「尻込みしたコミュニケーション」 佐々木俊尚が「欠席連絡はFAX」問題を嘆く

話題のブログ記事「学校はFAXを廃止してください」から見えてくる教育現場の現状。

カテゴリ:国内

  • 欠席連絡にFAXを使うのはトラブル予防策
  • 必ずFAXは特殊な例
  • FAXは尻込みしたコミュニケーション

ブログサービス「はてな匿名ダイアリー」で小学生の保護者とみられる人からの投稿が話題となっている。
「学校はFAXを廃止してください」と題された記事で、投稿者は「小学校の入学説明会に行ってきたんだが、『欠席遅刻早退の連絡は必ずFAXで送信してください』だそうな。」と書き込み。
さらに「年に数回あるかないかの学校への連絡のためだけに固定電話を引いてFAX本体を買わないといけなくなりました。」と嘆き、「神様、お願いです。この世からFAXを消し去ってください」と訴えている。

佐々木俊尚の目線

電話回線引いていない家って多いよね。今どきの一人暮らしの大学生ぐらいだと、ほとんど引いてないんじゃない。
みんな携帯電話だけで、パソコンとかを使う場合はiPhoneのテザリング機能のように、スマホの回線でパソコンを使うとかね。
もしくは外のカフェ、スターバックスとかに行くとWi-Fiとかを使えたりするので。
そうするとあんまり、家に電話はいらないかなって。

FAXを使うのはトラブル予防策

大阪教育大学 教育学部 准教授 小崎恭弘さん

これは予想でしかないのですが、FAXってものがきちんと残りますよね。
電話だと「言った、言わない」のトラブルがあったりですとか、伝え間違いがトラブルになったとかが一度あると、きちんと紙に残してエビデンス(証拠)をとるということですよね。
どちらかというとトラブルの予防策のためにFAXというイメージがあった。
たとえば電話する方は1人ですが、インフルやノロが流行ると、朝ずっと電話がかかって、それを窓口で受ける人が1人必要となると、朝の学校は授業の準備であったりとかで非常に忙しいので。
学校としては「効率的で確実で間違いも少ない」という意味で、ツールとしてのFAXというのが選択肢として出てきたのかなと思いますね。

先生の携帯番号は教えない

先生の携帯電話の番号は基本的には公開していないと思いますね。
夜中に電話がかかってきたり、教師と親が対立したり。
なにかちょっと一件あったら、それに引っ張られて不都合や不自由なことが起きていく。
公開しないのはこのような背景があったんではないかと察してはいます。

ルールをすぐに変えないのが学校

決まっているルールをすぐに変えていく文化がないのが学校だと思うんですよね。
これからの変化に合わせて、学校もこれから変化していくことにはなっていくと思いますし、先生も保護者の立場になった時に非常に困ると思うんですよ。
そういうことを実感していく方々が増えてくれば、また変わっていくのではないかと思います。

必ずFAXは特殊な例

教育ジャーナリスト 中曽根陽子さん

私はこのニュースを聞いてびっくりしました。
私のネットワークでいろいろなお母さんにも聞いたんですが、FAXを使っている学校に行っているという人は一人もいなかったんですね。
なのでこれは結構、特殊な例ではないかなと思います。
大抵は連絡ノートを友達に託すという方法で、どうしてもの場合は電話という学校もありましたけど、必ずFAXだというのは初耳だったのでびっくりしました。

欠席連絡の主流は「連絡帳」

欠席遅刻早退の連絡は「連絡帳」が主流ですね。
学校によって通学班みたいなものを通学路によって作ってたりするんですよね。
そうすると、同じクラスとか同じ学年でいなくても、上級生だったりとか誰かしらそういった繋がりを持たせている、どこか近くで仲良しのグループがあったりするので、何かの時にはその人に託すとかそういったネットワークを作っている学校は多いですね。

ホームページの「連絡フォーム」を活用する学校もある

私立の学校なんかも、そもそも遠くからみんな通っているので、ある学校では「連絡フォーム」みたいなのがホームページにあって「何年何組の誰で理由はこれで休みます」というのをとりあえず送信して、後から欠席理由書みたいなのを出すというシステムをとっているところもあります。

佐々木が考える「学校がFAXを使い続ける2つの理由」

佐々木俊尚のまとめ

1つはそもそも、先生のITリテラシーが高くない。わざわざそこまでITを駆使しなくてもいい仕事なので。
あと、生徒の家庭にいろんなレベルがある。学校教育だったりすると収入格差もあるし、携帯電話を持っていない家もあればスマホやPCがない家もある。
そういうなかで、どこらへんでバランスをとったコミュニケーション手段にするかというのを考えると、まぁある程度、以前から使われていて割に安価で入手できて最先端ではないということで、FAXという話になるのかなという感じはしますね。

FAXは尻込みしたコミュニケーション

FAXがなぜ使われているかっていうのをみると、クレームを受けないようにして、どちらかというと尻込みしながら学校がコミュニケーションをとる手段がFAXという感じ。あまり積極的じゃないよね。ポジティブなコミュニケーションではない。
でも本来はポジティブなコミュニケーションを親と学校がとれるようにした方がいいに決まっているので、尻込みしたようなコミュニケーションではない方向にいってほしいなと。
なかにはモンスタークレーマーみたいな人もいると思うんだけども、それは全員が全員じゃないから、一部の人しかいないんだから、そこはあまり気にしないというね。
クレームされてもそこはある程度、切り捨てるくらい思い切りのある姿勢で立ち向かうことが大事になっていくんじゃないかな。