トランプvs.クリントン 白人票が勝敗を分ける!

トランプ氏とクリントン氏…米大統領選の行方は

カテゴリ:ワールド

  • 有権者登録人数は過去最高。しかし、候補者への熱意は低い
  • 属性別の投票率には開きが。ヒラリー支持層は投票に来るか?
  • 最後まで態度保留するのは白人。それってトランプ候補に有利?

過去最大規模の選挙になる可能性も

懸命に逃げ切りをはかるクリントン候補、差し切りをねらうトランプ候補。アメリカ大統領選挙はゴール直前できわどい勝負になってきた。

こういう場合、勝敗を決するのは、どんな属性の人たちがどれだけ投票所に現れるかだ。クリントン候補の支持者は、黒人、ヒスパニック、女性、若者とされる。一方のトランプ候補は、白人、男性、中高年と、それぞれの支持者の属性は違いが明瞭だ。投票当日、果たしてどちらのグループが投票所に詰めかけるのだろうか?

この選挙に向けて有権者登録した人の数は、史上初めて2億人を超えた。民主党系の政治データ会社 TargetSmart によると、10月半ばの時点で登録者は2億8万1377人だという(多くの州は10月10日までに登録を終了する)。

政治ニュースサイト Politico によれば、2008年にオバマ氏が大統領に当選した選挙での有権者登録数は1億4630万人で、8年間で33%も増えたのだという(後段の通り2012年が1億4631万1千人と思われる数字もあるのだが、確認し切れていない)。

そして Politico は、TargetSmart の評価として、今年の新規登録者の42.6%は民主党寄りで、共和党寄りは29%、無党派が28.4%と伝えている。つまり、新しい有権者を登録させる競争では、民主党が上手くやっていると言いたいのだ。

しかし、有権者登録した人たちがこぞって投票に来てくれるとは限らない。
統計データ会社 STATISTIC BRAIN によれば、2012年の大統領選挙では有権者資格があった人数(登録を行った人も含む)を分母にとって投票率を計算すると57.5%だった。

一般的にはこの数字が投票率になる。ちなみに分母を有権者登録した人数にして計算してみると86.2%だ。この数字を高率とみるか、そもそも投票するためにわざわざ登録したはずなのに結果的に約14%は投票しないとみるか…興味深いところだ。

この関連で注目すべきデータがある。2012年はアメリカ人の76%が必ず投票に行くと答えていたが、今回は69%に落ちているのだ。どっちを選んでも嫌われ者では投票に行く気になれない…ということなのだろう。とすると今回の投票率は2012年の57.5%を下回りそうな気がしてくる。加えて今回の大統領選では、候補者を支持する熱心さが前回よりも低いといった調査結果も公表されている。

人種別投票率が勝敗を分ける?

そして、人種別の投票率にもかなりの差がある。

過去3回の大統領選でみると、白人は65%前後で漸減している。
黒人は60%から66%に右上がりで増えた。おそらく黒人のオバマ支持の表れだろう。
ヒスパニックは48%前後と一段低い。アジア人も47%程度だ。
クリントン候補は黒人、ヒスパニックの支持が固いと言われるし、ヒスパニックの存在感が増しているのも確かだ。

しかし、今回の選挙で白人有権者はなお69%の重みがある。

投票率の趨勢も勘案して評価すれば、白人パワーは侮れない。クリントン候補は、いざという時にヒスパニックを当てにできるのかどうか、祈るような気分だろう。

また、前回の有権者登録のデータでは、女性の方が男性より登録率が高い。
年齢別では年齢が上がるにしたがって登録率も高くなり、65-74の年齢層がピーク。
所得別も所得が増えれば登録率も上がる。学歴も同じだ。

トランプ候補の支持者の属性である学歴が低く所得も少ない層は、有権者登録をし、そして投票に来てくれるだろうか?
一方のクリントン候補は、民主党の支持基盤の一つである若者層をちゃんと取り込めたのだろうか?しかも彼らの投票率は低い。若者たちが投票所に姿を現すかどうかは当日の注目点だ。

最後に、2012年大統領選の出口調査で、いつ投票する候補者を決めたかという問いに、9%が投票当日ないしそれに先立つ数日間と回答した。投票総数から計算すると1136万人あまりとなる。

クリントン、トランプ両候補は今、まさにこの1000万人超の有権者の捕り合いをしていると言っていい。

そして、最後まで決定を留保する人たちの大半は白人なのだという。それはトランプ候補にとって大いに期待したいに違いないポイントだ。