トランプ台頭で『日米ロ中』関係が激変!?『米ロ』ビッグ2と会談した安倍首相の狙いとは

トランプ氏、プーチン大統領と相次ぎ会談した安倍首相の思惑は?日本にとって最高 or 最悪のシナリオを「日米」、「日ロ」関係の専門家に伺う

カテゴリ:国内

  • 安倍・トランプ・プーチン3人でゴルフをする日がくるかも?
  • 日本にとって最悪のシナリオは「中国・ロシア」の急接近
  • プーチンいわく日本は戦略的パートナーではない

安倍首相は、日本時間18日にアメリカのトランプ次期大統領と会談を行った。さらに日本時間20日にはペルーで、ロシアのプーチン大統領と首脳会談。日本はなぜこの時期にアメリカ・ロシアの要人と相次いで会談を取り付けたのか。速水健朗が「日米」「日ロ」の専門家に聞いた。

【日米】トランプ会談は成功だったのか?

拓殖大学海外事情研究所教授 所長・川上高司氏


トランプ氏が大統領になると、国務長官や国防長官などを任命するのでしょうが、様々な政策の判断をすることになったら「お前はクビだ!」と、どんどん変えてしまう可能性があると思うんですね。そうなると日本政府としては、最終決定者のトランプ氏と個人的関係を作っておくのが一番でしょう。

【日米】安倍総理の狙いは?

アメリカの外交政策を見ていると、どう考えてもトランプ次期大統領とロシアとの関係は深まりそうなんです。おそらく安倍さんは、ロシアとの関係を重視していられると思います。アメリカとロシアが接近するなら、日本もそこも加わり「日米ロ」で共同体を作って中国に対抗していく。その共同体でどれだけ日本が主導権を握れるのかが重要になってきます。

【日米】これからの日本外交で最悪のパターンは?

安倍首相とトランプ氏の会談もうまくいったようですし、これからは「日ロ」関係にアメリカからのバックアップが期待できるでしょう。今までは「日ロ」関係を進めようとするとアメリカから「お灸」を据えられかねなかった。これからは「日米ロ」のトップ3人で、ゴルフやったり、ウォッカ飲んだりできるかもしれません。そこまでいけば北方領土解決の糸口も見つかると思います。

大きなポイントはトランプ氏が中国とどういう風に付き合うのか。「米中」が歩み寄ったら日本は困る訳です。だからあくまでも日本はアメリカと中国が近寄らないようにしなくちゃいけない。一番悪いパターンは「米中ロ」が手を結んでしまうこと。そうならないよう、今が勝負どころだと思います。

【日ロ】アメリカの大統領交代で何が変わる?

東京財団研究員・畔蒜泰助氏


日本とロシアの関係は、オバマ政権から相当な圧力をかけられていました。そこにロシアに対して融和的な発言をするトランプ次期大統領が現れたため、安倍政権はロシアとの関係を非常に重視しているんです。

トランプ氏の発言を見ていると「米ロ」の関係を改善したいという意向はあると思われます。しかし、アメリカの外交で大統領が動かせる部分はかなり限られているんです。トランプ新政権が「米ロ」関係を改善する方向に向かうのか、ロシアとしてはまだ「見てみないと分からない」という状態ですね。

【日ロ】北方領土問題に進展はあるのか?

ロシアは「日ロ」関係を非常に重視していて、日本とは「戦略的な関係」を着実に積み上げていきたいと考えているのは間違いありません。ただし領土問題に関しては、「戦略的な関係」をちゃんと積み上げたあとに解決の糸口が見えてくるというのがロシアの考えなんです。ペルーでの首脳会談では、その考え方というか感触のようなものが、やっと表に出てきたというところです。

実は10月末にプーチン大統領はモスクワで行われた有識者会議で、「中ロ」と「日ロ」関係を比較してこう語っています。中国とはもはや戦略的関係以上であり、日本との関係はそれに至っていない。つまり、ロシアの公式文書では日本はまだ戦略的パートナーでもないんですよね。だから領土問題の出口を見つけるためには、日本がロシアと経済的な関係や安全保障の関係を深めていくことが必要だと思います。

【日ロ】最悪のシナリオは?

日本としては、ロシアと中国が接近しすぎるのは避けなければいけないシナリオです。むしろ日本がイニシアチブをとって「日ロ」関係を強化しながら、そちらの方向にいかないようにしなければなりません。トランプ政権に、中国と「日ロ」の関係を理解させていくというのが非常に重要だと思います。

アンカー速水健朗のまとめ

はじめに話を聞いた川上さんは、外交において人と人との個人的な関係が重要であると。世界で「米ロ」が注目されている中、いかに日本がついていくか。安倍首相は、「米ロ」が接近しすぎそうだと察知して急きょ異例の会談を行ったという見方でした。

畔蒜さんは、「米ロ」関係はそんなに改善はしないという意見。アメリカの大統領はすごい力があると思われがちだが外交など実際には勝手にやらせてくれない部分があるということでした。

逆に川上さんは、トランプ氏は個人的な強硬策で外交を動かすとしていました。

お二人の専門家に話を伺いましたが、ちょっとずつ視点が違っていましたね。ボクらは外交で実際には何が行われているかわからないので、識者の方々に背後の戦略を読み取って頂くしかないんですが、非常に面白かったです。


(執筆:compass)