乗客のプライバシーは? 2020年までに山手線の全車両に防犯カメラ設置

2020年の東京五輪を見据え、山手線の全車両に防犯カメラを設置

カテゴリ:国内

  • 2015年の東海道新幹線放火事件を契機に一気に設置の機運が広がる
  • JR東日本は「犯罪や迷惑行為、テロへの備えについて、鉄道事業者に求められるレベルが上がってきている」と説明
  • 映像を扱える社員を限定し、目的外使用や捜査機関以外への提供しない。

迷惑行為の防止、東京五輪を見据えたテロ対策を視野に

JR東日本は今月6日、2020年までに山手線の全車両に防犯カメラを設置すると発表した。5月に本格導入が始まった山手線の新型車両「E235系」が対象で、来年春から順次取り付ける。痴漢などの迷惑行為の防止のほか、3年後の東京五輪を見据えたテロ対策にも役立てる。

防犯カメラは各車両に4台設置。ドアの上にある運行情報などを表示するディスプレーの横に埋め込む。電車が運行している間は常時録画する。乗客にカメラが作動中であることを知らせるステッカーも掲示する。

総事業費は約20億円で、2020年までに全50編成550両への設置を完了する。

R東日本の在来線では埼京線に続いて2例目だが、埼京線では混雑が激しく痴漢被害の報告が多かった1号車のみの取り付けで、全車両を対象とするのは初めて。

東海道新幹線の放火事件を契機に設置の機運広がる

これまで電車内の防犯カメラ設置が進んでいなかったのは、車内での様子が常時撮影されることに対し乗客のプライバシーの観点から懸念の声があったため。

しかし、2015年6月の東海道新幹線の放火事件を契機に防犯カメラ設置の機運は一気に広がった。新幹線ではJR東日本、東海、西日本の路線に導入が始まり、在来線でも東急電鉄や東京メトロなどが全車両に設置する方針をすでに発表している。

市民権得た防犯カメラ 犯罪抑止への期待感も

JR東日本は今回、山手線の全車両に防犯カメラを設置することに、「犯罪や迷惑行為、テロへの備えについて、鉄道事業者に求められるレベルが上がってきている。プライバシーの保護には万全を期す」としている。

JR東日本は、乗客のプライバシーに配慮し、映像を扱うことができる社員を限定して管理を徹底する他、目的外の使用や警察など捜査機関以外への提供はしないとしている。

プライバシーの保護というところが本題になるが、防犯カメラは市民権を得て、犯罪抑止への期待感もある。

JR東日本は今後、山手線だけでなく首都圏の他の路線にも防犯カメラの設置を検討する方針。

(執筆: 土門健太郎 )