ダンスを観よう! 自分を解放するために

そして身体の声を聴こう、自分を取り戻すために

カテゴリ:芸能スポーツ

  • いまダンス界で人気なのは様々な要素を取り入れた「コンテンポラリーダンス」
  • 「空間の魔術師」フィリップ・ドゥクフレの来日公演『CONTACT-コンタクト』
  • フレンチキャバレー的悦楽の中に肉体の美しさと可能性を観る

ダンスの世界の今

ダンスはお好きですか?

私はと言えば子どもの頃からリズム音痴、愛するキューバやブラジルに行っても右手と右足が一緒に出てしまう悲しいレベルで、うまく踊れません。一方で言葉を生業としているので言葉を使わず身体だけで表現するダンサーに畏敬の念を持っています。つまりダンスを観るは大好きです。 

今回観たのはフィリップ・ドゥクフレのカンパニーDCAの公演『CONTACT-コンタクト』。

パリ出身の振付師で演出家であるドゥクフレは1992年のアルベールビル冬季五輪の開会式でダンスとサーカス、映像を交錯させたショウを演出し世界的に有名になりました。「空間の魔術師」とも呼ばれ、現在NYブローウエイで上演中のシルクドソレイユの舞台も手掛けています。

ダンスの世界では近年、サーカスの要素や映像、世界中の民族舞踊など様々なエッセンスを融合させているカンパニーが多数あり「コンテンポラリーダンス」とも呼ばれています。そしてサーカスの世界の方も、動物の曲芸などを止めアートの要素をふんだんに取り入れた「ヌーボーシルク(=新しいサーカス)」が人気です。シルクドソレイユを観たことがある方は、雰囲気を解っていただけるかと思います。

フレンチキャバレーの愉しさ

『CONTACT-コンタクト』はゲーテの『ファウスト』をベースにダンスや歌・演奏・空中アクロバット・コメディなど様々なシーンがフレンチキャバレーの如く次々に現れます。歌や演奏、カメラ操作もキャストが行うので、いろんな意味で変幻自在な空間です。テキストにはダンテの『神曲』の要素もあり、衣装のデザインや色使いも含めフランスのエスプリに溢れていました。

もちろん、ダンスの神髄である身体性、その可能性も存分に見せてくれます。まず肉体とは実に美しいものです。そして心と身体はつながっています。しかし現代においては心と身体がどんどん乖離していると感じます。

コンピュータやスマホを1日中見つめ、頭だけを使い身体を使わなくなった私たちは、もっと自らの身体を見つめ、その声を聴く時間が必要です。だって生まれてから死ぬまで肉体はともにあるんですもの。ダンスを観ることは、そんな自分の内なるものとの会話のきっかけ、自分を取り戻し解放するきっかけになると信じています。

この公演も100分ノンストップで別の世界に連れて行ってもらえました。一言でいえば「ファンタスティック!」です。

会場の彩の国さいたま芸術劇場は、パフォーミングアーツを始め先鋭的な公演を行っています。今後も要チェックですよ!
http://www.saf.or.jp/arthall/

(10月30日、彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて)