“スーパーボウルより100倍大事”なものにできるのか? トランプ招聘の最大の思惑

カテゴリ:ワールド

  • 25日からトランプ大統領が令和初の“国賓”として来日
  • シンゾー・ドナルドの親密ぶりをG20前に世界にアピール
  • しかし今の米中関係ではG20直前ドタキャン!?もあり得るか

破格のご機嫌取り

2017年11月 天皇皇后両陛下(当時)と懇談するトランプ大統領夫妻

アメリカのトランプ大統領が5月25日に来日する。
大前提としてこの時期のトランプ招聘の最大の理由は、新天皇皇后両陛下の最初の外国賓客=国賓とすることでトランプ大統領夫妻の自尊心を大いにくすぐり、破格の接待をしようというものだ。

同時にシンゾー・ドナルド、そして日米の緊密ぶりを改めて世界にアピールする狙いがある。

G20で20人の首脳が来日し、その中にはアメリカより国賓として迎えるべき順番が上の国(日本側が先に国賓として接遇を受けていて、早くお返しをしなければならない事情があるとか)の首脳がいるかもしれない。中国の習主席との調整を避けるためにも、G20より前にトランプ大統領を呼ぼうという実務的事情もあったのではと考えらる。

サミットでの乱暴狼籍を防ぐ

その上で、TAGの早期合意。

米中貿易交渉の決着が見えにくい現在、トランプ大統領にとって大事な支持層の家畜農家、穀物農家対策などはますます急がないといけなくなっている。それは日米間の貿易交渉をできるだけ小さな範囲のものにして被害を広げずに上がりたい日本にとっても望むところだ。
 
G20については、トランプ大統領が大阪に来ないという、議長役の安倍総理にとって最悪の事態はなくなったように見えるが、まだまだ油断できない 。そもそも大統領は、多勢に無勢になりやすいマルチの国際会議や旅程が長い外遊は大嫌いだ。 
その上、米中首脳会談がセットできなくても来るのか?という不安が残る。G20にあわせて訪韓する予定が発表されたので、大丈夫だろう…と楽観はできない。

現状、トランプ 大統領は、「 大阪で習主席と会談する」と発言しているが、そう言っているのは大統領だけで、習主席の側は何も言っていない。中国側の対応を見ている限りでは、習主席にトランプ大統領と会談するメリットはなさそうだし、急いで会いたいという風もない。
もしも米中首脳会談はセットできそうにない・・という状況になれば、「トランプ大統領が習主席に袖にされた」と 受け取られるより、「こっちから米中はお断りだ!大阪に行くのはやめた!!」というのがトランプ流だろう。 訪韓延期もハードルにはならないだろう。

G20の議長役の安倍総理にとって、シンゾー・ドナルド関係のドナルドが会議を欠席という事態は何が何でも避けたいはず。シンゾーに対してそんなことはできないな・・と大統領に思わせなければならない。

さらに安倍総理の外交の晴れ舞台を成功させるために、絶対に避けたいことが、この画像の再現だ。 

2018年6月にカナダで開催されたG7サミット (写真:メルケル首相の公式インスタグラムより)

去年のG7で、各国首脳が「ウン」と言ってくれないトランプ大統領に大弱りしている図だ。大統領は、シンガポールでの米朝首脳会談を言い訳に、サミットを途中退席したし、議長役のカナダのトルドー首相の会見発言に激怒し、「議長声明を認めない!」とツイートするなど、議長泣かせを数々やってみせた。

大阪で同じことをやられたら、議長役の安倍総理としては格好がつかない。7月には参院選もある。
「 ドナルド、 頼むよ!  」  
という気持ちが” 異例の接待”に込められているというものだ。  

文在寅大統領と差をつけたい

もう少し長い目で見てみると、2020東京オリンピックの開会式とオリンピック外交は、来年の安倍外交にとって最大の晴れ舞台となる。
もちろん、全世界からできるだけ多くの首脳に来てほしい。

特に大統領選挙期間中にもかかわらずトランプ大統領が来てくれれば、これまたシンゾー・ドナルド関係と日米の緊密さのアピールになる。アメリカ大統領の『時間』は、世界一の希少材だ。大統領日程にかかわる頼み事は、大統領がご機嫌のタイミングで早めにやっておくに限る。 

それに、平昌冬季オリンピックの開会式はペンス副大統領だったので、東京オリンピックにトランプ大統領が足を運んでくれれば、韓国の文在寅大統領に差をつけてやるチャンスにもなる。

令和最初の国賓にトランプ大統領。
その背景には政治的思惑がアレコレト!

【執筆:フジテレビ 解説委員 風間晋】

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