バイリンガルのお姉さんが子どもを迎えに来てくれて、自宅で英会話レッスンをしてくれるという新しいサービス。忙しいお母さんには一石二鳥だ。

お迎えシスターを運営するのは株式会社Selan(せらん)の代表取締役、樋口亜希(ひぐちあき)さん。
そして、スタジオにはお迎えシスターの押部菜生(おしべなお)さんとラビンコ・タリアさんも来てくれた。

 
 
この記事の画像(3枚)

「お迎えシスター」は、5歳~14歳が対象

「お迎えシスター」というこのサービス、具体的にはどのようなサービスか?

樋口さんーー「時間は午後4~5時くらいが多く、学童や保育園、習い事の場にお迎えに行って、帰宅してレッスンです。英語のほか、中国語など5か国語を対応しています。対象は5歳以上、14歳までです。時間は基本的に2時間です」
「子どもの興味にあわせてコンテンツを変えています。英語でサッカー教えたり、中国語でピアノ教えたり。子どもの興味を探すのが一番難しいところで、最初に親と相談して、全く英語ができない子でも5割英語・5割日本語で始めて、最終的にすべて英語になるようにします」 

お迎えシスターの押部さんは、小6から高校2年生までアメリカで育ち、大学も1年間イギリスで通ったバイリンガルだ。

担当している子どもはダンスを習っていて、押部さんもチアリーダー。一緒にダンスしながら英会話をしているそうだ。

押部さんーー「子どもは世界で通用するダンサーになりたいとモチベーションが上がっています。ロールモデルを間近に見られるのがモチベーションなんですね」

 
 

先生の特技と子どもの興味のマッチングが大切

Selanでは、先生の特技と子どもの興味のマッチングに時間をかける。

タリアさんは18歳までハワイで育って、早稲田大学に留学中。タリアさんの場合は、海外経験の浅い子どもに海外の価値観や世界観を教えるレッスンしているそうだ。 

そもそも樋口さんがこのサービスを始めたのは、幼少期の体験からだ。

樋口さんーー「小さい頃親が共働きで、『うちの娘を迎えに行ってほしい』と貼り紙をしたら、外国人やバイリンガルのお姉さんがきてお迎えをしてくれました。その経験で、世界をもっと知りたいという気持ちが芽生えて自分で勉強しました。そのモチベーションは計り知れなくて、頑張ればできるということを子どもたちに伝えたいと思いこのサービスを始めました」 

先生になるには海外経験が3年以上が条件だが、現在は平均9年だそうだ。先生の滞在先はアメリカが半分、イギリス、オーストラリアなど英語圏が7割で、ほとんどが大学生、早稲田、上智、慶応、東大で75%だという。男性の先生、「お迎えブラザー」も2~3割いる。 

樋口さんーー「レッスン後には、先生たちから動画とレポートを提出してもらい、進捗状況や子どもの英語の進度を把握しています。子どもたちには小さな達成感をいっぱい味わってもらいたいです。また、英語を勉強してこの先何が待っているのか、自分たちはどうなれるのか、ロールモデルを見せるのを意識しながらレッスンを組み立てています」 

今後は、教育と科学を掛け合わせたい

今後の展望について樋口さんは…

樋口さんーー「教育と科学をかけ合わせたいと思います。教育は主観で動いている世界ですが、子どもがこういうモチベーションの時にこのコンテンツを入れたらもっとモチベーションが上がるとか、表面的には楽しいことをメインにしつつ、裏側では科学に基づいたプログラムを準備している段階です」 

教育を数値化、データ化することは、今後の教育改革にとって重要だ。
お迎えシスターは、教育の将来を見据えたアプローチも行っている。 

鈴木款
鈴木款

政治経済を中心に教育問題などを担当。「現場第一」を信条に、取材に赴き、地上波で伝えきれない解説報道を目指します。著書「日本のパラリンピックを創った男 中村裕」「小泉進次郎 日本の未来をつくる言葉」、「日経電子版の読みかた」、編著「2020教育改革のキモ」。趣味はマラソン、ウインドサーフィン。2017年サハラ砂漠マラソン(全長250キロ)走破。2020年早稲田大学院スポーツ科学研究科卒業。
フジテレビ報道局解説委員。1961年北海道生まれ、早稲田大学卒業後、農林中央金庫に入庫しニューヨーク支店などを経て1992年フジテレビ入社。営業局、政治部、ニューヨーク支局長、経済部長を経て現職。iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授。映画倫理機構(映倫)年少者映画審議会委員。はこだて観光大使。映画配給会社アドバイザー。