6月14日〜16日、横浜みなとみらいで開催される「アンチエイジングフェア」。

医療や美容の企業やプロフェッショナルが集まり、最新の美容健康情報を発信する体験型のイベントだ。ここで「人生を変えるメイク」セミナーを開催するのがイメージコンサルタントの一色由美子さん。

30秒で相手を引きつけるイメージ作りに定評があり、ニューヨークでミリオネア、エグゼクティブのコンサルティングを手掛け、国内でも多くのビジネスパーソン、政治家、起業家をクライアントに持つ。今回はなぜ、多くの成功者たちが外見に投資をするのか、イメージを変えるとどんなことが起きるのか、また、誰にでもすぐに人を惹きつけられるイメージの作り方を聞いた。

(聞き手・佐野瑞樹アナウンサー)

なぜ、外見は大事?

 
 
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佐野:
さっそくですが、イメージコンサルティングとは具体的にどういうことをするのでしょうか?

一色:
人それぞれの「こうなりたい」というイメージに合わせて、ファッション、ヘアスタイル、メイクなど外見を変えるアドバイスをしています。私は単に格好いいという視点だけではなく、“売れる男になる”を意識してコンサルティングをしています。クライアントに対して、服装がその方の体型に合っているかどうかはもちろん、顔立ちや顔の大きさ、首の太さや長さ、肩幅、髪型など細かいところを分析し、服のカラーや柄、デザインまで選んでいきます。

佐野:
なぜ、外見が大事なのでしょう?

一色:
初めて出会った人の印象を決めるのはたった30秒と言われています。しかも、話す内容から判断するというのはごくわずかで、外見が占めるのは5割以上。顔つき、服装、ヘアスタイル、しぐさや喋り方、匂いなど非言語のコミュニケーションによって判断されています。つまり、どんなに中身が素晴らしい人でも、外見が素敵でないと瞬時に人を惹きつけられず、信用させることはできません。それはとてももったいないですよね。

せっかく良いスーツを着ていても、そう見えない方が時々いらっしゃいますが、サイズやデザインが合っていなかったり、話し方や立ち振る舞いにクセがある場合が多い。しかし、そういった難点は理論やテクニックを知っていれば解決できます。服装、髪型や眼鏡を変えたり、笑顔や話し方、立ち振る舞いを意識するだけで印象がぐっと変わるんです。

佐野:
中身ではなく、外見が重要だと。

一色:
ここで大事なのは、内面と外見を分けて考えるのではなく、内面の一番外側は外見だと理解することです。私はNYでイメージコンサルティングの仕事をスタートしたのですが、当時のクライアントはミリオネアやビリオネアといったいわゆる成功者たちでした。彼らは理想のイメージを明確化し、それに合わせた外見をすることがどれだけ大事かを知っていて、自己プロデュースに妥協がありません。外見は中身を示す最適な手段だと知っているんです。

日本に帰国したばかりの頃、いろいろな経営者の方にお会いしましたが、特に年配の方たちは「外見を魅力的にしても、内面が伴ってなければ…」とおっしゃる方もいました。今は多くの方の意識も変わりましたが、当時、「外見は内面の一部であり、うわべのことを言っているのではない」と理解してもらうのに長い時間がかかりました(笑)。

外見が変わると内面も変わる

 
 

佐野:
先ほど、30秒で判断するということでしたが、具体的にどこを見るのでしょうか?

一色:
頭のてっぺんから足元まで見ます。私がコンサルティングをする場合は、清潔であることはもちろん、職業にあった格好をなさっているかどうかもチェックします。仕事を任せられる信頼感や説得力、好感度があるかどうかも大切です。

どんなにお顔立ちが美しい人でも笑顔がなかったり、会話のキャッチボールがうまくできなかったり、自信がなさそうな人は素敵に見えないですね。なので、話し方や立ち振る舞い、オーラも見ます。

佐野:
オーラですか。あまり売れていなかったアーティストが売れ始めると急にオーラが出るという話もあります。一色さんのクライアントさんもそういう方はいらっしゃいますか?

