止しているメルカリは、「客からの複数の通報でわかった 投稿から数時間で削除した」と出品内容をすぐに削除したという。

ルール違反は、メルカリの規定だけに留まらない。
フラクタクル法律事務所 田村勇人弁護士は、「座席の売買をする行為は違法になります。 迷惑防止条例に規定されている ショバヤ(座席等の不当な供与)行為の 禁止というものに該当します。罰金または拘留もしくは 科料に処するとなっています」と話す。

公共の場所でもある列車の座席を占拠してその権利を売る行為は、迷惑防止条例に抵触する。
地域によって金額が違うものの、東京都では50万円以下、千葉県では5万円以下の罰金などが課せられる。

メルカリは、今回の出品を真似する“模倣犯”の増加を心配していて、禁止事項であるため今後も見つけ次第、即削除していくという。

(「めざましテレビ」6月6日放送分より)