細い稲の穂のような「竹の花」

「120年に一度しか咲かない」と言われる、竹の花。
兵庫・神戸市内で撮影された開花の映像が、FNNビデオPostに届きました。

クリーム色をした、細い稲の穂のように垂れ下がっているのが、竹の花。
投稿者の夫が、5~6年前に購入し、自宅庭で育てていたものから開花しました。

初めて見る現象に、投稿者もびっくり。
しかし、なぜ竹は、120年に一度しか咲かないのでしょうか?
竹の生態にくわしい「兵庫県立 人と自然の博物館」主任研究員の橋本佳延さんに話を聞きました。

「めったに起こらないことが起こっている」というたとえ

ーー120年に一度というのは本当?

「120年に一度」というのは、「めったに起こらないことが起こっている」というたとえですね。
竹は、開花の周期が人間の寿命より長いので、同じ個体の開花を継続して観測することが難しいため、開花に関しては、実際はわからないことが多い植物なんです。
一斉開花の引き金となる原因については、まだ科学的に解明されていません。
部分的に開花する現象は時々見られ、一説として、切られたり、環境の変化などの外的ストレスが影響し、開花しているといわれています。

ーー開花期間は?

咲いている期間は、数日だけです。
竹は、種類によって異なりますが、花が咲いたあと、地上に出ている部分はすべて枯れてしまいます。
過去の記録では、1970年前後に栽培されていた国内の「マダケ」が、数年にわたり、一斉に開花した結果、全国的な竹不足が起こったことがわかっています。


ーーこの映像の竹は、今後どうなるの?

この竹は「マダケ」の仲間で、花は満開を過ぎている状態です。
今後は次第に枯れていくと思われますが、地下茎が生きている可能性があるため、来年、タケノコが出てくるかもしれませんね。

竹の開花は「不吉の象徴」? 

この記事の画像(2枚)

前述の橋本さんによると、「一斉に開花し、枯れることから、『不吉の象徴』といわれることもありますが、科学的根拠はありません」と、指摘する。

また、映像の投稿者が開花に気がついたのが、ちょうど5月12日の「母の日」だったそう。
「大往生という意味もあるらしいので、98歳になる母を祝って咲いてくれたように感じて感激しました」と、話してくれました。

「120年に一度」というわけではないようですが、とにかく珍しい竹の開花。
「不吉の象徴」でもないそうなのでご安心を。

FNNビデオPost
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