「ミャンマー軍が僕を撃った」ロヒンギャ難民の子供たちの声

難民キャンプで暮らすロヒンギャの子供たちを取材

カテゴリ:ワールド

  • 難民キャンプには30万人を超える子供たちであふれる
  • 子供たちはミャンマーで想像を絶する経験
  • 体にも心にも傷を負った子供たち

最悪の人道危機とも言われる「ロヒンギャ難民危機」。その現場を訪ねた。

ミャンマーの少数民族「ロヒンギャ」は主に、ミャンマーの西部・ラカイン州に居住している。仏教徒の多いミャンマーでは少数派のイスラム教徒だ。

上空から撮影した難民キャンプ

ミャンマー政府は、ロヒンギャ住民に対し、バングラデシュから入ってきた「不法移民」であるとして、長年にわたり国籍を認めていなかった。

難民キャンプで暮らす子供たちは30万人以上

ロヒンギャの多くは迫害から逃れるため、ミャンマーから隣国・バングラデシュを目指し、難民となっている。ミャンマーとの国境に近い町のコックスバザールから車で1時間ほどのところにある難民キャンプはすでに過密状態にある。

しかし、65万人を超える人たちが生活する難民キャンプには、ミャンマーでの迫害から逃れようと、今でも1日に100人以上のロヒンギャ住民が流入していて、、キャンプは広がり続けている。

難民のうち半数以上が子供たちで、その数は30万人を超える。キャンプ内には子供があふれていた。

キャンプ内では事故も多く、子供たちにとって安全な場所ではない。実際、FNNがキャンプを取材している最中にも、子供が交通事故に遭ったという騒ぎがあった。

食料の配給所では、多くの子供たちが食料をもらおうと並んでいる姿があった。

この日に配られていたのはビーフカレー。
持ってきた容器やビニール袋にご飯やカレーが盛られていくが、配給は1日1回。
食べ盛りの子供たちにとって、お腹いっぱいになる量ではない。

配給の列に並んでいた少女は「家族10人で分けるんです。足りると思いますか?」と我々に疑問を投げかけた。

頭を撃たれた少年

モハメド・イドリース君(10)

た。

ミャンマーでの治安部隊による攻撃で、想像を絶するような経験をしている子供たちが多い。

モハメド・イドリース君(10)の右の頭部には、深い傷があった。「頭の傷を見せたくない」と頭にスカーフをつけて生活をしている。

2017年8月末にミャンマー軍がイドリース君の暮らす村を襲撃し、頭を撃たれたという。

「ミャンマー軍が僕を撃ったんです。パパが僕を担いで山を超えて、ここ(バングラデシュのキャンプ)まで来ました」

何とか生き延びたイドリース君は、いまだに傷の痛みがあり、頭痛もして、よく眠れないという。

モハメド・イドリース君(10)

ムハンマド・ショバイド君(12)は、銃弾がお腹を貫通し、腹部と背中に傷を負った。自分の村にミャンマーの治安部隊がやってきて、銃撃されたという。

「傷が痛む…」と話すショバイド君は、治療をして生還し、今は家族と生活している。

村で起きたことを描く少年

子供の傷は体だけではない。
国連の学校で子供たちに絵を描いてもらうと、子供たちは、自身がミャンマーで実際に目にした悲惨な体験を描き始めた。

先生たちは「自由に描いていい」と指示を出したが、何人かの子供たちがミャンマーで家族たちが殺害されたシーンを自発的に描き始めたのだ。

モハンマド・レドワン君(10)は、「この人がこの人を撃った。軍の人です。軍が銃撃してきて。殺された人の首を切ったんです。殺されているのはイスラム教徒です。これは大きなナイフです」と自分の村で起きたことを説明してくれた。

モハンマド・レドワン君(10)

こういった子供たちの姿を目にしたUNICEFの先生は「ある生徒は経験した悲しい出来事を話し、ここで絵に描いています。兄弟が殺された場所で、もし正義がないまま戻ったら拷問されると心配しています。子供たちは正義が実現するまでミャンマーには戻らないと言っています」と話した。

ミャンマーには帰りたくない…

ミャンマー政府とバングラディッシュ政府は、11月23日にロヒンギャの人々が帰還する合意書に署名をし、2018年1月中にも期間作業が始まる可能性が出てきている。

しかし、恐ろしい記憶が残るミャンマーには誰も帰りたくないという。

現在、母親ら家族と暮らしている12歳の少女は、目の前で父親が殺害された様子を語った。

「パパは首を切られたんです。パパが殺されたのを思い出すから、ミャンマーには戻りたくない。軍は私たちに村を去るよう命じました。2日、山を越えて難民キャンプにきました。銃撃が始まってから、もう平和はありません」

ミャンマー側がロヒンギャへの対応を変えない限り、帰還は難しいという現実。子供たちが安全に暮らせるには、まだまだ多くの課題が山積している。

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