伊勢丹新宿店の子連れ客への神対応が話題

ベビーカーに子どもを乗せて外出したとき、頭を悩ませることの一つが「エレベーター」だ。
エレベーターを使おうとしても、満員でベビーカーを乗せることができず何度も見送った、という経験があるという人も少なくないのでは。

こうした中、ある百貨店のエレベーターで子連れ客への“神対応”を目撃した、Twitterユーザーの投稿が1万4000超のいいねがつき話題になっている。(5月20日現在)


このツイートをしたのは、2歳の息子さんがいるという「いりこRさん」。

久しぶりに伊勢丹新宿店に行ったところ、「ベビーカー・車椅子優先エレベーター」に係員がいて、満員の場合でもベビーカーや車椅子の利用者以外の客に降りてもらい、ベビーカー利用者を乗せていたのだという。
これに、いりこRさんは「事業者側がルールを決めて遵守する姿勢に驚いた」と書き込んでいる。

果たして、“神対応”と言える、こうした子連れ客への対応は、社内ルールで定められているものなのか?
伊勢丹新宿店の担当者に話を聞いた。

「運用ルールを設けているわけではない」

――「ベビーカー・車椅子優先エレベーター」を設置したのはいつ?

2006 年頃となりますが、正確には不明です。

 
――「ベビーカー・車椅子優先エレベーター」は今、何機ある?

伊勢丹新宿本店本館に2機あります。

ちなみに普通のエレベーターは、本館8機、メンズ館2機です。

 
――エレベーターの係員は毎日いる?

お客さまで特ににぎわう週末(土日)のみで、常駐はしておりません。


――係員が「満員のとき、誰かに降りてもらってベビーカーの客を乗せる」ようになったのはいつ?

ルールを設けて、そのような運用をしているわけではなく、あくまでもご理解をいただいたお客さまにご協力をいただき、すべてのお客さまが安心・安全にお買い物をいただく環境づくりをしております。

イメージ
イメージ
この記事の画像(3枚)

「お客さまの立場に立つことを重要視したサービス・環境づくりの一環」

――こうした子連れ客に優しい環境づくりをしている理由は?

百貨店をご利用いただくすべてのお客さまに、安心・安全で快適なお買い物体験をいただくサービスの一環として、「ベビーカー・車椅子優先エレベーター」を設置しております。

また、全従業員には、高齢者・障がい者の方々や、妊娠中・小さなお子様を連れたお客さまへ接する際の知識やマナーを正しく身に付け、多様なお客さまに安心してご利用いただける“ユニバーサルマナーハンドブック”を去年、作成し、三越伊勢丹グループ全社において、お客さま対応の際に活用しております。 
 
したがって、子連れのお客さま限定というわけではなく、すべてのお客さまが、「三越伊勢丹ならいつでも安心して利用できる」と思っていただけるように、お客さまの気持ちに目を向け、相手の立場に立つことを重要視したサービス・環境づくりの一環となります。 

 ――“ユニバーサルマナーハンドブック”には、「ベビーカー」に関して何らかのルールが明記されている?

ベビーカーを載せるなどのルールを設定しているわけではなく、あくまでもお客さまのご理解・ご協力をいただき、今回の対応をさせていただきました。

“ユニバーサルマナーハンドブック”が今回の対応のすべてというわけではなく、「こころづかいの一例」として、一人一人お客様の気持ちに立って、常日頃、接客するという精神を持っていますという一例で申し上げております。

今回のエレベーターでのご対応につきましても、すべてのお客さまが、「三越伊勢丹ならいつでも安心して利用できる」と思っていただけるように、お客さまの気持ちに目を向け、相手の立場に立つことを重要視したサービス・環境づくりの理念をもった対応を、弊社の従業員が行ったと理解しております。 

トラブルにはならない?

イメージ
イメージ

――満員で誰かに降りてもらうとき、トラブルにはならない?

あくまでもご理解をいただいたお客さまにご協力をいただいています。

Twitterで大きな反響を呼んだ、伊勢丹新宿店の子連れ客への神対応。
こうした反響について、伊勢丹新宿店の担当者は「今回、ツイッターで弊社の一従業員の対応に関し、多くのお声をいただき、大変ありがたく思っております」と話していた。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。