日々決断を迫られる、Canon(中国)有限公司トップの“最後の拠り所”とは

日々決断を迫られる企業のトップ。直接経験したことのない分野も含め即断即決が必要です。迷った時に決断の決め手となるのは何なのか、危機に見舞われた時はどう行動すればいいのか。Canon(中国)有限公司の小澤秀樹社長がトップの決断を語ります。

カテゴリ:ビジネス

  • 小澤社長は、世代別マーケティングで中国市場に切り込む
  • 迷ったときの最後の拠り所は自分自身。「お前はどちらをやりたいのか」
  • 決断したらあとは、運。「運」は友達と同じで、明るく積極的な人に自ずとついてく

世代別マーケティングで中国市場に勝機あり

中国経済は「新常態」と言われる中低度成長時代に入りました。
一方、所得水準や教育水準は上がり続けています。

「やり方一つで、企業は成功組と失敗組に分かれる」

小澤さんはこう指摘します。特に注目しているのが、次の点です。
「80後・90後世代(1980年代・90年代生まれ)とシニア世代の消費感覚の差」

世界的にインターネット通販の普及が目覚ましい中国。
中でもスマホや電子マネーを使いこなす80後・90後は、新しいマーケットを作っていく世代です。

一方、シニアはスマホやネットをさほど使わず、時間とお金に余裕がある。
キヤノンから見れば、シニア世代は高級カメラを購入する可能性が高い人たちです。

シニアが買いたいものとは何なのか。
「ブランド力があって、持っていて自慢できるもの」
そんな製品を出せれば、中国市場はまだ伸びる可能性を秘めています。

反日デモ、SARS……危機をチャンスに変える

海外赴任中、数々の危機に直面してきた小澤さん。
2012年の尖閣諸島をめぐる反日デモの際、社内は緊張感に覆われたと言います。
売上に影響が出て、政治問題を口に出すのは避ける雰囲気がありました。

しかし、小澤さんはあえて問題を提起しました。
「会社が危機に陥っているのだから全社員が問題解決に向かって一緒に頑張るべきじゃないか」
これに中国人社員が応じました。
「会社が困っている。我々が助けますよ」

小澤さんは香港勤務時代の2003年、新型肺炎(SARS)の大流行にも直面しました。
当時、香港では都市機能が停止状態に。
しかし小澤さんはこの時、「香港加油」(香港ガンバレ)の大きな看板をあちこちに掲げ、香港を応援。
これによって香港市民の間に感動が広がりました。

小澤さんは、あえてリスクを取ることで、危機をチャンスに変えてきたのです。
それを「全て自分の信念」だったと振り返ります。
会社の上層部のことだけを考えているなら、何もせず、じっとしていた方が賢明だった――。

「でも、これをやらなかったら、今までやってきたことを否定することになる」

迷った時は「自分はどちらをやりたいのか」

キヤノンアジア全体のトップとして日々決断を迫られている小澤さん。
小さな事象から、勤務経験のない部門のことまで、あらゆることに対して即断即決を迫られます。

迷った時、最後の拠り所は?

「自分の信条・人生観・経営哲学。つまり『お前はどちらをやりたいのか』。これに尽きます」

決断すれば、あとは運。運が味方してくれればいい方向に進む。

しかし、運は人間の努力ではどうにもなりません。
どうすれば、強運を呼び寄せられる?
その答えは――運と友達の関係。

「明るく、積極的な人には友達も集まる」
「運も、そんな人についてくる」