日本で音楽配信はムリ? 黒船「Spotify」は成功できるか。

日本人が知らない本当の”フリーミアムモデル”とは!?古市憲寿が2人の専門家に聞く。

カテゴリ:ビジネス

  • Spotifyが日本上陸したが、音楽配信は各社苦戦中。
  • 日本で広がらないのは「オルゴール問題」のせい?
  • “本当のフリーミアム”が成功のカギ。

日本で音楽配信サービスが広まらない理由

ヨーロッパ発の定額制音楽ストリーミングサービス「Spotify」が9月29日に日本でのサービスを開始した。4000万曲以上もの曲が配信されていて、無料と有料の2種類のプランが存在。有料プランなら音質が良く、途中に広告が入ることもなく、オフライン環境でも利用できるなどの特典を得ることができる。Spotifyは全世界で1億人を超えるユーザーがいるという大人気サービスだが、果たして日本ではうまくいくのか?

ITジャーナリスト三上洋氏

古市「Spotifyが上陸しても、すでに日本で広まっているAWAやAppleMusicとそんなに変わらないから、乗り換える動機付けがあんまりなさそうだし、すでに曲をためちゃってるアプリがあるとなかなか新しいアプリにいけないっていうのはありますよね。ラジオやYouTubeもあるし。でも海外では広まってるんですよね?」

三上洋氏「北欧が一番強いです。若者のほとんどが使っている状態で、アメリカもそうです。アーティストにとってSpotifyで配信することが重要で、みんなが定額制のお金を払ってくれるのはSpotifyなんです」

古市「なるほど。日本でこういうサービスが流行らない理由って何があると思います?」

三上洋氏「“オルゴール問題”があります。」

古市「“オルゴール問題“?」

三上洋氏「はい。曲の著作権はクリアしてるけれど、アーティストやレコード会社の著作権がクリアできない場合に、オルゴールを入れているんですよ。これを聞いた途端に『がっかり。もうやらない』ってなっちゃうんです。それが”オルゴール問題”」

古市「なるほど(笑)」

「Spotifyが広まらない理由が思いつかない」

音楽プロデューサー山口哲一氏

古市「山口さんはいかがですか?」

山口哲一氏「日本法人ができて4年、欧米から遅れること8年なんで、『あーやっとかぁ』というのが正直なところですね。『オンデマンド型のストリーミングサービス』が正しい言い方で、その”フリーミアムモデル”です。無料でも楽しめるけど、より楽しむための月額制という形は、いわばSpotifyが発明して広めたと言ってもいいサービスだと思います」

古市「日本でこういうサービスが広まっていない理由は?」

山口晢一氏「それはSpotifyがなかったからじゃないですか?Spotifyが日本で広まらない理由が僕には思いつかない」

古市「日本では先に始まったAppleMusicなど他の類似サービスがそこまで広まっていない理由は何なんでしょう?」

山口晢一氏「日本は“フリーミアムモデル”を導入できなかったということが一つ大きいですよね」

古市「他のサービスの、はじめ無料で…というのとは違うんですか?」

山口晢一氏「違いますね。2-3ヶ月無料というのは“フリーミアム”とは言えないですよね。それはお試し期間。Spotifyはフリーで楽しんで、本当にもっと楽しみたい人だけ有料にするという形でやっているので、設計思想が違うというか」

古市「欧米ではSpotifyに入らないアーティストはいないんですか?」

山口晢一氏「いますよ。逆にそれがすごい話題になって売れたっていう話もあります(笑) ラジオが始まった時にレコードが売れなくなるんじゃないかという声もあったけど、逆に音楽が広まって売り上げに繋がっていった、という歴史を見ても、Spotifyが音楽業界にとっていい流れになるのは間違いないと思います」

試してみたい?他とは違う本当の“フリーミアムモデル“

古市
「先駆者であるSpotifyより、それに追従する他サービスが先に広まったということで、日本の中では立場が逆転してますけど、もともと日本に入っていなかっただけで、これだけ大きな音楽マーケットを持つ日本に入ってきたのは必然なのかなっていう気がしました。

Spotifyと他社サービスとの違いは“フリーミアムモデル”という形。基本的には無料で使い続けることができるという点で、他のサービスより使いやすいのかなという気がしました。でも日本は各社苦戦してるんですよね。オルゴール問題もあるし(笑)。あと昔の曲が聴けなかったり。以外とまだまだ痒いところに手が届いてないんじゃないかな。

CDも無くならないんじゃないですかね。形があってポンっと渡せるという点で、記念品やアーティストの名刺代わりとして残っていく。ただ渡されてもすぐ再生できないけど。頑張れば聞けるんだけどね…(笑)」


「あしたのコンパス(10月5日放送)」より