ズバリ、北朝鮮の新型ミサイルは迎撃可能か?

ミサイル防衛の専門家、能勢伸之解説委員と軍事評論家、岡部いさく氏が徹底分析する

カテゴリ:国内

  • 「北極星2型」は移動発射装置がキャタピラ式、固形推進剤とコールド・ローンチ方式により5分で発射準備可能
  • 射程はノドンとほぼ同じだが、機動性が増し対処が難しくなる
  • 2月22日から海上自衛隊と米海軍は、弾道ミサイル対応と日米部隊間の連携そ想定した共同訓練を実施

小山ひかる:結局、北朝鮮の新型のミサイルについて一番気になることは、このミサイルから日本を守ることができるのか?ということですよね。

岡部いさく:射程がノドンとほぼ同じ・・・ということはSM-3ブロックⅠAでも迎撃は可能ということでしょうか。

能勢解説委員:海上自衛隊の持っているSM-3ブロックⅠA、それからアメリカ海軍の持っているSM-3ブロックⅠBで対処は可能でしょうと、海の上でですね。さらに地対空誘導弾のPAC3もありますが、ロフテッド軌道で飛来する弾道ミサイルに対応できるか未知数です。

岡部:能勢さんが説明したように、移動式の発射装置TEL(テル)が無限軌道(キャタピラ式)になって舗装道路以外から撃てるようになり、個体推進剤かつ、コールド・ローンチということで、「どこから」「いつ」撃ってくるかということがノドンよりもはるかに判り難くなったわけですよね。
今までノドンだったら多分このあたりから撃ってくるだろうという場所とは違う場所から撃ってくる可能性があるわけでしょう?そこで対処をどうするかですよね。

能勢:北朝鮮側からすると個体推進剤を使うことになると、打ち上げは相当楽になるんです。個体推進剤の場合はミサイルの筒に燃料になるものと酸化剤をねり合わせてそれを内側にべったりと張り付けてそのまま保管してある。それに対し液体の場合はミサイルに燃料になるものと酸化剤を別々に注入しなくてはならず、一旦注入してしまうと何日以内に発射しなくてはならないというのがありますから、それを考えると個体の方が扱いは楽、かつ今回コールド・ローンチを実現してみせました。

今、映っている写真は発射したあとの画像なんですけれども、TELの筒の内側の色を見てみると外側とあまり変わっていないですね。ということはあまり焦げていないということで、最初にミサイルを空中にポーンと出したあとで噴射するコールド・ローンチが実現したということになります。これは赤外線で弾道ミサイルを発見+追尾する衛星からしても遅れをとるので厄介です。

岡部:イージス艦による弾道ミサイル迎撃の話なんですが、2月22日から26日まで海上自衛隊とアメリカ海軍の間でBMD特別演習というのをやるそうなんですよ。
これは港にいるイージス艦同士でデータをつないでミサイル迎撃を想定したシミュレーションや日米部隊間の連携の訓練をやるんですが、こないだ私が横須賀港のベンホールドを取材した時にもその話が出ました。
ベンホールド自体もベースライン・ナインCの船なんで当然BMD能力があるわけで、防空能力の話の時もDWESの話が出ました。

小山:ミサイルが連射されてきたような時に、どの位置のイージス艦が迎撃ミサイルを撃ったらいいかとか「あなたはこれを撃ちなさい、あなたはこれを撃ちなさい」というように無駄撃ちをなくすやつですよね?

岡部:そうそう。発射にあたってはもちろんシャイローにのっかっているBMDコマンダー:ミサイル迎撃の指揮官がやってもいいし、DWESが自動的に指令を送ってくることもできる。
そのベンホールドなんですが、今、横須賀の米軍基地で整備中なんです。艦長さんに言わせるとモダンナリゼーション、近代化だって言うんで「ナインポイントC1からC2になるの?」と聞いたら、「これはナインポイントC1の範囲内での改良です」と言っていました。
(文責:松島 スタッフ:能勢・中西・北原)

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