「百回以上殴られた」妻殺害の夫が法廷で主張した“妻の暴力・暴言の数々”・・・情状として考慮されるのか?

カテゴリ:国内

  • 妻を殺害して遺体を実家の庭に埋めた罪に問われている、弥谷鷹仁被告の被告人質問が行われた
  • 「本当にかわいそうなことをした」と涙ながらに語る一方、「妻から日常的な暴力・暴言を受けていた」と主張
  • 鷹仁被告の主張は情状として考慮されるのか?スタジオでは弁護士が解説

妻を殺害したエリート銀行員に初の被告人質問

2018年3月、千葉・柏市で妻・麻衣子さんを殺害し、母親・恵美被告とともに実家の庭に死体を遺棄した罪に問われている、元エリート銀行員の弥谷鷹仁被告(37)。5月29日の公判では、初の被告人質問が行われた。

弁護側から事件当時のことを改めて聞かれると、鷹仁被告は涙を流し、声を震わせながら、このように語りはじめた。

弁護側:
いま、妻への気持ちは?

弥谷鷹仁被告:
本当にかわいそうなことをしたと思っています。妻は首を絞められていたとき、どんな気持ちだったのか…。自分が首を絞められていたとしたら、どうだっただろうと考えることもあります。首を絞められていた妻が最後に「苦しい」と言った声が、今でも頭の中で毎日聞こえています。

他に、弁護側からの質問に対して鷹仁被告が主張したのは、殺害された妻・麻衣子さんが日常的に行っていたという、暴力・暴言の数々だった。
 
「直撃LIVEグッディ!」では、広瀬修一フィールドキャスターの中継を交えて、公判の様子をお伝えした。

妻の“潔癖ルール”と育児問題を主張

広瀬修一フィールドキャスター:
午前中は弁護側からの質問が集中しましたが、衝撃的な内容が多くありました。前提として、弁護側が質問をするということは鷹仁被告に対する擁護となりますから、情状面を引き出そうとするやり取りが続きました。

弁護側が主張していることは「なぜ殺害したか」です。妻の麻衣子さんは強迫性障害と診断され、極度の潔癖症でした。その麻衣子さんから課せられたルールを守らないと暴力を受ける、それが殺害の動機の1つであると主張しています。

今回の被告人質問で、潔癖症ならではのルールが非常に厳しいものだったことが明かされました。

<麻衣子さんの“潔癖ルール”について>
・わりばしで電気をつける
・ゴミ箱、トイレ、ドアノブを触る際はポリ手袋を使用
・ビジネスバッグを触ってから食器棚に触れた際、食器棚を30分以上拭かされ、会社に遅刻



広瀬修一フィールドキャスター:
100枚入りのポリ手袋を1週間に3箱から5箱使わなければいけないくらいの量だったそうです。麻衣子さんは、育児に対してノイローゼのような症状を抱えており、その麻衣子さんから長女を守るために鷹仁被告は殺害を決意したというのが、検察側・弁護側双方が主張している動機です。麻衣子さんは長女に対してどのようなことをしていたのか、その内容も衝撃的なものでした。

<麻衣子さんの育児について>
・授乳中、娘を胸に押し付け「なぜ飲まない」と怒鳴る
・仕事中に妻から電話があり「娘を見るのが嫌だ、すぐ帰ってこなかったら娘がどうなるか分からない」と言われた



広瀬修一フィールドキャスター:
寝かしつけている時、ポンポンと背中を叩いているうちに、叩く手が強くなり「叩き殺しそうになった」と麻衣子さんから言われたこともあったそうです。娘にこれ以上危害が加えられないように、そういった思いが鷹仁被告の中にあったんだという話が、弁護側のやり取りの中で出てきました。

広瀬修一フィールドキャスター:
そしてもう一つ、なぜ離婚しないんだという疑問がありますよね。鷹仁被告は一度離婚の話を切り出したそうなんですが、すると麻衣子さんが娘を連れてマンションの屋上から飛び降り自殺しそうになったことがあり、その後は離婚を切り出すのはやめようと決意したそうです。

さらに、離婚したとしても親権が取れず、麻衣子さんの元に子供が引き取られてしまうと思い、離婚する事ができないならどうすればいいんだと悩み、殺害に至ったと。そういった情状面に訴えるような話が出てきました。

情状酌量の余地はあるのか?

安藤優子:
麻衣子さんは亡くなってしまっていますから、反論することも反証することもできません。一定程度はそういうことはあったのかもしれませんが、だからといって殺害について情状になるのかと言うと…。

高橋克実:
「だから殺す」というのは飛躍しすぎというか。そういうことがあったのかもしれないけど、もっといろんな手立てがあるはずだっていう風にならないのが…、ましてや母親の恵美被告も一緒になって。恵美被告は鷹仁被告に話を合わせていたと言っていますけど、他にもっと解決策があったはずだと思いますよ。

カンニング竹山:
夫婦だったら、鷹仁被告が麻衣子さんのご両親に相談して、一緒に考えていくという手立てもあるわけじゃないですか。なぜそういうことをしなかったのか、疑問が残りますね。

安藤優子:
麻衣子さんのご両親だったら麻衣子さんの事をとてもよく知っているはずですもんね。麻衣子さんが育児のストレスからか、相当厳しく鷹仁被告に当たったということが弁護側からの被告人質問で主張されたわけですが、どれくらい情状として考慮されるものなんでしょうか?

三平聡史弁護士(みずほ中央法律事務所):
他の手段で解決する方法がなかったかというところが大きいと思います。小さいお子さんがもし虐げられているのであれば、実家でそれをかくまうとか…、実際の問題でいくらでもありますから。なぜそういう手段を取れなかったのか。どうしてもできない事情があり、娘さんを助けるためということであれば、情状としてある程度考慮されると思います。そこまでの事情があるかどうかがポイントだと思います。

大村正樹フィールドキャスター:
注目の被告人質問ですが、30日は母親の恵美被告になります。第2回公判での恵美被告の知人の方の証言が、明日の焦点になりそうです。

30日は恵美被告が証言台に

<第2回公判 検察側の証人尋問での証言(20019年5月28日付 千葉日報より)>
恵美被告の知人:
恵美被告から「息子が妻を殺してしまいそうだと言っている」と相談を受けた

大村正樹フィールドキャスター:
この証言が、ほう助を裏付ける証拠になるのか?逆に、こんな大事な話を第三者に軽々に言うのかなとも思いますが…。

三平聡史弁護士
本当に息子が殺害を実行してしまうとお母さんが信じていたのであれば、絶対に言えない情報です。親族でもない方に軽く言うというのはあり得ないと思うので。

安藤優子:
恵美被告の弁護側は、本当に息子が殺すなんて思ってなかったと主張しているわけですよね。つまり三平先生のご指摘は、本当にそう(息子が殺害を実行すると)思ってないから軽々に知人に話したと。

三平聡史弁護士
そうですね。まさか実行するとは思っていなかったからこそ、友達に軽く伝えてしまったというのが一つの考え方だと思います。

安藤優子:
友達に伝える前に止めるべきでしょうと思ってしまいますが…。恵美被告がどのような立場・主張をとっていくのかが、30日の法廷での注目点となりそうです。


(「直撃LIVE グッディ!」5月29日放送分より)

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