「夫の指示は絶対」冷水シャワー虐待死初公判…最後の味方だった母親はDVでどう変わったのか?

カテゴリ:国内

  • 千葉県野田市で死亡した栗原心愛(みあ)さんの母親の初公判
  • 被告の夫からDVを受けていた母親は どのように裁かれるのか?
  • 「最後の味方」だったはずの母親が心愛さんを監視する立場に…

心愛さんについて聞かれると涙で声を詰まらせ…

千葉県野田市の小学4年生 栗原心愛さん(当時10歳)が虐待死した事件で虐待を止めなかったなどとして罪に問われている母親の初公判が千葉地裁で5月16日に行われ、検察側は懲役2年を求刑した。

痛ましい事件は今年1月に起きた。
小学4年生の栗原心愛さんが父親に冷水シャワーを浴びせられるなどし、自宅の浴室で死亡した。

母・なぎさ被告は夫・勇一郎被告が心愛さんに冷水シャワーを浴びせ続けるなどした虐待を止めなかったほか、自らも食事を与えなかった“傷害ほう助”の罪に問われている。

裁判官:
起訴状の中身に違うことはありますか?

起訴内容を尋ねられたなぎさ被告は25秒間沈黙…そして

栗原なぎさ被告:
はい…間違いありません(か細い声)

起訴内容を認めたなぎさ被告。続いて行われた弁護側による被告人質問では…

弁護人:
勇一郎被告との一度目の結婚から何年?

栗原なぎさ被告:
11年です…

弁護人:
DVを受けたと思っているか?

栗原なぎさ被告:
当初は思っていませんでしたが、現在、過去を振り返るとDVだったのかなと思っている…

弁護人:
勇一郎被告から『これをやって』など指示されたことはあるか?

栗原なぎさ被告:
あります…

弁護人:
勇一郎被告から言われるとどんな気持ちになる?

栗原なぎさ被告:
絶対やらなくてはいけない…という気持ちになる。

弁護人:
断ることは?

栗原なぎさ被告:
ありません…

弁護人:
なぜ断ることを思いつかなかった?

栗原なぎさ被告:
怒られると思ったからです…

そして亡くなった心愛(みあ)さんに今、何を思うかを聞かれると…
なぎさ被告は、涙で声を詰まらせ、数分にわたってほとんど何も話せなくなった。

「誰かに相談 連絡していれば良かった…」

さらに検察側とのやり取りでは…

検察官:
本当はどうしなければないけなかったのか…今思うことは?

栗原なぎさ被告:
警察に通報するかもしくは児童相談所、母、兄弟など相談、連絡していれば良かったのかなと思います…

検察官:
自分自身で止めることは難しかった…

栗原なぎさ被告:
はい…

「最後の味方」だったはずの母親がなぜ…

なぎさ被告は自身も夫からの暴力におびえる被害者だった。

16日の法廷では、栗原なぎさ被告が夫の勇一郎被告から、ひざ掛けを口に突っ込まれるなど虐待を受けていたことも明かされた。

2017年11月の学校のアンケートでは「お母さんは味方してくれる」と話していたという心愛さん。

しかし、自らもDVを受ける中で「最後の味方」だったはずのなぎさ被告に変化が…

初公判で検察側は心愛さんを監視するようになった栗原なぎさ被告が夫・勇一郎被告に送ったラインのやり取りも明らかにした。

なぎさ被告が勇一郎被告に送ったライン:
(心愛さんが)勝手に部屋から出て飲み物を取りに行った…あり得ない…『お茶ください」とか何様かと…

検察側は勇一郎被告に逆らえないという事情があったとしても、虐待を母親として容認し放置することは許されることではないとして懲役2年を求刑した。

裁判は結審し判決は6月26日に言い渡される。

加藤綾子キャスター:
この事件は単に母親が加害者であるというだけで終わりにできない部分があるという気がしていて、やっぱり父親のDV。そこで複雑な夫婦の関係とか親子の関係とかがあるんだなと、すごく難しい問題だなと思うんですが…

風間晋解説委員:
そうですね。法廷でのなぎさ被告の証言を聞いても、母親がDVの被害を受けながら、どんどん自分の感情を無くしていくプロセスみたいのが伝わってくるんですよね。しかもこれが密室で起こっていますから、やはりDVと虐待が同時に起こっている状況というのを社会がしっかり検証して、児童虐待の防止に役立てていかなければいけないと思いますね

(「Live News it!」5月15日放送分より)

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