検察が「大統領共謀」認定、100万人デモ…それでも朴大統領が辞めない理由

韓国の検察が朴槿恵大統領の友人・崔順実被告ら3人を職権乱用などで起訴し、朴大統領の共謀も認定した。大統領への退陣要求は高まるばかりだが、朴大統領は「辞める理由がない」と突っぱねている。大統領の強気の裏に何があるのか?

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  • 検察が「共謀」認定…憲政史上初の“容疑者”大統領
  • 特別検察で無実明かす…検察聴取は拒否、弾劾も辞さず
  • 隠れパククネが存在?保守層結集へ布石…強気のワケ

検察が「共謀」認定…憲政史上初の“容疑者”大統領

韓国の検察が予想を超える厳しい対応を示した。
一連の国政介入疑惑で友人の崔順実被告、大統領府前首席秘書官の安鍾範被告、同前秘書官チョン・ホソン被告と大統領の共謀を認めたのだ。

「企業会長らと単独面談をする予定だから、日程を決めなさい」
「(崔被告に)文化財団を作るので財団の運営を面倒みてください」
「財団の名前は韓国語の固有語で龍を意味するミルにしなさい」

起訴状には大統領の指示が多数記載され、財閥会長らに直接財団への支援を要請した様子などが生々しく記されている。
大統領が財団への募金や機密漏えいを主導したと取れる内容だ。現職大統領が容疑者とされるのは韓国の憲政史上初の異常事態。
大統領府側は検察の捜査は「想像と推測」で「事実ではない」と猛反発し、検察の聴取には応じられないと拒否した。
一方で、政府から独立し強い権限を持つ特別検察官の捜査で、「無実を証明する」と表明。
また、「憲法上、法律上責任の有無を分ける合法的手続きで決着すべきだ」と弾劾も受けて立つという強気の構えを示している。

無実主張、弾劾も辞さず

「国民の声を重い気持ちで聞いた。現在の状況の厳しさを深く認識している」

史上最大規模の100万人(主催者発表、警察発表26万人)が集まった12日の集会の後、朴大統領はこう述べたという。
さすがの朴大統領も心が折れるのではないか?
国民の怒りの大きさに、朴大統領の去就に注目が集まった。

集会から4日後、大統領は“退陣絶対拒否”の姿勢を鮮明にした。
大使の任命など大統領としての執務を本格的に再開。
さらに、釜山のホテル建設をめぐり政界に不正資金が流れた疑惑について、司法当局に徹底調査を指示したのだ。
この姿勢は、検察の捜査結果が出た後も全く揺らいでいない。

韓国の検察は今後も大統領の捜査を続けるとしているが、大統領は不訴追特権があり、逮捕はできない。
強制捜査も現実には困難。
今後の捜査は国会で設置が決まった特別検察官の手に委ねられる。

大統領側はこの捜査の過程で無実を立証するとしている。
起訴状に書かれた内容を徹底的に検討して、特別検察官の捜査に備えると見られる。
時間稼ぎをしながら、反撃のチャンスを狙っている訳だ。

一方、野党は弾劾の動きを加速させている。
与党議員の一部が賛成に回り、国会議員の3分の2以上の賛成を確保できる公算が出ているのだ。
大統領側はこれも受けて立つ構えである。

憲法裁判所の審理では9人の裁判官のうち、6人が賛成しないと弾劾は棄却される。
裁判官の選任は大統領に権限があり保守派が多く選ばれているため、大統領にとっては有利に働く可能性がある。
万一、可決されたとしても憲法裁判所の審理は最長180日、さらに新大統領が選ばれるまでは約8カ月が必要。
残り任期が1年あまりの朴大統領にとって、実質的に任期をほぼ満了することになるだろう。

隠れパククネを結集?

「朴大統領は我々が守る!!」

親朴派も黙ってはいない。19日には退陣デモに対抗する集会を開催するなど反撃を開始したのだ。
朴大統領の支持率は3週連続で5%。
最低水準で低迷が続いているが、朴大統領が注目しているのは自身の数字ではない。
文在寅氏や、安哲秀氏ら次の大統領候補の支持率なのだ。
彼らの支持率は朴大統領がこれだけ下げているにも関わらず、目立った伸びが見られない。
これは「隠れ朴派」=保守系支持層がまだ残っていることを意味するだろう。

大統領周辺によれば、朴大統領はもはや自身への国民の支持が回復するとは思っていないようだ。
しかし、野党への政権交代は絶対阻止するとの決意は固いという。
今、大統領を辞めれば野党への政権交代は間違いなく実現する。
これを阻止するためには、どんなに国民にNOを突きつけられても大統領の座にしがみつき、「隠れ朴派」を再結集する…それが、朴大統領が「絶対に大統領を辞めない」理由なのだ。
これまでも「頑固」、「不通=人の話を聞かない」と批判されてきた朴大統領。
強気の果てに待ち受けているのは何なのか、波乱が続く。