朝ドラのオープニングも手がけるミニチュア写真家が語る製作秘話

話題のミニチュア写真家・田中達也さんが生出演

カテゴリ:話題

  • 日常にある物を別の物に見立てたミニチュア写真が話題
  • アイデアのストックは200個くらいある
  • 今後はミニチュアではない表現も探りたい

ネット上でバズっている人をとりあげる「バズりびと」。今回は、日常にある物を別の物に見立てて独自の視点で切り取るミニチュア写真が話題のミニチュア写真家・田中達也さん

田中さんは、もともと会社員としてグラフィックデザイナー・アートディレクターの仕事をしていましたが、2011年の4月から趣味のミニチュア写真をインスタグラムで毎日投稿し始めると話題になり、2015年に会社を辞めて独立し、現在のフォロワー数は75万人を超えています。また、現在放送中の朝の連続ドラマ「ひよっこ」のオープニングも手がけています。

古市憲寿
もともとは趣味で始めたことが5、6年くらいで朝ドラのオープニングでってすごいですよね。

鈴木理香子アナ
私は毎朝見ているので、あのオープニングを作ってる人なんだと思ってちょっと嬉しいです。依頼はどういう経緯で来たんですか?

田中
普通にホームページのお問い合わせにメールが来てそこから電話で話してという感じです。一気に朝ドラのおかげで知ってもらえました。

古市
もともとインスタグラムで若い子には知られてたかもしれないけど、朝ドラの視聴者はおじいちゃんおばあちゃんがいるからそこで一気に広まった。

何かに“見立てる”作風

田中
川下りして滝から落ちようとしている場面なんですけど、これはビールを滝に見立てていて、僕の場合ミニチュアと実際にある日用品を組み合わせて何かに見立てるというのを作風にしてます。

古市
見立てがすごい上手だと思うんですけど、ビールで川下りというのはどういう風に思いついたんですか?

田中
これはビールありきですね。よく食品サンプル屋さんにいって頼んだりするんですけど、そこでいろいろ物色していてこのビールを見たときにおっと思って。

古市
もともとミニチュアは好きだったんですか?

田中
好きですね。それ以上にもともとプラモデルをやっていて、それに添える人形でミニチュアを持ってました。

古市
一番最初はどんな作品から始まったんですか?

田中
最初インスタグラムを始めた頃は風景ばっかり撮ってたんですね。なんか被写体欲しいなと思って手元に鉄道模型用のミニチュアがあったので、ミニチュアを被写体として撮影し始めたのがきっかけです。

古市
初めからいろんなものを組み合わせようと思ったわけではなくて、風景から始まってそこに添えようと思ってミニチュアを使うようになった?

田中
その方が「いいね!」増えるかなと思ってやったんですけど、見立てが入ってる方が「いいね!」が多いなと思って、そこから今の作風になりましたね。

スマホの“動画停止ボタン”で相撲
付箋で湧き水

古市
本当は子どもでもできるはずだけど誰もやろうと思いつかなくて、それを見せてくれると面白いですよね。子どもの頃からプラモデルとかミニチュアとか好きだった?

田中
好きですね。鉄道模型って憧れるんですけど買ってもらえないじゃないですか、そのできないことを補てんするために本を並べてビルにしたりとか。

古市
子どもの頃から想像力を使っていた。今までどれくらいの作品を作ってきたんですか?

田中
考えると2000以上はありますよね、毎日1枚必ずあげているので365日×6年だとしても。

古市
作った作品はほとんど解体してしまう?

田中
はい、全部棚に片づけてます。

K.ナガハシ(ロケットニュース24
商品との親和性が高いというか、例えばメガネの写真は商品に対して親近感とか愛着を持ってもらえるような写真を作られてるので、いろんな商品の宣伝材料という形でも需要がありそうな感じがしますよね。

田中
実際メガネの広告もありますね。

撮影場所を見せてもらいました

田中
ここが撮影してるところで、この下はミニチュアの人形が入ってます。

鈴木
わぁすごい!いっぱいある。

古市
1個の作品撮るのにどれくらいかかるんですか?

田中
平均2時間くらいですかね。

古市
アイデアが凄いと思うんですけど、ポンポン浮かぶんですか?

田中
どちらかといえば先にアイデアを考え付いていて、それを明日どの作品をあてはめるかというのが多いですね。アイデア自体のストックは200個くらいは全然ある

古市
アイデアはどんな時に思いつくんですか?

田中
一番は100均ショップで買い物してるときとかですかね。

古市
100均で買えるものもアートに使ったりするんですか?

田中
しますね。セロハンテープとかホッチキスの針とか。

田中さんお気に入り作品 3位「Way home」

田中
これは帰り道なんですけどなんとなく日本人の原風景的な感じが。見立ての一番最初の基本は畳だったなと。人形だけを置いてライティングで表現してました。

古市
ミニチュアの親子の人形を置いただけのシンプルな作品なんだけど、なかなか畳を田んぼとかに見立てようと思わない。そこがやっぱりアイデアで素敵ですよね。

2位「Shade of tree」

田中
これは写真集の1冊目の表紙になった作品。僕の中で代表的なモチーフがブロッコリーみたいなところがあって、説明するときに「ブロッコリーが木に見えますよね」って言ったら大体共感してもらえるんですよ。説明しやすいってこともあっていいなと。

古市
確かにそう言われたらわかるけど、普段は思ってないじゃないですか。「ブロッコリーは木」っていつ頃から思ってたんですか?

田中
子供の時から思ってました。スーパーに並んでるじゃないですか、そのブロッコリーが山の風景に見える。

鈴木
ブロッコリーは撮影の後おいしくいただいたんですか?」って質問がきてます。

田中
全部食べました。しばらくブロッコリーが続いて嫌だった思い出もありますね(笑)

1位「Rice Reaping」

田中
稲刈りの場面ですね。ちょうど朝ドラの初回が放送されるときに投稿した作品。オープニングでも使っている。これがすごい反響があってインスタグラムに投稿した僕の作品の中で一番「いいね!」が多かった
(※インスタグラムで約7万「いいね!」)

古市
これはたわしなんですか?

田中
靴を磨くブラシです。切り取ってちょっと緑色に染めて。

古市
全部無理してないのがいいですよね。無理してなんとなく見えるじゃなくて、それまで気づかなかったのに言われれば「そうか!」とわかるのが絶妙なんでしょうね。

鈴木
今後はどんな作品を作りたいですか?

田中
ミニチュアじゃなくても見立てがあれば僕の作品になりうるので、台湾と東京の今度の展覧会ではでっかいブロッコリーを展示しようかなと。そこに人が入ることでミニチュアの中に入ったような世界観。

古市
自分の方がミニチュアになるっていう、確かに見立てだからミニチュアである必要はないですよね。

田中
もうちょっと見立てというところでミニチュアじゃない表現も探っていきたい

古市
可能性は無限にありそうですね。

【台湾】「微型展 田中達也的奇幻世界」6月29日~9月10日 中正紀念堂
【東京】「MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界」9月1日~12日 新宿高島屋