今後30年以内に70~80%の確率で発生すると言われている南海トラフ巨大地震
最悪の場合、死者が32万以上に達するとされている。
そんな南海トラフ巨大地震とはどのようなものなのか。

静岡から九州にかけて大陸側のユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込む海底の溝状の地形を「南海トラフ」という。
このプレート境界を震源とする大規模な地震が「南海トラフ地震」だ。
南海トラフ地震は、大津波を伴う地震が特徴で、最大クラスの地震が起きた場合、静岡県から宮崎県にかけての一部地域では震度7となる上、関東から九州にかけての太平洋沿岸の広い地域を10メートルを超える大津波が襲うことが想定されている。

最悪の場合、死者は東日本大震災の約17倍に上る約32万3000人に上ると想定される。

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30年以内の発生確率が7~8割

南海トラフ地震は、過去には100年から150年間隔で繰り返し発生しているが、1944年の昭和東南海地震や1946年の昭和南海地震が起きてから70年以上が経過していて、平常時においても今後30年以内に発生する確率は70から80%と、切迫性が高まってきている。

南海トラフ地震のもう一つの特徴が、マグニチュード8クラスの地震が発生したあと、残る領域でも地震が続発していることだ。
1854年安政の東海・南海地震では約32時間後に巨大地震が発生し昭和の東南海・南海地震は約2年後に発生し、大きな被害を出している。

気象庁は、南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震発生やプレート境界で異常な地殻変動が観測された場合、「臨時情報」を発表して次の巨大地震との関連を「評価検討会」で調査することにしている。

「半割れ」判定の場合、警報解除後も避難継続

評価検討会で出される判定結果で、最初の地震がマグニチュード8以上で想定震源域の半分程度を破壊した「半割れケース」に当たるとされた場合、政府の防災ガイドラインは、被害が無かった地域でも、次の地震による津波から避難が間に合わない「事前避難対象地域」の住民について、大津波警報や津波警報などが解除されても自宅に戻らず1週間、避難を継続するなどの警戒対応をとることを呼びかけている。

FNN
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