金正恩氏がトップ就任5年…「アメリカを一瞬で粉砕」シリア攻撃でも強気のワケ

11日、最高人民会議(国会)開催

カテゴリ:ワールド

  • 金正恩氏排除も…アメリカの「選択肢」
  • 先制攻撃を実践に…北朝鮮が威嚇
  • 記念日ラッシュ…次なる挑発は?
鈴木款 Reporter Apr 11, 2017

アメリカ軍がシリアのアサド政権に対する軍事攻撃を断行した。武力行使が口先だけではないことを示したトランプ政権。核ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する痛烈な警告ともなった今回の攻撃を金正恩氏はどう受け止めたのか?

金正恩氏排除も…アメリカの「選択肢」

北朝鮮への対応が焦点の一つとなっていた米中首脳会談。両首脳は国連の対北朝鮮制裁の完全履行で一致しましたが、トランプ大統領は中国の協力が得られなければ、「アメリカが独自の行動を取る」と強調しました。トランプ政権では北朝鮮への対応について「すべての選択肢がテーブルに置かれている」とし武力行使も含めて検討してきました。

具体的にどのような選択肢が検討されているのでしょうか。
アメリカのNBC放送は、米中首脳会談に先立って開催された国家安全保障会議(NSC)で3つのオプションが示されたと報じました。

①韓国への核再配備
 ②金正恩除去作戦
 ③特殊部隊の派遣

金正恩氏除去作戦や、特殊部隊の派遣による軍事施設破壊は全面戦争につながる恐れもあります。中国やロシアの猛反発も予想されます。いずれも大きな決断を伴う選択で、アメリカ国内でも反対意見が少なくありません。 

こうした中でシリア攻撃が断行されました。北朝鮮に対してもアメリカが武力行使に踏み切る可能性が十分にあり得ることを示したと受け止められています。

先制攻撃の警告を実践に…北朝鮮の威嚇

北朝鮮はトランプ政権の武力行使に対し強気の姿勢を崩していません。「一部に今回の軍事攻撃が北朝鮮を狙った警告と騒いでいるが、それに驚く我々ではない」シリア攻撃をこう一蹴しました。米中首脳会談の初日となる6日には北朝鮮外務省が「備忘録」を発表。

「現在、朝鮮半島は重大な戦争状況に置かれている」「アメリカに再三送った(先制攻撃)警告をやむを得ず実践に移さざるを得なくなった」「われわれの攻撃は、米国と追従勢力の軍事対象だけを狙った精密攻撃戦になる」

逆に北朝鮮側がアメリカに先制攻撃を仕掛ける―と威嚇しているわけです。

アメリカだけでなく日本や韓国も攻撃対象になると指摘し、もし戦争になればアメリカの責任だと非難しています。なぜこんなにも強気なのでしょうか。

「アメリカを一瞬で粉砕できる強力な力がある」「水爆など多様化された核兵器とそれを運搬する手段もある」

核兵器やそれを搭載できるミサイルを持つ、だからアメリカは攻め込めない、と踏んでいるようです。「弱みを見せたら負け」北朝鮮の強気のウラには、金正恩氏の性格も反映されていると言えそうです。

記念日ラッシュ…次なる挑発は?

4月半ばは北朝鮮にとって重要な記念日が続きます。11日は金正恩氏が当時の朝鮮労働党トップだった第1書記に就任して5年となります。

北朝鮮メディアは今、金正恩氏の業績を宣伝しています。

 経済・核戦力建設並進路線、それに基づいた核・ミサイル開発 「人工衛星打ち上げ」名目の長距離弾道ミサイル発射 高出力エンジン地上燃焼実験の成功
…不敗の核強国、軍事大国の偉容を世界に轟かした、と絶賛です。

11日には、最高人民会議(国会)が開催されます。予算や人事に加え、核・ミサイル開発への言及も注目されます。15日は祖父の金日成主席生誕105周年。25日は朝鮮人民軍創設85週年の記念日となります。

これまでも北朝鮮は記念日に合わせて核実験や弾道ミサイル発射を強行してきました。核実験や弾道ミサイル発射をいつ実施してもおかしくない状況で、周辺国で警戒が高まっています。