TwitterやインスタなどのSNSをやっているあなた!
フォロワー数を増やしたいと思ったことはないだろうか?
大量のフォロワーを持つ一部の人は「インフルエンサー」と呼ばれ、我々の消費行動にも強い影響を与えていてマーケティングにも活用されていることは、もはやネットの常識になりつつある。
確かに、フォロワー数の多い人の発信する情報は信用してしまいがちだが、こうした心理を逆手にとって、フォロワー数を不正に増やした「水増しインフルエンサー」が増えているという。
そんな「水増しインフルエンサー」を検知する新たなサービスが登場した。
SNS・インフルエンサー分析ツール「Tofu Analytics」を提供する株式会社misosil(ミソシル)は、5月22日から「水増しインフルエンサー」を検知する「不正チェック機能」を同ツールのオプションとして提供し始めた。
「Tofu Analytics」は2015年8月24日に公開され、自社製品や競合他社製品がどう思われているのかSNS上の声を集めて分析したり、誰の投稿が影響を与えているのかを遡って「インフルエンサー」を特定・ランキング化することなどに使われている。
ここで得られたデータを活用してSNSユーザーに拡散されやすいコンテンツ等を設計することで、キャンペーンの成功確率を高めることができるという。
今回登場した「不正チェック機能」は、Twitter・インスタグラムの分析ノウハウやAIを応用して独自の不正検知ロジックを開発し、前述の「Tofu Analytics」のオプションとして提供するという。
同社によれば、導入の背景として、今回のインフルエンサーはフォロワー数が多ければ報酬の高い仕事がもらえるため、実態のない海外アカウントやbot等をフォロワーとして購入しフォロワー数を水増しする「不正インフルエンサー」が見受けられると指摘している。
その結果、インフルエンサーを使ったマーケティングを実施した企業は、想定した効果が得られないばかりでなく、インフルエンサーの先にいる一般消費者が騙されてしまうことに繋がりかねない、と現状の危険性を訴えている。
分析ツールの提供開始からわずか4年足らずでSNSはどう変わったのか?また我々が「水増しインフルエンサー」を見抜くにはどうすればいいのか?
misosilのCOO、土田大介さんに聞いてみた。
フォロワー至上主義的な現状に危機感
――「不正チェック機能」を開発したきっかけは?
昨今のSNSの流行から、SNSを活用したインフルエンサーマーケティングがトレンドになっており、業界として1フォロワーあたりいくらの謝礼をインフルエンサーへ払うという値付けが一般的です。
そのため、フォロワー数が多ければ報酬も高くなり、企業からの依頼も増えるため、フォロワー数を水増しする不正インフルエンサーが増えています。
弊社はそのようなフォロワー数至上主義的なインフルエンサーマーケティングの現状に危機感を抱き、今回のサービス提供に至りました。
――インフルエンサーが行う「不正」とは?
プレスリリース内では不正=フォロワーの水増しと定義しています。
その他にも、一般的な金銭や報酬の有無を明示せず、いわゆるステマを行っているインフルエンサーに関しても、広義の不正インフルエンサーに含まれると考えております。
――水増しインフルエンサーはどのぐらい増えている?
弊社では割合を出してはおりませんが、インフルエンサーマーケティングがトレンドになっていることが拍車をかけている印象です。
なお、本人は意図せず、ファンが良かれと思い勝手にフォロワーを購入しているケースなども見られます。
「水増しインフルエンサー」の見分け方
――普通の人が「水増しインフルエンサー」を見分けることはできる?
簡単な方法としては投稿内容に対し外国人のフォロワー率や、投稿がほとんどないフォロワーの比率が高かったりするなど、目視で簡単にわかる方法もあります。
もっとも、最近のフォロワー水増しは巧妙なので、日本人風の偽アカウントによるフォロワー水増しも多いですが、そのあたりは弊社ツールの分析が得意な領域になります。
――AIはどうやって「不正チェック」している?
不正インフルエンサーの投稿やフォロワー情報などを分析しているため、それらデータの掛け合わせで不正アカウントをあぶり出すことができます。
近い将来大きな社会問題に発展する可能性も
――「フォロワーが多い=影響力がある・信頼できる」という風潮をどう思う?
インスタグラムの運営会社であるFacebook社も対策を講じていますが、最近は不正インフルエンサーによる健康食品会社のステマ案件や、金融情報商材の詐欺なども見受けられる一方で、インフルエンサーマーケティングを活用する企業も増えており、近い将来大きな社会問題に発展する可能性があると思っております。
悪質な代理店や不正インフルエンサーが悪いのは言うまでもありませんが、消費者やマーケターのリテラシー不足も原因であるため、今回のようなメディアを通じた啓蒙に弊社も役立てればと思っております。
――「Tofu Analytics」の今後は?
不正インフルエンサーの検知や悪質な不正インフルエンサーを活用している企業名の公表などによって、一般消費者やマーケターのリテラシー向上をはかれれば幸いです。
ネットでは日々新たなスターが生まれているが、その人気は本物なのだろうか?
また「SNSで話題」と言う宣伝文句はよく見るが、そのまま信用してはいけない時代になってきているようだ。