嘉手納に12機配備のF-35A戦闘機はどこが違うのか?

米太平洋空軍が最新鋭ステルス戦闘機F-35Aを沖縄・嘉手納基地に12機配備と発表

カテゴリ:テクノロジー

  • 岩国基地に配備されたF-35Bと異なり、F-35Aは25㎜機関砲を機内装備、200ポンド爆弾(約900㎏)積載可能でさらにステルス機としての機能を発揮
  • ヘルメットのディスプレイはパイロットが下や後ろを向くと機体が透過したように見え、そこに高性能センサーの情報データも投影される
  • 今回の配備発表は来月5日からの米トランプ大統領の日本・韓国・中国訪問のタイミングでの“北”に対するさらなる抑止の狙いも

アメリカ太平洋空軍は、最新鋭のF-35AライトニングⅡ・ステルス戦闘機(タイトル写真)12機を来月2017年11月から6か月間、沖縄・嘉手納基地に配備すると発表した。
先週ソウル近郊で開催されていた「航空宇宙・防衛産業展示会 ADEX2017」でF-22Aとともに2機のF-35Aが展示されていたが(写真下)、その2機がまず嘉手納にやってくるようだ。

F-35Aは既に岩国基地に配備されている米海兵隊のF-35Bにはない、25㎜機関砲を機内装備している。
従って敵側にすればステルス機ゆえにレーダー上は何もない空間からいきなり機関砲が飛んで来ることになる。
また航空軍事評論家の石川潤一氏によるとF-35Aは、F-35Bには積載できない2,000ポンド爆弾(約900㎏)が積載可能で、有事の際は敵レーダー上では何もない空間から、突然爆弾が現れて落下し深さ10mに及ぶクレーターを作る破壊をもたらすこととなる。
一方岩国配備の海兵隊のF-35Bの場合は機関砲は機内装備していないものの短距離離陸・垂直着陸が可能という利点があり、強襲揚陸艦にて搭載・運用が可能となっている。
F-35に共通の特徴としては機体のいたるところに赤外線センサー、光学センサーが配置されていて、その情報の集約としてヘルメットにヘッドマウントディスプレイを採用している(写真下)ことがあげられる。

これによってパイロットの向く方向の状況がデータとともにヘルメットの中に映し出され、例えばパイロットが下や後ろを向いたりした時にも機体を透過したように視界が開けて見える。
このセンサーは1,000km先の模擬弾道ミサイルの発射も捉えたという。ただしこの能力に対応するソフトウェアが開発されたという情報は入っていない。
さらに敵のレーダーの妨害も可能とのことで、この先も私たちが使うパソコンやスマートフォンのハードとソフトがヴァージョンアップしていく様に、F-35は進化を続ける戦闘機と言うことができる。

11月5日からはトランプ大統領が日本・韓国・中国を訪問する予定で、米空軍によるF-35A初めての嘉手納基地配備はそのタイミングでの北朝鮮の挑発を抑止する狙いもあるだろう。
(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)

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