教育とITをかけた「エドテック」
教育(エデュケーション)とIT技術などの(テクノロジー)をかけた「エドテック」とい う造語が最近使われてる。農業やものづくりの現場で活用されるIT技術だがその波は今、教育現場にも及んでいる。新潟県内での「エドテック」の取り組みと課題を取材した 。
新潟大学教育学部付属新潟小学校。
5、6年生の社会の授業が行われている。子供たちの机の上を見ると、全員の机の上にタブレット端末が置かれている。
1人1台、タブレットを所持。教育にIT技術を取り入れる「エドテック」を実践。
一部の学年を除き1人1台タブレット端末を持ち授業で活用している。
こちらの教室では「日本の気候はなぜ場所によって違うのか」という課題に対し、子どもたちが教科書やインターネットを活用し自分の考えをタブレットにまとめている。
先生:
回答共有します。いいですか。これから共有したら『見たいな』という人のがあれば教えてください
生徒:
あかりさんのが気になります
先生:
全員あかりさんのを開けますか
生徒:
はい
これまではクラスメイトの考えを共有する際、資料をまとめて印刷したりノートを見せ合ったりと時間がかかっていたが、タブレットを使うことでその場で共有することができ る。
生徒からは「他の人の考え方をipadで見るのも便利だし、すぐに調べられるのはいい。私が考えていることと全然違う考え方でいろんな視点から探せるのでいい」との声が聞かれた。
教師の働き方改革にも
タブレット活用の効果は他にも…
新潟大学教育学部付属新潟小学校・八幡昌樹指導教諭:
例えば社会科で写真の資料を印刷して切って配っていたことが、タブレット上で教師の手元で操作したものを子供にすぐ配れるのが便利で仕事の量が減っている
準備する物が減り教師の働き方改革にも繋がっているという。その使い方は社会科だけでなく図工の授業や運動会のダンス練習までさまざまだ。
新潟大学教育学部付属新潟小学校・八幡昌樹指導教諭:
ゲームのアプリを入れてゲームをすることは、やっていけないこととして保護者や子どもと 共通理解をはかっている。あくまでも学習の道具として使っている
エドテックで成績が伸びた
一方、このエドテックで成績を伸ばしている学校がある。県立津南中等教育学校だ。
学校で40台のタブレット端末を管理し、主に英語の授業で使用している。
使っているのはリクルートが開発した「スタディサプリイングリッシュ」という教材。
外国人教師との会話練習中、他の生徒が待ち時間にこの教材で学習を進めている。
英語を聞いてその内容に関する質問に答える課題やスピーキングの評価まで!
レベルは7段階に分かれていて子どもたちは自分に合った問題を解いていく。
津南中等教育学校英語科・松井市子教師:
今までテクノロジーがない場合、英会話のやりとりをやっている間に待っている生徒が何もすることがなかったり、私たちがプリントを用意するんですけどプリントが自分に合っていない難しいものであったり、もしくは簡単すぎてすぐ終わっちゃったりという課題があったんですけど、こういうものを使うことで自分に合ったものでその時間を有効的に使える
さらに生徒たちは自宅のパソコンでも同じ教材で勉強していて、教師が生徒の自主学習の状況や、どのレベルにあるかを把握することも可能で指導に役立てることができる。
この結果…
津南中等教育学校英語科・松井市子教師:
リスニングだけ、ずばぬけて伸びた
こちらはGTECというテストをもとにした中学3年生のリスニング能力。
2018年6月のスタディサプリイングリッシュ導入後、約半年で英検2級レベルが2人から13人に増え反対に3級から5級レベルが26人から11人に減った。
生徒からは「耳を鍛えることで英検準2級リベンジできた。わかるようになってくるので、楽しいと前より感じるようになった」との声が聞かれた。
津南中等教育学校英語科・松井市子教師:
私たちの英語が遅く感じると生徒たちが言いはじめた。スタディサプリイングリッシュを家でやっている子が増えたのも要因かなと思ってます
塾でも導入されるエドテック
そしてこの教育とテクノロジー、「エドテック」の波は塾にも。
2月に開校した個別指導型塾ノートスプレイズ女池校。
講義はなんと動画で見るスタイルだ。
さらに生徒がプリント問題を解くと…
ノートスプレイズ女池校 大塚厚代表:
データ入力しておくので戻って続きをやってください
生徒が解答したプリントの正解・不正解を講師がパソコンに入力すると…
新たなプリントが出てきた。
ノートスプレイズ女池校 大塚厚代表:
先ほどの理解度が高かったので、さらに理解度を上げるための問題が出力される
ーー問題設定は誰が考えている?
ノートスプレイズ女池校 大塚厚代表:
AIが今までの彼女のデータを基にやった方がいい問題を出している
プリント問題の結果をもとにAIが各生徒の弱点や理解度を分析し、さらに力をつけるための最適な問題を作成する。
また問題を繰り返し解くことで教科内容別の具体的な理解度もAIが評価。
効率よく学ぶことができる。
ノートスプレイズ女池校 大塚厚代表:
(AIがないと)各先生が1人1人にあった問題を考えるので時間がかかってしまうし、先生のレベル差もでてしまう
それでもわからない所は講師が直接サポートする。大塚代表1人で塾を運営できているのも、こうしたシステムがあるからこそだ。
生徒:
自分で分からなかった所以外も(弱点を)機械が見つけてくれて、後で復習しやすい
ノートスプレイズ女池校 大塚厚代表:
AIを使って能動的に勉強していけるようにしていくスタイルにしていけたらと思ってます
さまざまなツールを使って効率よく学びを深めるエドテック…
子供の教育環境はますます変わってきいそうだ。
(新潟総合テレビ)