パリ銃撃で「イスラム国」が犯行声明…世界に多数いる「テロを起こすかもしれない人」

終わらない「イスラム国」問題

カテゴリ:ワールド

  • パリ中心部で警官3人が銃撃され、1人死亡
  • 過激派組織「イスラム国」が犯行声明
  • モスル奪還は「イスラム国」問題解決の通過点

「イスラム国」が犯行声明

4月20日夜(日本時間21日朝)、フランスのパリ中心部シャンゼリゼ通りで銃撃事件が発生し、約3時間後に過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出しました。

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ヨーロッパでイスラム国が関与したとみられるテロ事件は、今年に入ってから今回で7件目です。

フランスでは、3月18日にオルリー空港で銃撃があったばかりです。他にもイギリスでは3月22日にロンドンのウェストミンスターで銃撃、ロシアでは4月3日にサンクトペテルブルクで自爆テロ、スウェーデンでは4月7日にストックホルムで銃撃が発生しています。

イスラム国は現在、これまで最大拠点としていたイラクのモスルで領土のほとんどをイラク軍に奪われ、モスル北西部にある旧市街でゲリラ戦を展開している状況にあります。

モスル支配の現状はこちら。

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緑がイラク政府によってすでに奪還された地域、白がまだイスラム国支配下にある地域、赤がフロントラインです。

モスルがイラク政府によって完全に奪還されるのはもはや時間の問題ではありますが、重要なのはそれでイスラム国問題が終わるわけではない、という点です。

「潜在的にテロを起こすかもしれない人」

なぜならばまず第一に、イスラム国の拠点はモスルだけではなく、世界各地にあり、各々が自律的に活動しているだけではなく、一部では一定の領域支配をも実現させているからです。日本に近いところでは、フィリピンやインドネシア、バングラデシュなどにも拠点はあります。

たとえばこちらは、昨日イスラム国が出した4月20日午後のニュースのまとめですが、モスルがあるニナワ州以外に、6つの州での戦果が報告されています。

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そして第二に、イスラム国のイデオロギーに共鳴し、「潜在的にテロを起こすかもしれない人」の数は、世界的にみると「かなりいる」といえるからです。

たとえば、今回銃撃が発生したフランスに関しては、諜報がマークしている危険人物だけでも4000人はいると言われます。

また、3月にロンドンのウェストミンスターで警官や歩行者6人を轢き殺した犯人は、公式な「イスラム国戦闘員」ではなかったものの、そのイデオロギーに共鳴し、その呼びかけに「インスパイアー(感化)」されてテロを実行したとみるのが妥当です。

スウェーデンの首都ストックホルムでの事件の犯人も、「インスパイアー」系でした。

一大拠点であるモスルをイスラム国から奪還することは、イスラム国問題解決の上では欠かせない重要なステップではあります。しかしそれはあくまでも「通過点」にすぎず、問題の本当の「解決」は、先がみえないほどまだ遠くにあります。


(執筆:Iiyama Akari)