中谷元 前防衛大臣が語りつくす、米トランプ政権下の安全保障

トランプ次期米政権下で日本の安全保障がどうなるのか? 中谷元 前防衛大臣が 生出演で人事を含め全てを解説

カテゴリ:ワールド

  • 中谷元 前防衛大臣が次期トランプ政権下での人事・安全保障を分析
  • TPPが実現しないと「安全保障面でも喜ぶ国がある」
  • トランプ氏当選以来、北朝鮮はミサイルを発射していない理由

中谷元 前防衛大臣:
TPPについてはトランプさんにわかってほしかったですね。でもあれは選挙事情なんです。ミシガン湖周辺のベルト地帯、自動車工業も盛んでそこの労働者にTPPやめますと言ったからこれはやめざるをえないんです。

能勢:
もうそこはどうしようもないのですか?

中谷(以下敬称略):
それは外務省をあげて対応していると思いますからまだわかりません。
アメリカが抜けるとGDPが大きいから発効できなくなるのでTPP全体にとって大問題ですから。環太平洋で結束を固めましょうということなので安全保障面でもこれができなくなると…喜ぶ国があるんですよね。
トランプ次期大統領はアジアの重要性はよくわかっていると思います。東シナ海や南シナ海においても中国の活動なんかはとんでもないと言っていますし、北朝鮮の核の脅威に対しても意識が高いです。大統領就任までにはしっかりした考えを得られると。

能勢:
トランプ政権の北朝鮮に対する姿勢はどうなると見ていらっしゃいますか?選挙期間中は金正恩委員長に会ってもいいとトランプ氏は言っていたと思いますが。

中谷:
いま非常に奇妙な現象があります。北朝鮮の弾道ミサイルはもう今年20発以上発射されている。ところがトランプ氏が次期大統領に決まってから一発も打っていません。アメリカの様子を見ているんでしょうね。

岡部:
たしかに、最近ないですね。ムスダンもこないだ失敗して以来打っていません。

中谷:
もう一つ理由があります。韓国の朴大統領の問題で、アメリカに寄りの朴大統領を韓国の国民が追い詰めているという時に今ミサイルを発射や核実験をすると北朝鮮の方に目が行っちゃうからということもあるのかなと私は個人的には思いますが。

能勢:
一方、中国に対してはどうでしょうか、ビジネスマンだった人が中国の国家戦略、海洋進出に対してどういう見方をするのかということですが…。
南シナ海でいうとフィリピンとアメリカの関係はどうでしょうか。

中谷:
さきほども言いましたがとトランプ氏は南シナ海においては中国の行動はとんでもないと選挙中にも言っています。国際法に従った行動をすべきだと基本的には思っているでしょう。
フィリピンのドゥテルテ大統領はすごい言葉をあびせましたけれど、あれはオバマ大統領に言った言葉です。私なりに想像すると麻薬とか銃をフィリピンから一掃したいというのがドゥテルテ大統領の一番の仕事なんですね。それをアメリカから人道主義論とか言われると自分のやっていることが徹底しない。そういう苛立ちがあったんじゃないでしょうか…。今後、ドゥテルテ、トランプ両大統領が直接会って話をすれば気の合う仲間になると思います。

ドゥテルテ大統領はフィリピンの中で一番日本人の多い町で育っています。日本に対して親近感を持っていて安倍首相とも話をして今後も非常にいい関係が作れると思っています。
ドゥテルテ大統領は官邸でこう言っているんです。「安心してください。時が経てば私は日本側に立ちます。今は言えませんけど」と。そういう気持ちは持っていると思いますよ。今は言えないんですよ、彼は。

トランプさんの外交姿勢は「力による平和」と言っていました。これは何かというと、まず国内の経済をしっかりしてアメリカ自身が力をつけて、外に貢献するんだと。
最初は仕事がしやすいように国内での人の掌握、環境づくりということでやっていくのでしょう。

今、アメリカだけではなくイギリスもEU離脱と、内向きになっていますし中東もコントロールできない状況。こういう状況だと昔はアメリカとソ連~ロシアが話し合ってうまく収めてました。バランス・オブ・パワー。このパワーというのは軍事力なんですね。
そのバランスが欠如しているので非常に危ないなと感じています。一日もはやくこの力の均衡、世界の秩序が整うような体制を築くべきだと思います。

(文責:松島 スタッフ:能勢・中西・北原)

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