東芝が進むのは「復活」か「破たん」か?古市憲寿が行方を探る

決算報告の発表をまた延期した「東芝」は復活できるのか

カテゴリ:ビジネス

  • もう開き直るしかない綱川社長
  • 原発部門の売却も問題山積み
  • 東芝は事業がたくさんありすぎる

経営再建中の東芝は「四半期報告書」の提出を再延期すると発表した。綱川智社長は会見で、これ以上の損失拡大を防ぐため子会社の原子力発電企業「ウエスチングハウス・エレクトリック(WH)」を売却し、決算の連結対象から外すことを明らかにした。一方、破産法の適用については「決まったことはない」としている。窮地の東芝に復活の可能性はあるのか、東芝製お掃除ロボットを買ったばかりという古市憲寿が2人の専門家に聞いた。

綱川社長が開き直った

経済ジャーナリスト  片山修さん

会見に臨んだ綱川社長は落ち込んだ様子もなく、むしろ前の会見より はっきりと話していました。もう開き直るしかないですからね。そんな印象を受けました。

原発部門の売却も問題山積み

今回の東芝の悲劇といいますか、一連の騒動は全てWHを買ったことから始まった訳です。それを元から絶たなきゃ、いつまで経っても損失が発生します。問題になっているアメリカの2基の原発は、本来2016~17年に完成する予定でしたが、まだ30%程度しかできていないそうです。それで予定を2019~20年に伸ばしましたが、現段階ですでに完成は無理だと言われています。社長はこの原子力事業を本体から切り離すと言ったわけです。

ただ売るためにはいろいろな問題を抱えています。損失が出たら工事側がほとんどを負担するなど不利な契約がいっぱいあって、そういうのを整理しないと売れないわけです。連邦破産法11条のいわゆる「チャプター11」も検討されていますが、これはアメリカ政府が損失の一部を補償する事態になると言われていて、なぜ日本企業にお金を出すんだという問題等々が発生する。しかし、この元を経たないと東芝の再建はありえないんですよ。

政界・経済界も東芝倒産は避けたい

きのうの記者会見では「再生東芝のビジョン」なんてのが出ました。今期の売り上げは5兆6000億円あるんですが、2019年には、WHと半導体部門を売って、社会インフラ・エネルギー・電子デバイス・ICTソリューションを寄せ集めて4兆2000億円を目指すと。記者からは「何回、再生東芝のビジョンを出すんですか?」とか言われてましたけどね。

とりあえず、政府としても東芝全体が倒産する事態は避けなければいけないわけですよ。いま日本で、原発を廃炉できる知見を持っているのは日立と東芝しかないんです。ですから、廃炉問題もあるのでなんとしても東芝を再生させなければいかんと、経済界はその方向なんです。

あり得ない!最悪!会社の体をなしてない!

嘉悦大学教授  高橋洋一さん

決算が組めないというのは、あり得ない最悪な状況です。経営者なら知っていると思いますけど、決算は企業にとって「いろは」の「い」です要するに決算が組めない状態は会社の体をなしてないですよね。

前四半期の概算は公表してますよね。損失7000億円で、その時の自己資本が約3000億円、年間利益はどれだけ稼いだって2000億円ぐらい。ですから必ず債務超過になりますよね。それが2000億か1000億なのかという話をしているだけですから、どれだけ頑張ったって債務超過が確実だというのはみんな分かっているんですよ。

東芝が「ゴミ溜め」になる

債務超過ですから債権者が訴えれば、すぐ破たんという事態になります。なにか事業を切り売りしない限りは、もう破たんは避けられないんですよ。でも優良な部門を売ると、あとは「ゴミ溜め」みたいなものしか残らないんですよね。ですから東芝は破たんしないように必死になっているんですよ。

WHを売却するといっても誰が買うんでしょうか?この話が出た会見の場では、実は大きな笑いが起きましたよ。今頃何言ってるんだ、先に言っていればこんな問題にならなかったと、みんな呆れ果てましたね。

金融機関の場合は、破たんすると社会的影響が大きいので政府が守ろうとするケースもあるんですが、今回は多分やらないでしょう。政府が廃炉技術を欲しいというのなら、東芝が破たんした後に事業部ごと売りに出されるから、そこで原子力部門だけを買えばいいんです。

社長も一部門しか分かってない

はっきり言うと東芝は事業がたくさんありすぎるのでコントロールするのが難しいんですよ。大きな会社なので、いろんな部門を事業部制にしているんですが、本当だったら分社化しちゃっえばよかった。原子力が分かっている人は半導体は分からないとかそういう形になっているんです。確か今の社長も一つの部門しかわかってない。いろんな事業を一つの会社でやっているのが根本原因だと思います。

実は東芝は、3年ぐらい前につぶれてても不思議じゃなかった。それが粉飾を重ねて今まで来たという事なんです。当時のマスコミは粉飾とは言ってなかったんですが、あれは東芝がいろんなメディアにお金を出してコマーシャルをたくさんやっていたからなんでしょう。

古市憲寿のまとめ

東芝のプランによると、社会インフラとかエネルギー部門とかを残すことで、だいたい4兆円ぐらいの売り上げと2000億円ぐらいの利益を出せるいう事でした。片山さんも、東芝は底力があるとおっしゃっていました。一方、高橋さんはもう無理でしょと。いろんな部門が一緒になっているので、誰もマネジメントできない。一人の社長がすべてを見るのはそもそもなかなか難しいんじゃないかなって話でした。

大村アナウンサー:大企業ならではの展開というか…。

フジテレビは大丈夫ですかね~?

大村アナ:えっ? えぇっと…。

どこの企業も大きくなれば、いろんな事業に手を出しますね。事業が一つだと、それが行き詰った時にまずいから、いろんなことをやった方がいいと一時期言われていました。それで成功した企業もあると思うんですけど、手を広げすぎた結果こうなっちゃったのかなと思いますね。