「それって、ホント?」と言いたくなるマナー、多くありませんか?
新入社員のキャトウさんも、そんな“もやもやマナー”に悩まされるひとり。

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忙しい朝はついついノーメイクで電車に飛び乗って、そのまま職場へ…なんていう人もいるはず。
でも、それって“ビジネスマナー”としては大丈夫なの?
そこで今回のテーマは…

SNSでは、「メイクしてないと『なんで?』って聞かれる」「身だしなみとして必要だと思う」「お化粧苦手なのでいつもノーメイクです」など、意見は様々。
早速、企業などでの人材育成などでもマナー指導を行っている、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんにお話を聞いた。

西出氏:
ノーメイクが「マナー違反」など、「違反」と一般的に強い言葉では言えないことです。
 職場にてノーメイクは禁止という規則があったり、全員が不快になるのであれば、その職場ではそれがマナー違反と言えるかもしれませんが、不快にならない人も実際には存在するので、「違反」と言い切ることはできないでしょう

日本では「ノーメイクは失礼」という風潮が以前よりありますが、私が日本で社会人を経験後、31歳のときに英国のオックスフォードにいた頃がありました。当時、毎日メイクをしていたら同僚の男性から、「いつも何つけてるの?気持ち悪い」といわれたことがあります(笑)ナチュラルメイクだったのですが(笑)。

このように、メイクをしていることが、自然体ではないということで、心地よく思わない人もいらっしゃるという現実を知ることも大切なことではないでしょうか。
 

「メイク必須!」の職場でノーメイク、というのは「マナー違反」になってしまうだろうが、実際に「ノーメイクでもいいんじゃない?」と思う人がいる以上、「メイクしないとマナー違反!」と言い切ることにはならないという。


そもそも、職場でのメイク事情は色々。
ビューティーアドバイザーのような「メイク必須!」という職場に勤めている人もいる一方で、たとえば食品工場のような「メイク禁止」としている職場で働く人もいる。また、体質によって化粧品が使えない、という人もいるだろう。

「メイクをしないと失礼」という風潮があるのは事実だが、こういった背景からも、全ての人を「メイクをしないと失礼!」「メイクをしなくてもOK!」と当てはめることはできないだろう。



けれど、メイクをしないことでマイナスな印象を与えてしまってはもったいない!

西出氏:
メイクをしないと顔色が悪く不健康に見える場合もあります。

また、メイクは身だしなみのひとつですので、「きちんとしている」「清潔感がある」などの印象にもつながります。したがって、メイクをしていないと「だらしない」とか、メイクをする時間がなくて「寝坊したのかな」などマイナスな印象を与えてしまう可能性はあります。

メイクをすることで、美しく元気に見せることができます。
 

相手に「もしかして体調が悪い?」などと心配させてしまったり、「身だしなみに気をつけていないのかな…」と思われたりしては、お互いにマイナスのはず。
「メイクは必須!」ではないが、メイクをするプラスの効果を知っておくのもいいだろう。

もし「面倒だからメイクはしたくないんだけど…」と思っている人がいるならば、以下の3ポイントをおさえるだけでもメイクの“プラス効果”を取り入れられるはずだ。


西出氏:
大きなポイントは次の3つです。

1つ目は「ファンデーション」
ファンデーションをつけることで、くすみをカバーしたり、肌のトーンをあげることができます。また毛穴なども隠してくれる効果もあるため、全体的に肌を美しく見せることができます。

2つ目は「チーク」
薄くチークをおくだけで、明るい印象になります。

3つ目は「口紅」です。
口紅をつけるだけで、健康的な印象になります。以前、口紅をつけずに出社した際「顔色が悪いよ、具合悪いの?」と言われたことがありました。

とはいえ、メイクはどんどんプラスしていけば好印象もその分プラス!というわけではないので注意!
ビジネスシーンでのメイクにピッタリなのは、自分をアピールする“派手派手”なものではなく、「ナチュラルメイク」だ。

西出氏:
基本的には、自然体に魅せるナチュラルメイクをオススメします。
色味は、その人の肌色に応じて大きく「ピンクベース」か「イエローベース」に分かれます。
「ピンクベース」の人はピンク系、「イエローベース」の人はオレンジ系のチークやリップが似合います。また、ラメいりなど、光沢のあるものは、ピンクベースの人は似合いますが、イエローベースの人は似合わないとされていますので、使用するときには控えめにすると良いでしょう。

アイシャドウの色は、ブラウン系やグレー系を使用するとお顔の印象が暗くなりますので、明るく自然な印象を与えたい場合は、使用しない方が良いです。

色は、自分に合った色を使用することで、自然に素敵に魅せることができますので、お色選びを間違わないように注意しましょう。
メイクの色使いは、個人の好みもありますが、色は相手に与える印象として大きなウエイトを占めますので、自分に合う色を知っておくとビジネスにもプライベートにも有効です。



一方、男性が注意したいのは、頭髪や眉・もみあげ・鼻毛などを整えること!
ビシッと決めたいところだが、整髪料の使いすぎや匂いなどは要チェックだ。
肌が乾燥気味な人は保湿を、反対にベタベタ肌の人はウェットティッシュなどで随時ケアしたい。

さらに、最近では身だしなみの一つとして「男性もメイクを!」という風潮があるそう。
毛穴のカバーには、女性のメイクと同じくファンデーションが有効。
つけているのがわからない程度に薄くのばし、パウダーが洋服や髪についていないかチェックしたら完成だ。


マナーとは「相手の立場に立って、最低限相手を不快にさせないように思う気持ちや心、そしてそれを表現する」もの。「メイクは必須!」と思っている人も多いだろうが、その決めつけはNGだし、時代とともに意識の変化もある。
けれど、メイクには相手にプラスの印象を与える効果も。
メイクをうまく活用できれば、ビジネスの場を明るくできるかもしれない。

今回の“もやもやマナー”、ノーメイクはマナー違反ではないけれど、メイクには嬉しいプラス効果も。
無理せず自然体でいきましょう、キャトウさん。

(漫画:さいとうひさし)

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。