ダウンロード時代に区切り…米アップルが「iTunes」搭載中止 ストリーミング時代の新戦略

カテゴリ:テクノロジー

  • アップルが音楽のダウンロード販売からストリーミング配信にかじ切り
  • 米音楽市場の収益はストリーミングが75%に対してダウンロードは11%
  • iTunesの代わりに音楽や動画配信など役割に特化したアプリを搭載

音楽の楽しみ方を変えたアップルが、ダウンロードからストリーミングへと、大きくかじを切る。

6月3日、アメリカで行われたIT大手、アップルの開発者会議。
最新ソフトなどがお披露目されたこのイベントで、もう1つ注目の発表があった。

それは、音楽管理アプリ「iTunes」を、この秋提供予定の最新のOSから搭載を取りやめるというもの。
パソコンなどにダウンロードした音楽や動画を簡単に管理、再生できることから、アップルユーザーのみならず、幅広いユーザーに使われているiTunes。

それをなぜ、搭載取りやめとしてしまうのか。

通信速度の向上でストリーミング型が主流に

その背景にあるのが、音楽の楽しみ方の変化。
2001年、携帯型音楽プレーヤー「iPod」の発売に合わせてサービスが始まったiTunes。

ネットなどから好きな音楽をダウンロードして端末で聴く、いわゆるダウンロード型のサービスで、アルバムに入っている全ての曲でなく、1曲単位でも購入できることなどから、CDに代わる画期的な配信システムとして、「音楽産業の革命」とも呼ばれた。

しかし、その後、iPhoneの誕生や通信速度が飛躍的に速くなったことなどから、音楽もスマホで聴く時代に。
定額料金を払えば、一定期間さまざまな音楽が聴き放題になるストリーミング型が主流となり、その都度ダウンロードするiTunesの利用は、伸び悩んでいたとみられる。

2018年、アメリカの音楽市場の収益は、ストリーミング配信が75%と、CD販売の12%やダウンロード販売の11%をはるかに上回っている。

そうした音楽をめぐる環境が激変する中、アップルは自らの大ヒットアプリiTunesに一区切りをつける決断をしたと言えそうだ。

音楽や動画配信など役割に特化したアプリ搭載へ

ストリーミングサービスは、アップルのほかにも、アマゾンやLINE、YouTubeなど、各社が続々と参入。

アップルは今後、iTunesの代わりに音楽や動画配信など、それぞれの役割に特化したアプリを搭載するとしていて、主力商品であるiPhoneの売り上げが低迷する中、ソフトをより使いやすくすることで、顧客の囲い込みを図る狙いがあるとみられている。

三田友梨佳キャスター
アップルの狙いはどこにあると石倉さんはお考えですか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏
iTunesはプラットフォームとしていろいろなことが出来るサービスではあるんですけれども、反面それによって使いづらいところも出てきていると思うんですよね。今回、「ミュージック」と「アップルTV」と「ポッドキャスト」という3つの機能を切り離してそれぞれ独立したアプリにすると。これはアンバンドルという言い方をするんですが、これによって、それぞれのサービスの使い勝手を上げていくことが目的だと思います

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏

三田友梨佳キャスター
アンバンドル化とは具体的にはどういうことなんでしょうか?

石倉秀明氏
アップルのような王者になってくると、通常プラットフォームの中に様々な機能をバンドル=統合してユーザーをためこんでいくんですけれど、これに対抗する企業が出てくる時は、統合している機能をあえてアンバンドル=切り離して一つの機能に特化して磨き込んで挑戦してくる企業が出てくるんですね。
今回アップルが、王者であるにも関わらず自らアンバンドル化して、サービスを一つ一つアップデートしていくというのは凄みのある戦略をとってきたという印象がありますね

三田友梨佳キャスター
ダウンロード時代を作ったアップルが、自ら形態を変えてストリーミング時代を作ろうとしているということですよね。このサービスから目が離せません

(「Live News α」6月4日放送分)

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