ローマ字の名前の表記の順番が変更

街で自分の名前を、ローマ字で書いてもらうと多くの人が名前が先名字が後だった。
しかし、今後、この順番が変わる可能性があるという。

この記事の画像(10枚)

河野外相は「習近平主席が、Xi(姓)Jinping(名)、文在寅大統領が、Moon(姓)Jae-in(名)と表記されている外国の報道機関が多いわけでございますから、安倍晋三も同様に、Abe(姓)Shinzo(名)にしたいと考えている」と話した。

日本人の名前をローマ字で書く際、これまでとは逆で、日本語表記と同じ姓→名の順番にしようという発言があった。

海外の大手メディアも「日本から世界へ、シンゾウ・アベではなくアベ・シンゾウと呼んでください。」と、
報じる事態となった。

柴山文科相は「自分の名刺を見ると、残念ながら名 昌彦・姓 柴山の順番でローマ字表記されている。
今後オフィシャルな場では、姓 柴山・名 昌彦の順で表記することを徹底したい」と話した。

この柴山文科相の発言があった5月21日、文科省の英語のホームページでは早速、
大臣や副大臣などの名前のローマ字表記が逆に変更された。

なぜ日本は『名前→名字』 になったのか?

そもそもなぜ日本では、ローマ字表記では名前が先が一般的になったのか?
国語辞典編さん者飯間浩明氏は「日本は明治時代にヨーロッパに追いつけ追い超せといって欧化政策というのを
とります。その中で、名前の書き方も欧米式にするべきということで名前→名字の順にするように徐々に
なってきたようだ。」と話した。

名前のローマ字表記があるものといえばパスポートである。
改めて、表記を確認してみると元々姓→名の順番で記載されているため、影響はなさそうだ。

一方、クレジットカードは名→姓の表記となっている。
日本のクレジットカード大手JCBは、今回の報道について、「今のところ変更の予定はないが、国からの要請があれば今後対応していく可能性がある」としている。

さらに、影響を受けそうなものといえば、英語の教科書である。
教科書大手の三省堂の 英語教科書出版部 富岡次男部長は「平成5年の教科書から一貫して姓→名の順番でやっています」と話した。

1993年、三省堂は、当時の編集長の方針により、英語の教科書内の表記を「姓→名」の順番に変更した。

その後、三省堂以外の教科書も、あることがきっかで続々と変更することになったという。

そのきっかけというのが、2000年の文科省による国語審議会である。
その中で言語や文化の多様性を踏まえ、ローマ字表記においても「姓→名」の順が望ましいとの答申があった。
文科省と外務省は今回、19年ぶりに、この答申を改めて呼びかけた形となった。
強制力はないものの、近く文化庁が通知を出すということだ。

どっちが名字 ? 外国人が混乱

一方、今回の報道について、英語圏の大手メディアが素早く反応した。
イギリスのガーディアン紙の見出しには…
「日本の大臣、海外メディアに正しく伝えるように求める。」

アメリカのCNNは
「日本は、リーダーの名前をアベ・シンゾウと正しく言うように望んでいる。」などと報じた。

この報道については、日本人よりも、外国人のほうが戸惑っている様子だ。
カナダ人:
ちょっとまって・・・それで、シンゾウ・アベとアベ・シンゾウどっち?混乱してる。

イギリス人:
この問題はおかしな文化的混乱を生むと思う。日本人を何と呼べばいいかわからなくなる。

河野外相は、来年の東京オリンピックを機に姓→名の順番を定着させたい考えを示しているが、専門家の近畿大学国際学部グローバル専攻の本田里沙講師は…

「今まで通り従来の名→姓っていう順番で書くという場合も多いと思いますので両方混在することになると、
英語圏の人はどちらが名字でどちらが名前なのか分からなくなってしまうと思いますね。
急に変えると、かなり努力をして周知をしないと伝わらないと思います」と話す。

(「めざましテレビ」5月23日放送分より)