長時間労働は美徳ではない! 前例主義から脱却する、とらわれない発想法

電通の女性社員の過労自殺をうけ、長時間労働を美徳としてきた日本人の働き方が、大きく変わろうとしている。そこで「ビジネスのキモ」では、iPodの仕掛け人、元アップルジャパン社長で、リアルディア代表取締役社長の前刀禎明さんにお話を伺った。

カテゴリ:ビジネス

  • リアルディア代表取締役社長の前刀禎明さんにインタビュー
  • 「長時間労働は美徳」という意識が変わってきている
  • 前例主義や成功体験からの脱却が重要

前刀さんは著書「とらわれない発想法」の中で、日本の企業が前例主義や過去の成功体験から脱却するためのさまざまなメソッドを提案している。

電通の問題について前刀さんは、「長時間労働が当たり前という前例主義の企業姿勢の問題と、一つの会社しか選択肢がないような働き方の両方を変えるべきだ」という。

「高度成長期のように長時間労働で生産量が増えた時代は昔のこと。にもかかわらず長く働くことが当たり前という前例主義から逃れられない日本の企業は残念」

また、日本では過保護・過干渉な親が多く、親の敷いたレールを走る子どもたちは、外れることが許されないと思い込んでしまう。
いまの仕事が嫌でも他の職場に飛び出せない、「リセット・リスタート」できないことが悲劇につながっているのだ。

日本は、GDP規模こそアメリカ、中国に次いで世界3位だが、生産効率となるとOECD加盟国35カ国の中で22位だ。

アップルのほかにディズニーやAOLなどの外資系企業で勤務経験がある前刀さんは、外資と日本企業の違いをこう話す。

「外資は基本的に残業という考え方があまりない。時間ではなくアウトプット重視なので、結果さえ出せば会社にだらだらいなくてもいい」

では、日本の企業が生産効率を上げるには、どうしたらいいか?
前刀さんは「時間という考え方を捨てる」ことが必要だという。

「企業と個人両方が、時間という考え方を捨て、どんな価値を創造しているかを考えなければ生産効率は高くならない」

組織や個人が経験則や成功体験に縛られがちな状況を打破するために必要なのは、「常識の呪縛から逃れる」ことだと前刀さんはいう。

「例えばアップルのロゴ。正しくかける人はごくわずかだ。日常生活の中で当たり前と思っていることが、見えているようで見えていない。そういったものから解放することが大事」

そのためには、日常生活の中で小さなことを変えていくことが必要で、前刀さんのオススメは、「通勤途中、一駅前で降りてみる」ことだそうだ。

「非日常になれば、周りを観察しながら歩く。そうすると新たな発見や視点が生まれる」

朝の通勤中、一駅手前で降りて、歩きながら頭をリフレッシュ。
前例や過去にとらわれない、自由な発想法として、試してみてはいかが?