「ブレーキがきかなかった…」池袋暴走事故・元院長(87)が任意の聴取 「逮捕されない理由」とは…

カテゴリ:国内

  • 池袋暴走事故を起こした87歳男性が退院し任意の聴取に応じた
  • 飯塚幸三元院長は今後どうなるのか?
  • 返納をためらう理由とは…全国の運転免許返納率「ワースト1位」の都道府県は?

池袋暴走事故 元院長が退院…今後どうなる?

4月19日に発生した、東京・池袋で87歳の高齢者が運転する車が暴走し、12人が死傷した事故。

18日、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長が、任意の聴取に応じるため目白警察署に姿を見せた。
2本の杖をつきながら警察署に向かう飯塚元院長。その足取りはおぼつかず、なだらかなスロープも人の手を借りなければ上がれないほどだった。

消え入りそうな声で「申し訳ございません。それだけです」と謝罪の言葉を口にし、警察署の中へと入っていった飯塚元院長。
今回の事故によって、左足のじん帯を損傷したというが、近所の人の証言では「事故を起こすより以前にケガをし、杖をついて通院していた」「足を引きずっていた」という。

体が思うように動かない状況で、車を運転していたとみられる飯塚元院長。警視庁の聴取に対して「ブレーキを踏んだがきかなかった」と語っている。
 
「直撃LIVEグッディ!」では、交通鑑定人の中村拓司さんが当時の状況について解説した。

立本信吾フィールドキャスター:
飯塚元院長は、おととし運転免許を更新し、その時は問題なしとされていました。しかしその後…

<関係者によると…>

・去年秋ごろ足をケガし、杖を使っていたという
・事故当時は両足を痛めていて、医師から運転を控えるように言われていた
・事故後、胸骨骨折・左足じん帯を損傷


中村拓司氏(交通評論家):
医師に(運転を)控えるように言われていたということは、非常に大きな問題があるんじゃないかと思います。

伊藤洋一(エコノミスト):
おととしは問題がなかったということですが、85歳を過ぎると、日々、体の状態も変化する可能性があると思います。若い人はそういうことはないんだけど(高齢者だと)昨日できたことができなくなったりする。運転って「判断と制御」「判断と制御」…の繰り返しだと思うんですよ。そこで判断が失われたら、もう車は“殺人マシーン”みたいになりますよね。

立本:
今後、飯塚元院長はどうなっていくのか?本来、重大な事件を起こした場合は逮捕となりますが、今回は逮捕されておらず、我々も「容疑者」ではなく「元院長」として報じています。それは何故なのか。

<飯塚元院長は今後どうなる?>若狭勝弁護士によると…

Q.なぜ逮捕されない?
→逃亡・証拠隠滅の可能性がなく、高齢のため逮捕しても勾留に耐えられないことが理由として考えられる

Q.今後どのような罪で起訴される?
→「過失運転致死傷罪」…7年以下の懲役・禁錮、または100万円以下の罰金
 運転できない状態と認識していたら「危険運転致死傷罪」…20年以下の懲役


その後公判が行われるが、実刑判決を受けても、高齢のため収監されない可能性があるという。


安藤優子:
仕方ないのかもしれないけど、運転をしてこれだけの重大な結果になっているのに、高齢だから罰することが出来ないというのは、世の中の理解は得られませんよ。被害者感情が救済されないこの部分は、とても矛盾しているように思えます。

中村氏:
高齢者は残された時間が短いですから、その時間の中で償いが出来るのかというと、なかなか難しい。これから考えなければいけない問題ですね。

高齢ドライバーが「免許返納」ためらう理由

倉田大誠アナウンサー:
なぜ、高齢者の事故がなくならないのか?75歳以上の運転免許返納率を調べたランキングをご覧ください。

倉田:
1番返納されている都道府県は、やはり交通機関の充実している東京。返納率の良くなかった県は、46位の高知県が3.6893%、47位の茨城県が3.6892%。わずかな差ではありますが茨城県が一番良くなかったという結果となりました。

<免許返納をためらう理由>警視庁HPより2015年度調査

1位65.8%…車がないと生活が不便
2位10.1%…車を運転する楽しみが失われる
3位4.3%…仕事を失う

 
倉田:
住んでいる地域によっては、その方の生活の足を奪ってしまうことになるんですよね。

高橋克実:
特に田舎は「1人1台」という感覚で、それが足ということになるわけだから。自分の両親に促しても、「じゃあお前が面倒見てくれるのか」って話になるわけでしょ。そうするとやっぱり、車両に対しての安全性を求めない限りは……緊急停止がついているような車両の開発、それをいろんな所に浸透させていかないといけないと思います。

安藤:
中村さん、返納率が低いというのは公共交通機関の充実だけじゃないと思うんですが、他にどのような理由が考えられますか。

中村氏:
ずっと車を運転されてきて家族を育ててきた、そういうプライドというのが非常に大きな部分にあると思うんです。ですから実のお子さんから「運転をやめろ」と頭ごなしに言われると「ふざけるな」という話になってしまうんだと思います。

立本:
ある家族のお子さんは、高齢者の運転に対して、このように工夫されているそうです。

・日中しか運転しない
・知っているところしか運転しない
・遠出はしない
・知り合いでも車に乗せない


立本:
最終的には免許返納をしてほしいんですが、このように段階を踏んでいるということでした。

安藤:
限定的にしていくわけですね。でも「知ってる道だから」とか「慣れてるから」とかいうと、トラブルが起こる可能性もありますし……先ほど克実さんが言ったように、自動車そのものの安全性を高めるしかないんでしょうか。

中村氏:
それも大切なことだと思いますが、やはり運転している人がしっかり自覚を持って、自分の体よりも、ものすごく能力の優れたものを操縦しているんだという感覚を持っていただくのが一番大切だと思います。

高橋:
ものすごく危ない、凶器なんだということを自覚しないといけませんね。
 

(「直撃LIVE グッディ!」5月20日放送分より)

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