金正恩委員長が側近を粛正
北朝鮮の金正恩委員長が最も信頼する妹・金与正氏。
一部の韓国メディアは5月31日、「与正氏が謹慎中」と伝えた。
さらに側近・金革哲氏に至っては銃殺刑になったという。
かつて、自らのおじにあたる張成沢氏を処刑した金委員長。
2019年2月、大歓迎を受けてベトナム入りしたものの、事実上決裂した2回目の米朝首脳会談。
これを受け、韓国紙の朝鮮日報は31日、北朝鮮消息筋の話として金正恩委員長が、対米交渉の担当者を集団粛清したと伝えた。
「金英哲は労役刑、金革哲は銃殺」
当時、米朝首脳会談を2日後に控え、金委員長が側近らと宿泊先のホテルで行った会議の場にいた1人が、粛清されたとされる金革哲特別代表だ。
今年2月に襲撃されたスペイン大使館の元大使だった金革哲特別代表。
韓国メディアによると首脳会談決裂後北朝鮮当局の調査を受け、金委員長を裏切ったアメリカのスパイの容疑で平壌郊外の美林飛行場で銃殺されたという。
また、同じ交渉団のメンバーでかつて金委員長の家庭教師を務めたとされる金英哲副委員長は強制労働所へ、金聖恵統一戦線策略室長は政治犯収容所送りとなった。
龍谷大学社会学部 李相哲教授:
ハノイ会談の失敗は最高指導者の顔に泥を塗ったということだと思う
更に、決定的な通訳ミスがあったとして、金委員長の女性通訳シン・ヘヨン氏も政治犯収容所に送られたという。
そして、もう1人金委員長の妹・与正氏は謹慎処分となった。
宣伝扇動部の第1副部長として宣伝活動の責任者を務める一方、常に金委員長のそばにいた与正氏だが…
朝鮮日報によると韓国政府関係者は「金委員長が謹慎処分にさせたと把握している」と話す。
龍谷大学社会学部 李相哲教授:
他の幹部を処刑したり、労働教化刑に処す一方、妹(与正氏)に何も処罰を与えないというのは示しがつかない
加藤綾子キャスター:
なんだか北朝鮮で恐ろしいことが起きているようですね
風間晋解説委員:
ハノイでの首脳会談では北朝鮮側はトランプ大統領の出方を見誤りました。その結果が決裂ですよね。北朝鮮では金委員長が失敗するということはあり得ませんから、誰かが結果責任を負わなければならない。加えて内部の引き締めのためにも処罰は厳しく。妹の与正さんも例外ではないと。それだけ、ハノイでの物別れというのが、大きな失敗だったということなんじゃないかと思います
(「Live News it!」5月31日放送分より)