一色:
素直な方は変わりやすいですね。人のアドバイスをきちんと取り入れられる方はどんどん変わっていきます。こちらが提案した洋服を着て、最初は「派手じゃない?」とおっしゃっていても、翌日その格好で会社にいくと「今日素敵ですね」とか褒められたりする。そうすると「おっ、イケてるかも」とだんだん自信がつきます。

そうやって外見を変えたことで、周りの人に褒められたり、レストランやブティックで特別な扱いを受けるようになると、本人の意識が変わり、背筋が伸びてきて、余裕も生まれてきます。外見を変えると内面も引き上がる。こんなにいいことはないですよね。 

 
 

佐野:
一色さんのクライアントにはどういった方が多いですか。

一色:
経営者、大手企業の役員クラス、外資系企業の営業職の方。あとは人前に立つ職業の方、講師、政治家の方もいます。

佐野:
最近の政治家の方は選挙のときに黄色やオレンジ、ピンクなど明るい色を身につける方が多い印象です。逆に、黒や紺は良くないのでしょうか。

一色:
そんなことないですよ。その人の打ち出したいイメージや政党のカラーもあるので、選挙のときは派手な色を身につける方が多いですが、紺は世界で一番好まれる色なんです。心が落ち着く色とも言われています。今日の佐野さんみたいに紺色のジャケットと白のTシャツという白と紺のコンビは非常にいいですね。佐野さんにとてもお似合いですし、爽やかです。

佐野:
紺は好まれる色なんですね。覚えておきます。

一色:
特に初対面の方とお会いする場合にいいと思いますよ。安心感を与えます。それに、佐野さんはもともとブルー系がすごくお似合いになるお顔立ちです。

佐野:
テレビでは明るい色も着たほうがいいですか?

一色:
どういう番組に出るかだと思います。朝のにぎやかな番組なのか、午後の報道番組なのか。視聴者は若い女性が多いのか主婦層なのか、それとも男性が多いのか。コンサルティングをするとき、クライアントの方にもどういうイメージを持たれたいのか、仕事でどういう人に接する機会が多いのかなど、事細かく聞いて提案しています。

イメージコンサルティングは費用対効果の高い投資

佐野:
イメージコンサルティングにかかる費用は決して安くはないと思うのですが、そこへ投資をするビジネスマンの目的はなんでしょう?

一色:
会社の業績アップや営業売り上げアップや昇進など、仕事で成功することが目的の方々がほぼ100%です。最近は経営者の方が、役員クラスの方のイメージを変えてほしいと紹介してくださるケースもあります。大学の研究によると、外見が良い方と悪い方で生涯年収の差が平均3000万円の差があるといわれていて、業種によってはもっと差がつく場合もあるとも。

佐野:
見た目が変わるとビジネスも変わるということでしょうか?

一色:
はい。ビジネスでは人脈がとても大切ですが、お金では買えません。でも、外見に投資をすることで、人から好印象を持たれたり、信頼を得たり、一目置かれる存在になれる。すると、仕事の成約率が上がったり、上司の評価が高くなって昇進するなど、ビジネス拡張につながります。イメージコンサルティングは費用対効果の高い投資なんです。また、自分に似合う服や色が分かっていれば買い物の時間を短縮できますし、間違った洋服を買って捨てることもなくなります。

佐野:
男性はビジネス目的がほとんどということでしたが、女性はどういう目的の方が多いですか?

一色:
もっと魅力的になりたい、きれいになりたい、自分に自信を持ちたいという人が多いですね。

「大きな鏡で自分の裸を見る」

 
 

佐野:
女性はビジネスよりも自分磨きが多いんですね。自分を変えたいという方は一色さんに直接、お会いしてアドバイスを受けるのが一番だと思いますが、それができない場合、著書を読む以外にすぐできることはありますか?

一色:
まず、笑顔と姿勢ですね。この2つは意識すれば一瞬で変えられます。そして、男性であれば、Vゾーンが決まるとより素敵に見えます。たとえば、スーツ、シャツ、ネクタイであれば、最初にシャツを変えてみてください。パリッとしたものに新調するとスーツの値段が上がって見えます。

次に、今まで着ない色を選ぶこと。年齢が上がるにつれ、いつも同じ色、無難な色を選びがちです。明るい色を着ると気持ちも変わりますし、人からの見られ方も変わります。「恥ずかしいし、目立ちたくない」と思うかもしれませんが、明るい色を着ていたからといって悪目立ちするということはありませんので、似合う色を見つけて取り入れてほしいですね。あと、日本人は体重にフォーカスする方が多いですが、同じ体重であっても見た目は変わるので、まずは、大きな鏡で裸の自分を見ていただきたいですね。

佐野:
男性はあまり見ないかもしれませんね、特に裸は。

一色:
体重は変わらないけれど、お腹が大きくなってきたとかお尻下がってきたとか、体のラインの経年変化に気づくことが大事です。気になる部分を意識的にトレーニングすることもできますし、隠すこともできます。でも、隠すといっても大きいサイズをダボッと着るのではなくて、細く見えるところを強調して、気になる部分を目立たなくするといったバランスの取り方が大事です。こうすることで、無理に痩せなくてもスッキリとして見せることができます。

佐野:
ダイエットをしなくても、服の選び方次第で印象が変えられるんですね。ここに襟やネクタイのサンプルがありますが、こういったものでも変えられますか?

