MUSDAN VS SM-3 Block ⅡA 中谷・前防衛大臣が徹底解説

中谷元・前防衛大臣が徹底解説するムスダンに対応できる迎撃ミサイルの詳細

カテゴリ:国内

  • ムスダンを想定した弾道迎撃ミサイルを日米が共同開発、初の迎撃試験に成功
  • 日米共同開発の「SM-3ブロックⅡA(エス・エム・スリー・ブロック・ツー・エー)はムスダンの様な1,000㎞を超えて落下してくるミサイルを迎撃
  • ゲストの中谷元・前防衛大臣が日本の安全保障について2時間語りつくした

小山: 次は、日米共同開発の弾道弾迎撃ミサイル「SM-3ブロックⅡA」が、初めての迎撃試験に成功した件です。
 初めての迎撃試験は、日本時間の4日夕方に アメリカのハワイ州で行われ、PMRFミサイル試射場から打ち上げた準中距離弾道ミサイル標的を、海軍の弾道ミサイル防衛試験用イージス艦ジョン・ポール・ジョーンズから発射した「SM-3ブロックⅡA」で 迎撃することに成功したというものです。
「SM-3ブロックⅡA」は、1000キロを超える高度から日本に向けて落下してくる北朝鮮の弾道ミサイル 「ムスダン」を迎撃するために日米共同で開発を進めていました。 中谷さん、これで、ムスダンは怖くないってことですか?

中谷・前防衛大臣:そうですね。パワーアップして防護範囲も拡大、撃破能力も向上しました。高度においても迎撃能力がアップし、いわゆるロフティッド軌道という非常に高い高度に上がって高速で落ちてくる状況にも対応可能。もうひとつはデプレスト軌道低く打ってくるという可能性もあります(図下)。最終的に実験を終えて生産段階に入りますのでそういう新しい状況にも対応しうるようにやっていくと思います。

能勢:北朝鮮はまだデプレスト軌道での試験はやってはいないようですが、あまり低く飛んでくるとSM-3シリーズというのは基本的に大気圏外での迎撃をするものなので・・・SM-3は高度100㎞以上の空気が薄いところを目指す、日本はまたPAC-3を持っていますがこれは高度が低いところ・・・そうするとこの中間のところをムスダンが飛んできたらどうするのかということもありますね。

小山:ムスダンを撃ち落とすのに既に日本に配備されてえいる迎撃ミサイルではだめということなんですか?



中谷・前防衛大臣:そうですね・・・しかし日米で協力して連携しますので効果的な対応を実施できればいい。

能勢:中谷さんが防衛大臣だった時に北朝鮮はムスダンを初めてロフテッド軌道で打ち上げました。あの時は水平距離で400㎞、高度は1,000㎞以上で北朝鮮の発表では1,413㎞。SM-3シリーズは弾頭のスピードが遅くなる弾道の頂点の近くを狙いますから大気圏外での迎撃を目指して設計されているということになります。海上自衛隊のイージス艦に搭載されているSM-3ブロックⅠAとかアメリカ海軍のイージス艦に搭載されているSM-3ブロックⅠBでは高度300㎞前後とも言われていますのでムスダンが1,000㎞以上に到達するとなるとSM-3ブロックⅠA、ブロックⅠBでは無理と・・・したがってSM-3ブロックⅡAということになる。
それで防衛省は今回成功したSM-3ブロックⅡAの迎撃試験前に概算要求にしっかり予算を乗せていました。

中谷・前防衛大臣:共同開発してきましたからね。いよいよ生産段階に移行すると思います。
弾道ミサイルを落とすのは二つしかないんですよ。SM-3とTHAAD。ですからどうするのかというのは防衛省の中で検討会が立ち上がっています。

小山:ムスダンってどれくらい数あるんですか?

中谷・前防衛大臣:これを打ち出すのはTELという移動式発射台、車なんですね。この車の数が最大50両と言われていましてミサイル本体の数は70から100程度以下と推測されます。これは中・長距離の数でテポドンも入っていますが複数発射可能ということです。SM-3ブロックⅡAは平成29年度に開発終了、配備はそのあとということです。それまでは今のシステムということになりますがTHAADミサイルはアメリカは今グアムにあるんですよ。あれも車で移動式のミサイルで日本にはXバンドのレーダーが青森県車力と京都府京丹後にあります。THAADの発射に当たっては条件整備が必要で今、韓国の発射する場所の候補にロッテが持っている土地が候補にあがっていますが今の大統領のスキャンダルでロッテの関係も出てきていますので、そちらは不透明な状況です。
(文責:松島 スタッフ:能勢・中西・北原)

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