朴大統領スキャンダルで、日韓関係は悪化する!?

朴槿恵大統領スキャンダルと日韓関係には深いつながりがある。

カテゴリ:ワールド

  • 10月末に「日中韓」会議が開催された
  • 韓国側も「日本との新たな関係」を築こうとしている
  • 朴槿恵大統領のスキャンダルで風向きが変わる可能性も

私は経済担当なのでやや門外漢的な文章になりますが(少しだけ韓国・ソウル臨時の特派員として駐在したことがあります)、10月末に日本、中国、韓国の新聞、テレビの論説委員、解説委員が集まって、歴史問題、経済、安保問題などを話し合う会議に出ました。

出席していたのは、韓国、中国ともに論説や解説、編集を担う幹部の方々で、昨今のこの3ヶ国に絡む問題で忌憚ない意見が交わされ、勉強になりました。

日韓の議論では、昨年(2015年)末の、いわゆる“慰安婦問題”での解決合意(“慰安婦問題が最終的で不可逆的に解決され、「和解・癒し財団」への日本政府からの10億円拠出等)などが論点になりました。
意外に思ったのは韓国のメディアの人たちが「社の編集方針を外れて個人の言論人としての発言」としながらも、いわゆる”慰安婦問題“について、韓国側は様々な点で日本による植民地支配の歴史があったために”私たちは歴史上被害者“だという立場はあるものの、昨年の戦後70年の節目の動きを起点に日本と韓国間で新しい地平を築くべきだ、という意見が出ていたことでした。

韓国政治家にとって、日韓歴史問題は政治ゲームの手法

また、韓国のメディアの人も、韓国も(場合によっては日本も)政治家たちが自分たちの支持勢力の拡大を狙い、世論迎合的に、歴史問題をことさらに取り上げることもあるという懸念していました。

現在は、ネット上での匿名の言論空間が広がり、その言論空間でのやり取りが韓国の国民世論に影響力を持ち、本当に根拠があるかどうか深い背景の認識もなく、”気分“で世論のうねりが広がってしまうということへの懸念も示されました。
この点は、日中韓、異口同音に懸念の意見が出され、既存メディア(”オールドメディア“と表現される場合もある)である、新聞、テレビという報道機関の今後の新たな役割も大事であるということもほぼ意見が一致しました。

(中国と韓国のメディア言論人のやり取りでは、北朝鮮のミサイル問題を巡っての、米軍の最新鋭地上配備型ミサイル迎撃システム、THAAD[サード]の韓国配備に関して、中国の人民日報の姉妹紙と言われる「環球時報」の社説に、韓国政界の要人の中国往来禁止や政治家家族が関係する企業の中国入国制限などの意見が示されたことで、韓国、中国もネット上で両国の国民感情が異常に”炎上“しまくったことなどもやり取りされていました)

朴槿恵大統領がもしも辞任したら…

さて、日韓関係に戻ると、韓国ではメディアの論説等で一部、”慰安婦問題“を含め、歴史問題等を、根本的な認識、意見、解釈の違いはあるとしても、21世紀はバランスの取れた建設的な方向を考える、という雰囲気も出ている可能性がある中、昨今の朴大統領の親友が大統領の内部文書を受け取っていたとされる(朴大統領が渡した疑惑?)、”チェスンシル疑惑“の今後の行方は状況によっては今後の日韓関係への影響が大きいと感じます。

朴大統領が大統領の残り任期を1年強残して、レイムダック化していくであろう中、来年12月の大統領選をにらんだ韓国政界の与野党または次期大統領を狙う勢力の戦略、戦術において、国内世論の歓心を買うために、またぞろ、日韓の”歴史“を政治利用してキャンペーンの中で喧伝されていく恐れはないかという点です。

韓国側には”慰安婦問題”の「最終的不可逆的な解決」が口頭での確認だったという点、「日本政府の法的責任は解決されていない」という見方で批判的な意見もあるからです。

韓国の言論人との会議で感じた、これからの日韓関係は建設的でバランスを考えていくべき、との流れも出始めている中、現職大統領のスキャンダル疑惑の行方、今後の展開はとても心配です。