一色:
はい。顔の表情がガラリと変わります。まずは、襟からつけてみましょう。佐野さんはお顔立ちが華やかなので、長い襟はあまり似合わないと思いますが、せっかくなので合わせてみますね。どうですか?ちょっと古い感じがしませんか。

長めの襟を着用した佐野アナ
長めの襟を着用した佐野アナ

佐野:
たしかに。

一色:
次に、少し開いた襟もつけてみましょう。

佐野:
襟の形が違うだけでも印象がずいぶん変わりますね。さっきよりもすっきりしている気がします。

短めの襟を着用した佐野アナ
短めの襟を着用した佐野アナ

一色:
そうですよね。ネクタイも締めてみましょう。

佐野:
僕の場合は、濃い色がいいですか?

一色:
はい。特に柄のジャケットを着た場合は濃い色のタイをつけて、中央に視線を集めた方が締まって見えます。柄のジャケットは横に大きく広がって見えるので、佐野さんのように上半身がしっかりした外国人体型の人は、濃い色のタイをつけることでより締まって見えます。逆に華奢な体型の男性は、柄on柄の難しい組み合わせにチャレンジすると、印象を残しやすくなります。佐野さんの場合、ジャケットは柄よりも無地、ロンドンストライプのシャツやジレもお似合いになると思います。 

 
 

佐野:
ジレやロンドンストライプのシャツはなかなか自分では買わないですね。

一色:
ロンドンストライプって誰にでも似合う柄ではないのでぜひ挑戦してほしいです。

佐野:
メガネもありますね。

一色:
はい、男性のクライアントさんにはメガネで印象を変える提案もしています。女性のようにメイクで印象を変えるということがなかなかできないので。特に、営業職の方でお客様に早く顔を覚えてもらいたい、印象を残したい、という方はおすすめです。佐野さん、一つずつかけてみませんか。

佐野:
ふだんサングラスはかけるのですが、メガネはかけないですね。似合うかなぁ。じゃあ、丸いタイプから。

一色:
わぁ、似合いますね。親しみやすさが増した気がします。

「似合う!」と褒められて笑顔を見せる佐野アナ
「似合う!」と褒められて笑顔を見せる佐野アナ

佐野:
してみないとわからないものですね。では、2本目を。

一色:
これは顔がキュッとしまって美男子系になりますね。

佐野:
なんだか褒められると嬉しいですね(笑)。3本目は…ちょっと小さいかな。

一色:
いえいえ、印象が柔らかくなりました。佐野さん、どのメガネも似合いますね。

どのメガネを掛けた佐野アナがいい?
どのメガネを掛けた佐野アナがいい?

佐野:
そうですか。じゃあ最後に四角いフレームをかけてみます。

一色:
これは知性あふれる感じ。長いまつげが目立ちますよね。

佐野:
こんなに褒められると嬉しいですね。メガネ、帰りに買って帰ろうかな(笑)。日本人の男性が外見で間違いがちなことはありますか? イケてると思ってしていることが、実は女性から不評だったり、残念ポイントがあれば教えてください。

 
 

一色:
最近、細身のシルエットが流行っているのですが、無理にピチピチのスーツを着ている人は素敵ではないですよね。あと、足首が見えてしまうほど短いパンツ丈もビジネス的にはNG。そして、ジャケットをオーバーサイズで着るのも残念ポイントです。

佐野:
大きめのジャケットを楽に着たいというのもあるかもしれないですね。

一色:
ピチピチでなくていいので、肩のサイズを合わせることを意識してほしいです。あと、夏になるとシャツの下に何を着るかも重要です。汗をかいて脇や胸元が透けて見えるのは清潔感がないので、必ず下着をつけること。かといって、下に着たTシャツのロゴやイラストが透けているのもNGですね。今は、ベージュのシームレスな下着があるのでそちらを身につけるのがオススメです。


 

「アンチエイジングフェア2019 in 横浜みなとみらい」
2019年6月14日(金)から16日(日)10時~17時30分(最終日は17時終了)
パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)
※入場無料

<セミナー情報>
6月15日(土)13時45分~14時30分
「ニューヨークで話題のメイク術でいきなり美人!人生を変えるメイク」
イメージコンサルタント・一色由美子
http://www.aaf-daiba.com/

文・浦本真梨子

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。